誰もが知っている世界一有名なミニバイク
スーパーカブシリーズが、今年発売50周年を迎えました。1958年8月に発売されたスーパーカブは、低燃費ながらパワフルなエンジンとコンパクトな車体、バイクでもモペッドでもない斬新なスタイルで、瞬く間に人気バイクになりました。それから50年が過ぎた今も、進化を重ねながらシリーズが継続しています。また、海外でも高品質な日本車の代名詞として認識されており、今や総生産台数は6000万台を超える大ベストセラーバイクです。この特集では、50周年記念として発売されたアニバーサリーモデルを中心に、スーパーカブシリーズの実力と魅力に迫ります。

小さなボディの本格バイク
乗って楽しいリトル・スポーツ
スーパーカブの前後ホイールを14インチ化し、車体をコンパクトに仕上げたのが「リトルカブ」。女性でも簡単に取り回しができる車体サイズとスーパーカブ同様の低燃費、高い耐久性を兼ね備えています。シート高自体は一般的なスクーター並みですが、スリムな車体のおかげで足つき性は抜群です。注目したいのは小径ホイールを採用したことによるスポーティな走り。17インチホイールのスーパーカブ50に比べるとクイックで、街中の小さなコーナーが思わず楽しくなってしまうほどです。ボディカラーは限定のスペシャルカラーとなっていますが、ベースモデルの方も明るい色使いとなっており、お洒落な雰囲気があります。実用性はスーパーカブ50に譲りますが、乗る楽しさではリトルカブが一歩リード。思わず小さなスポーツモデルと呼びたくなるほどです。
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楽しさと扱いやすさの14インチ シート高低減にも貢献 前後に14インチホイールを採用することで、スーパーカブ50と比較して約3cmシート高が低くなっています。また、この小径ホイールがリトルカブならではのクイックな走りに貢献しています。 | ボディ同色の 小ぶりなリアキャリア 標準装備のリアキャリアは、ボディ同色に塗装された小ぶりなもの。ボディラインにあわせたデザインになっているため、実用車的な雰囲気ではなくお洒落な仕上がりになっているのが特徴です。 | アニバーサリーだけの 特別色シート スーパーカブシリーズの初代モデル「スーパーカブC100」を連想させる鮮やかなレッドのシート。ボディ色とあわせ、このシートは50thアニバーサリースペシャルだけの特別なカラーとなります。 | 半世紀の歴史がこもった 記念エンブレム サイドカバーには50周年を記念したエンブレムが装着されています。白いベース部分に、きらびやかなゴールドが引き立ちます。このエンブレムは、リトルカブとスーパーカブで共通の特別装備です。 |

今も受け継がれるスーパーカブの伝統
熟成されたスタンダード・モデル
50年前に生産された「スーパーカブC100」の直系となるのが、「スーパーカブ50」。2007年のモデルチェンジで燃料供給がキャブからインジェクションへと変更され、基本スタイルは今も変わらぬまま受け継いでいます。リトルカブに比べるとシート高が高く、車体も大きめになっていて、その分直進安定性が高く、荷物を多く積載していても安心して走行できるようになっています。ハンドリングも安定志向となっており、リトルカブと比べてのんびりとした特性になっています。キャリアも大型サイズのものが採用されているので、大量の荷物を積載できるようになっているのも大きな違いでしょう。また、レッグシールドのサイズも大振りなものとなっており、実用性に重点をおいた作りになっているのが特徴。毎日のビジネスや通勤・通学でハードに使うなら、心強い味方となってくれます。
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メッキ仕様の大型リアキャリア 大きな荷物でも安心 スーパーカブ50のリアキャリアは、メッキ仕様の大型タイプ。大量の荷物を積載しても大丈夫なように、頑丈なつくりとなっています。荷掛けフックも標準装備で、使いやすさも良好です。 | 圧倒的低燃費のOHCエンジン 扱いやすさも抜群 2007年よりキャブレターからEFIへと変更されたOHCエンジン。変更後も燃費は相変わらず良好です。また、小排気量ながらトルクがしっかりとあるため、登坂能力もすぐれています。 | オールインワンで 視認性のよいメーター スピードメーターだけなく、オドメーターや各種インジケーターがオールインワンとなった視認性のよいメーターユニット。文字盤には50th ANNIVERSRYの表示がある特別仕様になっています。 | ゴールドのエンブレムは アニバーサリー仕様だけ ヘッドライト下部のフロントトップカバーのオーナメントも、アニバーサリースペシャルはゴールド仕様。ボディカラーも漆黒のグラファイトブラックとなり、高級感を演出しています。 |
長い歴史を誇るカブには、こんなバリエーションの仲間も存在します!
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ヘビーデューティ仕様の輸出モデル オーストラリアやニュージーランドなど、牧草地帯での使用に耐えるように作られた、ヘビーデューティ仕様の農業向けバイク。大型キャリアに明るいヘッドライド、アンダーガードなどを装備しているほか、カブ90をベースにした力強い105cc空冷OHCエンジンを搭載しており、国内でも1981年より販売されていました。ツーリングに最適な装備と、二種原付という使いやすい排気量、そしてどのカブとも似ていない個性的なスタイリングによって、国内販売が終了した現在でも根強いファンが多いバイクです。 |
発売時価格 \159,000 中古平均価格\217,378 |
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ジョルノ+カブ=ジョルカブ 人気のスクータージョルノのボディに、スーパーカブのエンジンを組み合わせた変り種モデル。スクーターボディなので、シート下にはハーフヘルメットが入るメットインを備えています。エンジンはカブの4速式のロータリーミッション仕様を搭載しており、チェーンにて駆動。リアサスはユニットスイング式ではなく、スイングアーム+ツインショックになっているのも特徴です。そのため、ベースとなったジョルノとは全く違う乗り味になっているほか、燃費もリッター100kmというスーパーカブ燃費に変身。可愛いだけでない実力派スクーター(?)です。 |
発売時価格 \189,000 中古平均価格\109,905 |
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新聞配達御用達バイク 日本全国の家庭に新聞を届ける、新聞配達仕様のスーパーカブ。大量の新聞を積み込めるように、フロントに大型バスケット、リアに大型キャリアを装着。また、新聞の積み込みでヘッドライトが隠れてしまわないように、バスケット側にライトを装着しているのも特徴です。冬場の配達に対応するため、グリップヒーターを装着したデラックスモデルも用意。同じような目的別モデルとしては郵政カブもありますが、こちらは一般には販売されていません。 |
発売時価格 \204,750 中古平均価格\100,983 |
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多くのモデルが生まれては消えていくバイクの歴史の中で、50年間販売され続けているというのは驚くべきことです。そして、スーパーカブシリーズはそれにふさわしい実力を持っています。バイクは趣味性が高いだけに、どうしてもスペックや排気量に目が行ってしまいますが、スーパーカブを甘く見てはいけません。低燃費、高耐久、そして「誰にでも乗れる」というイージーさを持ちながら、バイクとしての走りも忘れない。スーパーカブこそ、本当の実力派バイクと呼べる存在なのかもしれません。日本を代表する世界の名車「スーパーカブ」を、あなたも1度体験してみませんか?