実践!原付チューンアップ 実力本位の「零」パーツ
    取材協力/レーシングサービス・ゼロ 取材・撮影・文/木村 圭吾 構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
    掲載日:2011年12月28日

レーシングサービス・ゼロのポリシー

レーシングサービス・ゼロは二種を含む原付系をメインとしたチューニングパーツメーカーだ。その商号のとおり、レースフィールドを通じて培われたノウハウを豊富に持っており、それを出し惜しみすることなく送り出す製品にフィードバックされている。そのため要となる性能アップに関して決して妥協をしないこと。誰が同社の製品を装着しても「速くなったな」と体験できるのがウリでもある。そのために開発段階においてはパワーチェックを繰り返し、最高性能を発揮するように煮詰められるのだ。

 

だが、いくら性能が高くても、それがユーザーにとって手の届かない存在となっては意味がない。そのため価格をいかに抑えるか? も重要なテーマであり、そのための努力や研究もたゆまなく行われているのである。そしてチューニングパーツであっても耐久性は決して犠牲にはしないのも特筆すべき点だろう。純正品と同等かそれ以上が確保されているのだ。それを見極めるためのシャーシダイナモ上でのテストは、時として1000回以上! に渡る場合もあるとのことである。

 

常に真摯な姿勢で取り組んでいるため、イベントなどにブースを出展した際にはユーザーからの相談を受けることもある。チューニングで困っている場合には、その対処法を説明したり、あるいは他メーカーのパーツや純正品を紹介したりもする。それは直接的な利益に結びつかないが、エンドユーザーを第一に考えてのことであり「面白いと思ってもらえる製品作り」がレーシングサービス・ゼロのポリシーでもあるのだ。

RACING SERVICE ZERO

ミニ系のカスタムパーツを多数取り扱っているレーシングサービス・ゼロ。エキゾーストならば2ストスクーター用のチャンバーから、4スト用フルエキまで、さらには駆動系のチューンナップパーツやブレーキパッドなど、レースフィールドから得たノウハウを活かした製品は多くのライダーから支持を得ている。

住所/大阪市平野区西脇1-16-22

電話/06-6704-0077

レーシングサービス・ゼロでは、4ストローク系のスクーター用マフラーとして静粛性と高性能を両立させたジャガーマフラーと、静粛性と高性能さにスタイリッシュさを加えたデュークマフラー、2ストローク用のチャンバーではアグレッシブなスタイルながらも音量を抑えたジークと、性能を追求したコルサなどさまざまなブランドの排気系をラインアップしている。

パワーラグジュアリーマフラー・ジャガー(各車種あり)

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サイレントハイパワーマフラー・デューク(各車種あり)

サイレントハイパワーマフラー・デューク(各車種あり)

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サイレントハイパワーマフラー・デューク(各車種あり)

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サイレントハイパワーチャンバー・ジーク(各車種あり)

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スーパーユーロ・コルサ(各車種あり)

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スーパーユーロ・コルサ(各車種あり)

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スクーターにおけるカスタムの第一歩はマフラーの交換だ。その意味合いのひとつはドレスアップ効果、そしてもうひとつはパワーアップだ。交通の流れに速やかに乗ることができたり、あるいは幹線道路への合流といった場面で恩恵を得ることができ、乗りやすく快適なライディングが楽しめるようになる。ここでは、ヤマハのシグナス125Xによるその交換行程を見てみると共に、マフラーの性能をより活かすことにもなる駆動系のチューンについても見てみよう。

交換前

ノーマルマフラーを取り外す。年式によっては、エキパイにO2センサーが取り付けられているので、それも外しておく。尚、何かあった時のためにノーマルは保管しておこう。

ジャガーマフラーへと交換する。内容はサイレンサーバンドが2本に車体に取り付けるためのステー、サイレンサー、エキパイ、スプリングだ。

前側は純正の、後ろ側は付属しているボルトを用いてスイングアームにステーを取り付ける。

車体に組み込む前に、サイレンサーとエキパイを付属のスプリングを用いて合体させておく。

エキパイをシリンダーヘッドに取り付ける。いきなり本締めせずに、落下しない程度の仮留めとしておく。その際にはガスケットの落下に注意。また年式よってO2センサーのある車体は忘れずに組み込んでおくこと。

