BP Yamato 高精度で高品質なパーツがカスタム・シーンに旋風を巻き起こす!
    取材協力/BP Yamato  取材・撮影・文/野岸 泰之 構成/原付RIDE編集部
    掲載日:2011年8月31日

金属加工のプロが生むカスタムパーツ

『 BP Yamato 』は株式会社大和工業が展開するバイク用カスタムパーツのブランド名だ。大和工業は1972年の設立以来、自動車や工作機械の部品を中心に、金属や樹脂の切削加工を行ってきた。その優れた技術を活かし、約20年前からはバイク用のカスタムパーツも数多く製造。株式会社デイトナのパーツをOEM生産するほか、時には共同開発にも携わるなど、パーツづくりのプロフェッショナルとして、カスタムバイクシーンを縁の下から支えてきた実績ある企業なのだ。

 

そんな大和工業が2008年に満を持して自社ブランドのカスタムパーツの販売を開始。それが『BP Yamato』だ。自らもハーレーダビッドソンのソフテイルを駆る社長の河内宏悦さんが「安全で安心できる高品質なパーツを、製造元が直売することで手ごろな価格で提供したい」という思いからスタート。「材料から加工まですべてがメイドインジャパン」というポリシーで、外国製にはマネのできない高精度の製品づくりを実現している。永年にわたって培ったノウハウと匠の技により生み出されるハイクオリティなパーツは、絶版車やミニバイクに手厚いラインナップもあって、多くのカスタム&レストアファンの熱烈な支持と信頼を得ている。

大和工業は、決して大きな会社ではない。しかし、そこから生み出される『BP Yamato』というブランド名を冠せられた商品には、金属を知りつくした熟練職人の技と誇りが詰まっている。

大和工業は、決して大きな会社ではない。しかし、そこから生み出される『BP Yamato』というブランド名を冠せられた商品には、金属を知りつくした熟練職人の技と誇りが詰まっている。

社長の河内宏悦さん(中央)と統括部長の安松克能さん(右)は、大のバイク好き。総務係長の河内俊樹さん(左)は自転車派とか。職人魂と遊び心を併せ持ったスタッフが、実用性とファッション性を兼ね備えたパーツを生み出している。

社長の河内宏悦さん(中央)と統括部長の安松克能さん(右)は、大のバイク好き。総務係長の河内俊樹さん(左)は自転車派とか。職人魂と遊び心を併せ持ったスタッフが、実用性とファッション性を兼ね備えたパーツを生み出している。

純正部品を超える品質

なかでもBP Yamatoのモノづくり哲学をそのまま体現した代表的な商品といえるのが、モンキー&ダックス用のヘッドパイプノブだ。フロントフォークごと分離できる分割ハンドル用のパーツで、どちらも初期型の純正部品の形状を忠実に復刻したもの。もちろん、可到式の折りたたみレバーの動きと形を完全に再現。商品化にあたっては何度も試作を繰り返して最適の素材を追求し、本体をアルミダイカスト、ボルト部分をスチールとした。さすがは金属の特性や加工を熟知しているメーカーだけあって、その結果、硬度や耐久性は純正部品をも超えるほどの高い品質を実現しているという。

 

また、実際に分割ハンドルを装着するまではいかないが、その雰囲気は出したい、という人には、折りたたみハンドル用のレトロトップナットがおすすめだ。トップブリッジのボルトに装着するだけで、その名の通りレトロな外観を演出してくれる。仕上げの美しさはもちろん、レバーの位置を調整できる機構もついているという、こだわりの仕様となっている。

モンキー&ダックス用 ヘッドパイプノブ

モンキー&ダックス用 ヘッドパイプノブ

A型モンキーおよびダックス用をラインナップする、分割式ハンドル用のヘッドパイプノブ。完全な復刻品ながら、純正パーツを超える高品質を実現。BP Yamatoのモノづくり魂が凝縮された逸品だ。

折りたたみハンドルのモンキーやダックスでも、初期のフォーク分割式ハンドルの雰囲気を楽しめるのが、レトロトップナット。通常のトップナットと同じ要領で簡単に装着できる。

折りたたみハンドルのモンキーやダックスでも、初期のフォーク分割式ハンドルの雰囲気を楽しめるのが、レトロトップナット。通常のトップナットと同じ要領で簡単に装着できる。

レトロトップナットは、実物同様にレバーが可動するしくみ。レバーの位置も調整できるという、ワザあり仕様だ。こういうギミックの再現にも手を抜かない点が、マニア心をつかんで離さない。

レトロトップナットは、実物同様にレバーが可動するしくみ。レバーの位置も調整できるという、ワザあり仕様だ。こういうギミックの再現にも手を抜かない点が、マニア心をつかんで離さない。

