取材協力/スネークモータース 文/佐賀山 敏行  写真/河合 宏介  構成/ストリートライド編集部

掲載日/2013年11月8日

雑誌の企画から生まれたモデルが実際に市販量産車となり、今やストリートの人気マシンとなっている。
SNAKE MOTORSがリリースするK-16……その全貌をここで追う。

INTERVIEW

本気で遊べるからこそ楽しい!
オモチャのようで高次元の“走り”を実現したバイク

遊びの情報発信基地“世田谷ベース”は、所ジョージ氏のガレージライフをはじめ、ゴルフやフィギュア、雑貨など、とにかく“所ジョージ流世の中の遊び方”に溢れた内容で高い人気を博している。そんな自由な雰囲気に包まれた世田谷ベースから生まれたモーターブランドが「SNAKE MOTORS」。会長を北野武(ビートたけし)氏、社長を所ジョージ氏が務める架空の会社で、まさに遊び心に満ちたブランドであり、実際の企画では北野会長のために1台のバイクを製作。そして、これがキッカケとなり後日、市販量産車までもリリースすることになったのである。それがここに紹介する「K-16」シリーズ。遊びのなかから生まれた本気のバイク……雑誌企画から飛び出した夢のような1台を貴方も所有し、乗ることができるのだ。

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SNAKE MOTORS・K-16は現在4車種がモデルラインナップされている。そのすべてに共通するのが、ハードテールを採用したオリジナルフレームと空冷単気筒横型エンジン。曲線を活かしたフレームはどことなくオールドH-Dを思わせるものの、低く構えたハンドルがレーシーな雰囲気をも醸し出し、なんとも不可思議な魅力を放っている。また、ハードテールと空冷単気筒125ccエンジンの組み合わせは、ダイレクトな乗り味をライダーに提供。他メーカーにはないフィーリングは、まさにK-16だけの特権だといえるだろう。50ccモデルもラインナップされているので、普通免許所持者が乗れるのも大きなポイントだ。デザインだけではなく型を作る所からこだわった部品を、一台一台丁寧に入念なチェックを行い最終仕上げをしている。また、1年間の保証も付き、日本に届いた後も入念なチェックを行い、最終組み立てをしているので、クオリティも納得のレベルとなっている。現在K-16を購入することができるのは、北海道から沖縄まで全国83ショップ。今後も増え続ける予定なので、アフターサービスやメンテナンスも心配ナシ。安心してK-16ライフを送ることができるだろう。

それでは現行4モデルを詳しく紹介していこう。まず、K-16の原点ともいえるのが「KITANO REPLICA」である。もともとはSNAKE MOTORSプロデュースの特別な1台として「KITANO SPECIAL」が作られたのだが、実車を見て気に入った北野武氏のひとこと「これ、量産化してもいいんじゃないか……」がキッカケとなり市販化プロジェクトがスタート。「KITANO REPLICA」はその名の通り、「KITANO SPECIAL」を忠実に再現したモデルで、原車のフォルムを崩さないように保安部品を装着し、美しいシルエットを形成している。また500台限定となっており、フレームネック部にはシリアルNo.プレートを装着。サイドゼッケンにもシリアルナンバーと同じ数字が書かれている。まさに自分だけの1台なのである。ラインナップは50ccのみで、乗り手を選ばないのも嬉しいポイントだ。そしてK-16のスタンダードエディションが「SPORTS」。K-16が持つ美しいシルエットはそのままに、ハンドル周りなどのカスタムが容易なパーツに汎用品を採用することで価格を抑えるとともに、普遍的なスタイリングを与えている。エンジンは50ccと125ccの2種類、カラーリングは3種類がラインナップされている。カスタムベースとしてはもちろんだが、このままでも十分楽しく、所有感を満足させる仕様となっている。

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半ツヤのブラックフレームとホワイト外装によってクラシカルな雰囲気を放つのが、所ジョージ氏プロデュースによる「TOKORO-VER」。その最大の特徴は手前に大きく引かれたハンドルで、スポーティなイメージの「KITANO REPLICA」や「SPORTS」とは全く異なり、ロングライディングも気軽にこなせるクルーザーモデルとなっている。また、フレームだけでなくホイールリムやスポーク、エンジンなどをすべてブラックアウト。落ち着きと高級感も併せ持たせている。そして最後が「Teke Teke」で、オールホワイトの爽やかな車体に、サイケデリックなタンクデカールが印象的なモデル。50ccのみクラッチ操作の必要がない、女性にオススメのイージーモデル。その為ハンドルにクラッチレバーはなく左右共にブレーキ仕様となる。「TOKORO-VER」と同じビーチクルーザーバーを採用し、リラックスしたライディングポジションが取れるのも高ポイントである。これら個性的な4モデルをさらに自分仕様に変えるため、SNAKE MOTORSではカスタムパーツも豊富にラインナップしている。シートや本革ツールバッグといったドレスアップアイテムからボアアップキットやクロスミッションなどのエンジンパーツまでリリースされているので、思い思いのスタイルや乗り味を実現可能。まさに“世田谷ベース”的バイクライフを送ることができるのだ。

PICKUP PRODUCTS

魅力溢れるK-16に、
オーナーやWGPライダーも絶賛!

