掲載日:2012年06月11日 電動バイク生活
Text & Photo / GooBike
電動バイクに本当に必要な要素とはなにか。走行性能なのか、使い勝手なのか、デザインなのか?どんなに優れたスペックであっても、乗り手が満足できないこともあるでしょう。そう、乗り物に求められる要素は、決してひとつではありません。今回はそんなことを深く考えさせられた、とあるモデルを紹介しましょう。
電動バイク界を駆け巡る技術革新の嵐は、とどまるところを知りません。日々、飛躍的に向上するスペックもそのひとつでしょう。しかし、その一方で数値だけでは語れない進化があるから面白い、とも言えます。
プロッツァのミレットは発売以来、驚異的なセールスを記録しているペダル付き電動スクーター。まず目を引くのは、明らかな個性を感じるスタイリッシュなデザインで、基礎となる車体構成にも独自の思想を垣間見ることができます。今回試乗するのは、モーターとバッテリーを一新した新型モデルです。車体は軽量化にこだわりながら、走破性を考慮して大径ホイールを採用、とてもスリムな車体構成です。 走らせるとその印象は、より確かなものとなります。取り回しもハンドリングもとにかく軽やかで、車体の軽さがあらゆる運動性に寄与していることが良く分かります。
実のところ、試乗前には従来のモペッドに対する先入観が残っていて、足周りに関しては『自転車プラスα程度』の期待しかありませんでした。しかし、試乗してみると前後サスのクッション性は思っていた以上のレベルで、原付の速度なら問題ないし、ブレーキも十分な利きを確保しています。 また、モーターについても従来モデルより力強くなっています。従来のミレットでは、発進時にペダルでモーターをアシストすると、効果的な加速を得ることができました。ところが、新型モデルは、その必要がないほど楽チン! 車体の基本構成こそ同じですが、そもそもの設計が軽快な走りを実現していたからこそ、今回のブラッシュアップで走りが激変したのでしょう。正直なところ、ミレットのカタログスペックには際立った数値はありません。ところが実際に乗ってみると、数値的に云々ということよりも、操る楽しさや気軽さが目立つという不思議な性格を持っています。
電動バイクは進化の真っ最中ですから、誰もがスペックを気にするものです。しかし、本当にその性能が必要なのか、使い方にあった車両なのか、その見極めこそが車両選びで本当に重要なことなのです。 突出したカタログスペックを持たないミレットが、なぜ初代モデルからバカ売れしているのか? そのヒミツは、斬新なデザインと使いやすさを両立させた製品コンセプトと、基本設計の確かさに隠されていると言えるでしょう。やはり、どんな乗り物も実際に乗らなければその本質はわからない。今回の試乗を通じて、改めてそのことを実感したのでした。 |
| 数ある電動バイクの中でも、デザイン的なチャレンジをしている車両はまだ極少数。そのうちのひとつがミレットです。外装は、樹脂パーツを多用してボディ色の占める割合が多く、そうした工夫も見た目の軽快さにもつながっていると言えます。ミレットのデザインは、ユーザーの所有欲をくすぐるような魅力がありますね
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SPECIFICATION - Prozza Miletto Li500 ■全長×全幅×全高 = 1,690×690×1,040mm |
■充電器 = 2万1,000円(車両と別売)
■取り扱い = 株式会社プロスタッフ |
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