美しさと機能の両立

純正パーツを超える性能といえば、忘れてはならないのがBP YamatoのダンパーインナーフォークKITだ。これはデイトナとの共同開発で商品化したもので、外見は純正と同じノーマルのスプリング式フォークなのに、装着するだけでダンパー式になるというスグレモノ。見た目はあくまでさりげなく、それでいてブレーキングやコーナー進入時の安定性は格段に良くなるという、羊の皮をかぶった狼的な商品なのである。

 

「カスタムパーツはただ美しい飾りというだけでなく、機能性も兼ね備えるのが本来の姿です」と、開発を担当した統括部長の安松克能さん。自らもダックスをはじめ多数の4ミニカスタムを楽しんでいるという安松さんの言葉には、BP Yamato製品に対する自信と誇りが感じられた。

ダンパーインナーフォークKIT

ダンパーインナーフォークKIT

純正のフロントフォークと差し替えるだけで、簡単に油圧ダンパーの効いた乗り味に変身できるという、夢のようなキット。剛性アップはもちろん、耐久性にも優れているのだ。

「製品の信頼性と性能には絶対の自信を持っています」と社長の河内さん。ぜひ愛車に組み込んで、走りの違いを実感してください、と熱く語ってくれた。

「製品の信頼性と性能には絶対の自信を持っています」と社長の河内さん。ぜひ愛車に組み込んで、走りの違いを実感してください、と熱く語ってくれた。

ダンパー機構をインナーフォーク内に納めることで、純正と変わらないスッキリしたシルエットを実現。ちなみにグレーのケーブル類やアクスルシャフト、ナットなどもBP Yamatoのオリジナルだ。

ダンパー機構をインナーフォーク内に納めることで、純正と変わらないスッキリしたシルエットを実現。ちなみにグレーのケーブル類やアクスルシャフト、ナットなどもBP Yamatoのオリジナルだ。

高い技術と情熱のハーモニー

機能と見た目の美しさを両方兼ね備えたBP Yamatoのパーツのなかでも、ひときわ目をひく存在が、ビレットオイルクーラーだ。ALLアルミ削り出しのボディは、フィンの1枚1枚までが光り輝き、まるで工芸品のような美しさ。一目見れば、その加工精度の高さに息をのむほどだ。マシンに装着すると、華やかさを演出しながらも決して下品にならない、まるで脇役ながらも名演技を見せる女優のような独特の存在感をかもし出す。もちろんオイルクーラーとしての機能も抜群で、たとえば4コアなら他社製品の7コア相当ほどの放熱効果を誇るという。なんとも所有欲をくすぐる製品といえる。

 

大和工業は、絶版車のケーブル類をワンオフで製作してくれることでも有名なほか、実はラジコンのカスタムパーツブランド「利右衛門」も手がけている。実車よりもさらに精密な加工技術が要求されるラジコンの世界で、全日本選手権レベルの選手に愛用されるほど、高い精度と品質を誇ることで知れ渡っているのだという。

 

バイク好きの社長を筆頭に、趣味の世界で「真剣に遊ぶ」ことの楽しさを十分にわかっている人たちが生み出すブランド、BP Yamato。バイクメーカーが製造を中止してしまった古い小さなパーツも、ユーザーの要望があればコツコツと造り続けてくれる……確かな金属加工技術と熱い情熱を併せ持つこんな会社があるからこそ、僕らは愛車をベストコンディションに保つことができるのだ。これからもカスタム&旧車ファンの気持ちにきっと応えてくれるに違いないBP Yamato。次はいったいどんなパーツを生み出してくれるのか、今後も目が離せない。

ビレットオイルクーラー

ビレットオイルクーラー

眺めているだけでうっとりしてしまう輝きを放つ、ALLアルミ削り出しのビレットオイルクーラー。マシンに装着するのがもったいない!?

実際に装着すると、やはり絵になる!! 加工精度の高いパーツだけが持つ独特の機能美は、抜群の存在感を示してくれる。

機械化、オートメーション化が進む生産現場でも、やはり仕上げに欠かせないのが熟練の職人による「匠の技」だ。寸分の狂いもなく、淡々とパーツに命を吹き込んでいく。

機械化、オートメーション化が進む生産現場でも、やはり仕上げに欠かせないのが熟練の職人による「匠の技」だ。寸分の狂いもなく、淡々とパーツに命を吹き込んでいく。

大和工業には最新鋭の工作機械も数多く導入されている。ハイテクと職人技のコラボレーションにより、高品質な製品が次々と生み出されている。

大和工業には最新鋭の工作機械も数多く導入されている。ハイテクと職人技のコラボレーションにより、高品質な製品が次々と生み出されている。

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