異型オーバルデザインが特徴的なWR'Sのチタンサイレンサーモデル。そのスパルタンなデザインに加え、サイレンサー後端のブルーフィッシュが絶妙なグラデーションを醸し出し、大幅にグロムのルックスを上げている。マフラー交換は容易で今回のメカニックで10分ほどだから、個人でもまったく問題ないだろう。注目したいのはステンレスエキパイの太さ。シリンダー出口でΦ25.4mmという太さがサイレンサー直前ではΦ50mmというテーパー形状を採用。この設計よりトルクとパワーを稼ぎつつも、エンジン下部をすっきりとさせることに成功している。ノーマルの大きなキャタライザーから比べると圧倒的な軽快さだ。
セルを回せば低くくて太い排気音で、ブリッピングするとパンチのあるスポーティなサウンドに変わる。試乗するとたしかに低速から中速域のレスポンスが鋭くなり、ヘルメット越しに伝わる音も心地いい。高速域よりも多用する低中速域のほうが気持ちいいサウンドなのが実用性の高さを実感した。フルエキのチタンマフラーでありながら、テストした4本の中でもっともリーズナブルな5万8000円という価格も見逃せないポイントだ。
直線でアクセルを開けると、歯切れのいいサウンドと共にグロムが加速していく。音質は高回転側より低中速回転域のほうが良質に感じた。
低中速域が盛り上がるのでコーナーリングも軽快そのもの。125ccながら、町中では充分に車の流れをリードできるだろう。
ブルーのチタンフィニッシュと迫力ある大きめのサイレンサーが、一際マフラーの存在感をアピールする。これこそがマフラー交換の醍醐味だ。
今回テストしたのは、焼き色の付いたオーバルタイプサイレンサーだが、ほかにも、チタンのショートサイレンサー装着のチタンショートオーバル(4万5000円)、焼き色チタンショートオーバル(4万8000円)、そして今回テストしたサイレンサーと同形状のソリッドタイプとなるチタンオーバル/フルエキゾースト(5万5000円)の計4タイプがラインナップされている。
エンジンの付け根(編集部注・エキパイのこと)からサイレンサーまで、だんだん太くなっていく形状でマフラー全体の存在感がすごいマフラーです。音もカッコイイ!
●リーズナブルなフルエキが欲しい
●パンチのあるサウンドにしたい
●低中速のピックアップを上げたい
戦闘的なデザイン、ブルーフィッシュの美しさ、乾いた重厚なサウンドなど全体的にハイスペックで、バランスのとれた1本。