充実の装備にグッドデザイン賞のフォルム
125クラスならではの余裕と取り回しの良さも魅力

2013年春に開催された大阪及び東京モーターサイクルショーにおいて、ホンダから市販予定車として出品されたのが『MSX125』だ。それは来場者の注目を集め、同年６月には車名が『GROM』（グロム）とされ、日本国内での発売が開始された。

グロムはタイの現地法人A.P.ホンダが生産し、各国に送り出されるグローバルモデルである。同様のバイクには『CBR125』や『ズーマーＸ』などが存在している。タイを筆頭としたアジア圏では、これまでどおりの実用車としての需要に加え、趣味性の高い車両へのニーズも高まっており、それに応えたモデルのひとつと言えるだろう。

外観的には、車両全体に対して大きな割合を占める樹脂製のタンク（カバー）が目を引く。だからと言って唐突な感じは無く、グロムの印象を強く主張しながらも、破綻しないバランスの良さが見て取れる。2013年のグッドデザイン賞を授与されたのも納得である。

タイモデルの『Wave125i』にも採用されていた定評あるエンジンをベースに、要所にグロム専用設計の部品を投入。それに組み合わされるミッションはリターン式４速。クラッチレバーでギアを選択する、バイクらしい操作性が備わっている。

装備も充実しており、前後のブレーキは油圧式のディスクブレーキで、ローター径はフロントが220mm、リアが190mmだ。フロントフォークには、高剛性のインナーチューブ径31mmの倒立タイプが採用されている。またヘッドライトにはコンバインドプロジェクターを使用、テールランプはLED、液晶ディスプレイを使用した多機能型メーターなど、ユーザーの所有感を満たす内容となっている。

125ccクラスなので、大排気量車のセカンドバイクとしても、またグロムそのものをファーストバイクとする選択肢もあるだろう。プロトでは正規輸入を手掛けているタイホンダの純正アクセサリー『H2C』を筆頭に、機能性やルックスの向上に貢献するパーツを用意している。それらを紹介しよう。