サイレンサーバンドを用いてステーにサイレンサーを取り付ける。ここもいきなり本締めにせず、一旦仮留めにして様子を見てから、ヘッド側と合わせて本締めとする。取り付け後はエンジンを始動し、排気漏れが無いかもチェックしておくこと。

マフラーを交換したのならば、合わせて駆動系にある「ウエイトローラー」の変更も半ば必須だ。その過程では必然的にレスポンスなどに深い関係のあるプーリーの脱着も必要となるので、同時に交換してしまえば工賃も抑えられる。

純正の樹脂製エアダクトとクランクケースカバー、キックペダルを取り外すと駆動系が現れる。向かって左の円がプーリーフェイス及びプーリーで、右の穴の開いた円がクラッチ。両者はベルトで結ばれている。

中心にあるナットを緩めて、プーリーフェイスを取り外す。奥にあるツヤのあるパーツがプーリーだ。

プーリーを車体から取り外すと、その中には「ウエイトローラー」というパーツが組み込まれている。

マフラーを交換して上まで回るようになったのに呼応して、ウエイトローラーを純正の6個から3個に減らす。その場合も、3個の位置は均等に置くこと。偏っているとプーリーの偏摩耗の原因ともなるので注意が必要だ。

ウエイトローラーを減らした純正のプーリーを用いても良いが、さらなるパワーアップや乗り味を求めるならば、プーリーとプーリーフェイスの交換も考えてみたい。

ウエイトローラーの円周面には付属のグリースを適量塗布しておく。

プーリーの中心の穴のメタル部分にも同様にグリースを塗る。

ウエイトローラーには正しい向きがある。プーリーの回転方向に対して画像の様に刻印のある方を(純正であればカバーがされている方)下へ向け入れる。

スクーターの乗り味を決める要素の一つがウエイトローラーだ。これには推奨値があり、プーリーのパッケージに記載されている。

ゼロからリリースされているウエイトローラーは、さまざまな重量が用意されている。尚、純正のウエイトローラーの重さは1個が12gだ。

プーリーを取り付けた後にワッシャーを組み込む。このワッシャーにも厚みが何種類かあり、それによっても乗り味が変わる。

プーリーフェイスを取り付けて、ナットを規定トルクで締め付ける。その後にカバー類を元に戻して駆動系の完成だ。

奥が深い駆動系チューン

マフラーを交換すると同時に、駆動系の変更が必要になってくるのがスクーターチューンにとっては必須であり、そのあたりがミッション車との大きな差異だと言って良いだろう。

 

交換行程でも触れたように、少なくとも純正を用いる場合でもプーリー内にあるウエイトローラーの重さを変更(減らす)ことは必要であり、そうしないとせっかくマフラーの変更によって回るエンジンになったとしても、その性能を十分に発揮させられないのだ。プーリーやプーリーフェイスも一見すると純正とデザイン上の差しか無いように思えるが、子細に見れば斜面の角度が異なっており、これによって乗り味が変わっているのだ。そして、軽視できないのがワッシャーの存在だ。その厚みを異なる物にすることで、乗り味が異なってくるのである。簡単に言えば、厚みが増せばダッシュ力が強まり、逆に薄くすればクルージングにおけるエンジン回転数の低下といった感じになるのだ。

 

ウエイトローラーの重さをどのくらいにするか? やワッシャーの厚みをどのくらいにするか? は推奨値はあれども“正解”は、存在しない。なぜならば、ユーザーによって好みが分かれる部分だからだ。だからこそ、その“正解”を見付けていくことがスクーターチューンの面白さのひとつであり、そんな「泥沼」に漬かってみるのも楽しいと言い得るだろう。

レーシングサービス・ゼロでは、上の交換作業でも登場したスクーターの駆動系パーツや、抜群の制動力を誇るブレーキパッドなどがあり、それ以外にもミニ系パーツが多数ラインナップされているので、ぜひとも同社のホームページなどでチェックしてみよう。

ハイスピードプーリーキットSS

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ハイプレクション・ウエイトローラー

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