バイクライフを上手に楽しむための、一歩進んだバイク保険選びのススメ
    取材協力/WORLD WALK 取材・文・写真/野岸“ねぎ”泰之 構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
    掲載日:2012年4月25日

高性能かつコストパフォーマンスに優れたワイヤレスインカムの魅力と実力

ライダーとパッセンジャー、あるいは共に走るライダー同士のコミュニケーションツールとして、以前から重宝されてきたのが、バイク用のインカムだ。古くはアマチュア無線が主流の時代もあったが、最近ではBluetoothの登場により、ワイヤレス化と多機能化が一気に進んだ感がある。従来のBluetoothインカムは価格が高いイメージがあったが、ここへきて高性能ながら手ごろな価格で、インカム界に新風を巻き起こすであろう製品が登場した。それが、HOLA-F10だ。購入してすぐに使える2台セットで、キャンペーン特別値引き価格として39,800円という驚きのプライスを実現したHOLA-F10を、今回は実際にヘルメットに装着し、操作性などの使用感を徹底的にチェック。その実力に迫ってみた。

WORLD WALK

各種バイクパーツの輸入を手がけるほか、オリジナルパーツの開発・販売も行っている。取り扱うパーツはビッグバイクやハーレー用をはじめ、スクーターやモンキー系まで幅広い。2009年の設立以来、自由な発想とフットワークの軽さで、常にユーザーに新しい提案を投げかけている意欲的な会社だ。

住所/東京都江戸川区南葛西2-17-2
電話/03-5878-1918
営業時間/10:00~19:00
定休日/日曜日

2個ワンセットだから、セッティング後はすぐに使用可能。 タンデムライドやランデブー走行はもちろん、ソロライドでも活躍する
2個ワンセットだから、セッティング後はすぐに使用可能。タンデムライドやランデブー走行はもちろん、ソロライドでも活躍する
プレート状のブラケットをヘルメットに取り付ければ、本体は着脱自在だ。固定は強力な両面テープかクリップを選べるプレート状のブラケットをヘルメットに取り付ければ、本体は着脱自在だ。固定は強力な両面テープかクリップを選べる

マイクはフルフェイス用とジェット用が両方付属。どちらもノイズフィルター機能を持ち、風切り音などを軽減する仕様マイクはフルフェイス用とジェット用が両方付属。どちらもノイズフィルター機能を持ち、風切り音などを軽減する仕様

付属のスピーカーは大口径で、驚きの高音質と走行音に負けない大音量を実現している。500円玉と比べるとその大きさがわかるはず付属のスピーカーは大口径で、驚きの高音質と走行音に負けない大音量を実現している。500円玉と比べるとその大きさがわかるはず

インカムの常識を覆す超高音質という贅沢

HOLAのインカムは、世界的なバイクパーツのレビューサイト『web Bike World.com』において、2009年度プロダクトオブザイヤーの大賞を受賞した実力派。F10はその進化版であり、日本の仕様にあわせた商品である。それだけでも、性能と使い勝手の良さを予感させてくれる。

 

箱を開けると、本体が2セット現れる。それぞれの個体にオレンジとグリーンのマークが付いており、2人で使用する際に色を決めておけば、間違うことがない。こういう、ちょっとした配慮はうれしいもの。取り付けはプレート状のブラケットを両面テープかクリップでヘルメットに固定し、ここにカチリと本体をセットするだけと簡単だ。ステレオスピーカーとマイクもコネクターでつないで、両面テープやベルクロで固定するだけなので、戸惑うことはないだろう。ちなみにマイクはフルフェイス用とジェット用の2パターンが付属している親切な仕様だ。

 

装着と設定を終え、Bluetooth対応のスマートフォンとペアリングして、一般道を走ってみることにした。試しにミュージックプレイヤーを起動して音楽を聴いてみると、予想外の高音質に驚かされた。おそらくはこの手のワイヤレスインカムにしてはオーバースペックとも思える、大口径のスピーカーによるのだろう。低音から高音までよく音を再現していて、かなりボリュームを上げても音が割れることがない。これなら、一般道はもちろんのこと、高速道路においても十分な音量と音質を確保できるはずだ。輸入総代理店のワールドウォークによれば「日本仕様を決めるにあたって、とにかく音質にこだわり、何種類ものスピーカーをテストしました」とのこと。インカムといっても常に誰かとペアで使うわけではなく、むしろソロで走っている時に音楽を聴いたりすることが多いわけで、音の良さは大きなアドバンテージといえる。携帯電話での通話と、HOLA-F10同士での通話も試してみたが、人の声もこもることなく、明瞭な会話が可能だった。ちなみに、Bluetooth対応のカーナビとペアリングすれば、音声指示も聞くことができるから、活用範囲はさらに広がるだろう。

音声制御や高い防水性で街乗りからツーリングまでユースフル!