去る10月14日、埼玉県桶川サーキットで行われた「SNAKE MOTORS ファン感謝デー」。K-16全モデルの体験試乗をはじめ、国際A級ライダーによるガチバトル、愛好者による耐久レースなどが行われた。当日は見事な秋晴れで、まさにバイク日和! 多くの参加者がサーキット走行を楽しんだ。また、ブース出展ではカスタム車両やパーツなどを見ることもでき、ケニー佐川氏のライディング講習会では皆さん真剣な眼差し。さらに水冷エンジンを積んだチューニングK-16のデモ走行や来春発売予定の250ccモデルのお披露目などもあって、ファンにとっては忘れられない1日となったようだ。ここでは、そんなイベントの様子とK-16、4モデルを改めて紹介していこう。

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1真っ赤なフレームと外装パーツが印象的な「KITANO REPLICA」。500台限定生産で、サイドゼッケンにはシリアルナンバーが入れられる。スタイリングはドロップハンドルが示す通り、クラシックレーサーを彷彿とさせるもの。車体の隅までコダワリ抜かれた、ファン垂涎の1台である。

2大きなアールを描きながら垂れ下がるハンドルによって、車体は独特なシルエットを描く。生ゴム風グリップも雰囲気を盛り上げている。ホイールリムはブラックとレッドのツートンを採用。このモデルだけの特別仕様だ。ダミーのセンタースタンドも遊び心満点! ネックにはシリアルNo.プレートを装備する。

3K-16のスタンダードモデル。グレー、ブラウン、ネイビーの3色をラインナップし、それぞれに美しい個性を発揮。ハンドル周りなどに汎用パーツを用いることで、価格を抑えるとともにカスタムベースとしての使いやすさも発揮。もちろん各部のクオリティは高く、純正でも十分に楽しめる。

4ドラッグバーを採用し、スポーティなライディングポジションとなっている。ハンドルスイッチは操作性を重視。前後ともにドラム式ブレーキを採用。オールド感の高いルックスと制動力を両立させている。空冷単気筒エンジンは125ccと50ccの2種類をラインナップ。テールランプなど、細部もじつに美しい。

5所ジョージ氏プロデュースの「TOKORO-VER」がビーチクルーザーバーを採用したロングランが楽しげな1台。リラックスしたライディングポジションに加え、ブラックフレームとオフホワイトの外装がアダルティな雰囲気を作り出している。

6手前に大きく引いたハンドルによって、ツーリングもラクにこなすことができる。半ツヤのブラックフレームとオフホワイトの外装がクラシカルかつ高級感を演出する。ホイールリムやスポークなどもブラックアウト。精悍なイメージだ。本革シートはオプションパーツ。ルックスを大きく変えることができる。

7ホワイト外装とフレーム、そしてタンクサイドのサイケレトロデカール、さらにビーチクルーザーバーによって、なんとも緩い雰囲気に仕上げられたのが「Teke Teke」。リラックスポジションは「TOKORO-VER」譲りだが、鮮やかなカラーリングによって、同モデルとはまた違った魅力を放っている。

8ビーチクルーザーバーを採用し、50ccのみ女性でも扱いやすいクラッチ操作無しのイージーモデル。真っ白なタンクにサイケレトロデカールを組み合わせ、マシンの個性を主張。エンジンは50ccと125ccの2種類。ロングファンネルがエンジン周りのカスタム感をアップさせている。シートはオプションパーツ。

9新垣敏之さん(48歳) ノーマルのK-16SPORTS 125ccで他の全日本ライダーとともにガチバトルに参戦した新垣さん。はじめて乗ったK-16について「125ccからくるトルクやキャブの吸気音、大柄で倒し込みが楽しいところなど、バイクの原点ともいえる楽しさに溢れたモデルだった」と絶賛。

10ヒロミさん(34歳) 東京都で自営業を営むヒロミさんの愛車はSPORTS 125cc。ワンオフマフラーやチェーンガードなど、オリジナルカスタムを楽しんでいる。「都内の移動にちょうどよく、個性的なので所有欲も満たされます」とのこと。今後、ペイントやクロスミッション装着を予定しているそうだ。

11小野寛之さん(29歳) 「『世界最速のインディアン』を思わせるシルエットにヤラれた」という小野さん。軽井沢でカフェを営んでおり、近所でも「バイクのあるお店」として憶えてもらえるのが嬉しいと笑顔を見せる。ちなみにカフェはSNAKE MOTORS公式サイト「K-16 PARK」にも登録されている。

12ファン感謝デーのメインイベントが1時間耐久レース! 1周1分を切ると「ピットインしての腕立て伏せ」という罰ゲームルールがあるため、各車接戦の非常に白熱した戦いが展開された。コスプレライダーもいて、走る方はもちろんのこと、見る方もとても楽しむことのできるレースだった。

13オフィシャルディーラーやサテライトショップによるブース出展もあり、カスタム車両やパーツ、アパレルなども多数展示されていた。写真は栃木県のサテライトショップ「ネイティブ」のブースで、チョッパー風にカスタムされたK-16TOKORO-VERが高い注目を集めていた。

14イベント当日に発表されたのがSNAKE MOTORSのニューモデル! なんと空冷単気筒エンジンを搭載した250ccモデルで、ご覧の通りの純然たるカフェレーサー。発売は来春予定とのことで、来年はますますSNAKE MOTORSから目が離せなくなりそうだ!

BRAND INFORMATION

SNAKE MOTORS

住所/東京都町田市忠生2-28-4 ムーンオート
Tel/042-794-4167

オリジナルフレームに鼓動感が楽しい空冷単気筒エンジンを搭載したK-16は、バイクに乗る楽しさと所有する喜びを与えてくれる。さらに来春には250ccのニューモデルも発売予定! 今後も要注目のブランドである。