掲載日:2012年05月21日 電動バイク生活
Text & Photo / GooBike
人々の電力に対する関心が高まる昨今、電動バイクに新たな価値を見出す動きが出てきました。それが電動バイクのバッテリーを非常用電源に使うという発想です。今回紹介するスカルピーナはまさにそうした機能を持つ電動バイクであります。
電動バイクを語る上で欠かせない存在となるモーターとバッテリー。なかでもバッテリーは、航続距離に代表される電動バイクの性能の大きな鍵を握っています。しかし、いま一部で電動バイクのバッテリーにさらなる付加価値を求める動きが出てきています。それがバッテリーを家庭用非常電源として使用するというもので、現在四輪では開発が行われていますが、実は二輪には既に実車が存在します。それがレスク社のスカルピーナです。
一度見ると忘れられないほど個性溢れるスタイルを持つスカルピーナ。搭載されている取り外し可能なリチウムイオンバッテリーは、別売りの専用インバーターを使うことで家庭用ポータブル電源としても利用できるのです。震災以降、非常事態に備えて家庭用蓄電池の需要が高まっています。備えあれば憂いなし、とは言ってみたものの、高額な蓄電池を出番の来るその日まで遊ばせるのは、エコの観点からしても微妙なハナシ。
だったら、普段は電動バイクのバッテリーとして使用すれば良い、これがスカルピーナの設計思想なのです。レスク社によると、フル充電の状態であれば、消費電力120Wの40型液晶TVで8時間、同30Wの電気スタンドでは33時間利用できるそうですから、有事の際にはとても頼もしい電源です。
そんなユニークな発想で生まれた車両だけに、スタイリングも非常に個性的。とはいえ、車体はキッチリしています。跨ると、少しシートが硬いかなという印象はありますが、ポジションはいたって自然。いざ走らせると、出だしこそインホイールモーター特有のゴリゴリとした感触があるものの、速度が乗ると滑るように進みます。最高速は50km/hソコソコですが、ブーストボタン併用でスタートを決めれば車の流れをリードすること可能です。車体の方もバッテリーがフロア下にあるため、見た目以上に重心が低く走行中の安定感もありますし、特に前後のブレーキタッチが良好なので、安心して街中を走ることができますね。
さて、スカルピーナの車体価格は39万9,000円。蓄電池として使用するためのインバーターは別売りで10万円。合わせると50万円と、正直言って高額な原付です。しかし、電動バイクとしてだけでなく、非常用電源として使用できる点にも価値を見出せる人ならば、納得できる価格帯だと言えるでしょう。
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| とても個性的なスタイルですが、どの角度から見てもデザインに破綻がありません。フルフェイスヘルメットが収納できるほど大容量トップケースに、後付け感がないのもデザインの巧みさと言えます。これまで見た電動バイクの中でもデザイナーのスキルはトップクラスです。街中での注目度はバツグンですから、デザインに拘る方にはピッタリの一台かもしれません。
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SPECIFICATION - RESC SCARPINA ■全長×全幅×全高 = 1,700×670×970mm |
■タイヤサイズ = 前後共に3.00-10
■取り扱い = 株式会社レスク |
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