  • 本体には中央のメインファンクションボタンと音量の+-ボタンがあるのみ、というシンプルさ。これですべての操作や設定が可能で、日本語の音声ガイドもあるため簡単だ本体には中央のメインファンクションボタンと音量の+-ボタンがあるのみ、というシンプルさ。これですべての操作や設定が可能で、日本語の音声ガイドもあるため簡単だ
  • ジェット用にはフレキシブルアームのついたマイク、フルフェイス用はチンガード内側に貼り付けるタイプのマイクを使用。どちらも便利なVOX機能に対応しているジェット用にはフレキシブルアームのついたマイク、フルフェイス用はチンガード内側に貼り付けるタイプのマイクを使用。どちらも便利なVOX機能に対応している

HOLA-F10が同時に通話できるのは2台だが、ペアリングは最大3台まで可能なため、ライダーとパッセンジャー、あるいはバイク2台で走る際などに重宝する。その通話距離は高速道路など、障害物のない直線なら約900mにもなるという。もっとも、実際は間にクルマが入ったりすることも多いため、都市部の一般道での実用通話距離は300m前後といったところだ。これは感覚的にはかなり遠くても通話ができる印象で、十分な到達距離だといえる。

 

実際に使ってみて、通話距離よりもむしろ便利さを感じたのが、VOX機能だ。これは、音声感知による通話スイッチのこと。たとえば電話がかかってきた際、本体にあるボタンを押しても電話を取れるが、HOLA-F10はあらかじめ設定をしておけばマイクに向かって「もしもし」と呼びかけるだけで、電話を受けることができるのだ。同様に、インカム2台で通話している際も、一定時間通話がないとペアリングが切れてしまう機種が多いのに対し、HOLA-F10は話しかけると直前までつながっていた機器に自動的に再接続する機能があるため、不便さを感じることが一切ない。VOXが動作する感度も4段階に調節することができるので、ヘルメットやマイクの状態に応じて、あるいは走行状況によって、きめ細かい制御が可能となっている。バイクで走行している最中にボタンを押して本体を操作するのは、危険を伴うしあまり現実的とはいえない。その意味で、声で操作ができるHOLA-F10は、安全面でも実用性でも高評価といえるだろう。

 

さらにもうひとつ特徴的なのが、高い防水性を確保していること。保護等級はJIS IPX6で、「あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響がなく、水深15cmに20分間沈めても有害な影響を生じる量の水の浸入がない」という耐水形試験に合格している。これはバイク用のインカムとしてはトップクラスの防水性能で、突然の雨でも、もちろん安心して使うことができるもの。2.5時間で満充電、最大約12時間を誇る長い使用時間とあわせて、ツーリングでもかなりの威力を発揮してくれそうだ。

 

数多く存在するバイク用Bluetoothインカムの中でも、多機能で高性能、そして抜群のコストパフォーマンスを誇るHOLA-F10は、バイク用インカムが『品質の時代へ』と深化することを予感させる、次世代機の代表格といえるだろう。

 

ソロライドでは走りのよき友として、タンデムやランデブー走行時は、便利なコミュニケーションツールとして役に立つソロライドでは走りのよき友として、タンデムやランデブー走行時は、便利なコミュニケーションツールとして役に立つ

JIS IPX6保護等級の試験に合格した本体は、高い防水性能を確保。ちょっとやそっとの雨では心配する必要はないJIS IPX6保護等級の試験に合格した本体は、高い防水性能を確保。ちょっとやそっとの雨では心配する必要はない

付属の充電器では、本体を1度に2つ充電することが可能。およそ2.5時間で満充電となり、約12時間も使用することができる付属の充電器では、本体を1度に2つ充電することが可能。およそ2.5時間で満充電となり、約12時間も使用することができる