『 BP Yamato 』は株式会社大和工業が展開するバイク用カスタムパーツのブランド名だ。大和工業は1972年の設立以来、自動車や工作機械の部品を中心に、金属や樹脂の切削加工を行ってきた。その優れた技術を活かし、約20年前からはバイク用のカスタムパーツも数多く製造。株式会社デイトナのパーツをOEM生産するほか、時には共同開発にも携わるなど、パーツづくりのプロフェッショナルとして、カスタムバイクシーンを縁の下から支えてきた実績ある企業なのだ。
そんな大和工業が2008年に満を持して自社ブランドのカスタムパーツの販売を開始。それが『BP Yamato』だ。自らもハーレーダビッドソンのソフテイルを駆る社長の河内宏悦さんが「安全で安心できる高品質なパーツを、製造元が直売することで手ごろな価格で提供したい」という思いからスタート。「材料から加工まですべてがメイドインジャパン」というポリシーで、外国製にはマネのできない高精度の製品づくりを実現している。永年にわたって培ったノウハウと匠の技により生み出されるハイクオリティなパーツは、絶版車やミニバイクに手厚いラインナップもあって、多くのカスタム&レストアファンの熱烈な支持と信頼を得ている。
なかでもBP Yamatoのモノづくり哲学をそのまま体現した代表的な商品といえるのが、モンキー&ダックス用のヘッドパイプノブだ。フロントフォークごと分離できる分割ハンドル用のパーツで、どちらも初期型の純正部品の形状を忠実に復刻したもの。もちろん、可到式の折りたたみレバーの動きと形を完全に再現。商品化にあたっては何度も試作を繰り返して最適の素材を追求し、本体をアルミダイカスト、ボルト部分をスチールとした。さすがは金属の特性や加工を熟知しているメーカーだけあって、その結果、硬度や耐久性は純正部品をも超えるほどの高い品質を実現しているという。
また、実際に分割ハンドルを装着するまではいかないが、その雰囲気は出したい、という人には、折りたたみハンドル用のレトロトップナットがおすすめだ。トップブリッジのボルトに装着するだけで、その名の通りレトロな外観を演出してくれる。仕上げの美しさはもちろん、レバーの位置を調整できる機構もついているという、こだわりの仕様となっている。
純正パーツを超える性能といえば、忘れてはならないのがBP YamatoのダンパーインナーフォークKITだ。これはデイトナとの共同開発で商品化したもので、外見は純正と同じノーマルのスプリング式フォークなのに、装着するだけでダンパー式になるというスグレモノ。見た目はあくまでさりげなく、それでいてブレーキングやコーナー進入時の安定性は格段に良くなるという、羊の皮をかぶった狼的な商品なのである。
「カスタムパーツはただ美しい飾りというだけでなく、機能性も兼ね備えるのが本来の姿です」と、開発を担当した統括部長の安松克能さん。自らもダックスをはじめ多数の4ミニカスタムを楽しんでいるという安松さんの言葉には、BP Yamato製品に対する自信と誇りが感じられた。
機能と見た目の美しさを両方兼ね備えたBP Yamatoのパーツのなかでも、ひときわ目をひく存在が、ビレットオイルクーラーだ。ALLアルミ削り出しのボディは、フィンの1枚1枚までが光り輝き、まるで工芸品のような美しさ。一目見れば、その加工精度の高さに息をのむほどだ。マシンに装着すると、華やかさを演出しながらも決して下品にならない、まるで脇役ながらも名演技を見せる女優のような独特の存在感をかもし出す。もちろんオイルクーラーとしての機能も抜群で、たとえば4コアなら他社製品の7コア相当ほどの放熱効果を誇るという。なんとも所有欲をくすぐる製品といえる。
大和工業は、絶版車のケーブル類をワンオフで製作してくれることでも有名なほか、実はラジコンのカスタムパーツブランド「利右衛門」も手がけている。実車よりもさらに精密な加工技術が要求されるラジコンの世界で、全日本選手権レベルの選手に愛用されるほど、高い精度と品質を誇ることで知れ渡っているのだという。
バイク好きの社長を筆頭に、趣味の世界で「真剣に遊ぶ」ことの楽しさを十分にわかっている人たちが生み出すブランド、BP Yamato。バイクメーカーが製造を中止してしまった古い小さなパーツも、ユーザーの要望があればコツコツと造り続けてくれる……確かな金属加工技術と熱い情熱を併せ持つこんな会社があるからこそ、僕らは愛車をベストコンディションに保つことができるのだ。これからもカスタム&旧車ファンの気持ちにきっと応えてくれるに違いないBP Yamato。次はいったいどんなパーツを生み出してくれるのか、今後も目が離せない。
ホンダ モンキー&
ダックス分割式ハンドル用
ヘッドパイプノブ
ダックス用
モンキー用
レトロトップナット
ダンパーインナーフォークKIT
ホンダ ダックス用のほか、4Lモンキー、シャリィ(初期型Kシリーズ用)もあります。
(株)デイトナ共同開発・特許出願中
ビレットオイルクーラー 4コア
代表取締役社長の河内宏悦氏が1972年に設立。当初はキャブレターパーツなど自動車部品の製作を手がけることからスタート。金属と硬質樹脂の精密加工、チタンなど難削材の加工を得意とするほか、プレス、曲げ、溶接、研磨、熱処理、表面処理なども高い技術力を誇る。高精度品を加工から仕上げまで一貫して製造しているのが特徴で、現在はバイクパーツ、ラジコンパーツ、工作機械部品を中心に、単純パーツからアッシー品、試作品にいたるまで、多種多様な製品群を世に送り出している。
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