バイク乗りから見ると、サイドカーやトライク(3輪バイク)といった乗り物は「興味はあるけど、ちょっと敷居が高いなぁ」と縁遠いものと考えてしまいがちではないだろうか。そんな不安を解消してくれるのが、専門店の存在だ。千葉県柏市にある『Garage ELF』(ガレージエルフ)は、トライクとウラル(ロシア製のサイドカー)などのスリーホイーラーのプロショップとして、ユーザーから厚い信頼を寄せられている。
ガレージエルフの設立は2007年。当初は4輪バギーなども扱っていたが、現在ではトライク専門のプロショップとして、多くのユーザーに愛されている。店舗1階は作業場で、同時に複数のマシンを整備し、カスタム作業を行える広いスペースを有している。
「当店ではビッグスクーターをベースにオリジナルエアロを組み込んだスタイリッシュなものから、ハーレーや大型クルーザーをベースにしたものなど、さまざまなタイプのトライクを取り扱っています。また、ロシアの軍用サイドカーをベースにした2WDのウラルサイドカーも人気ですね」
そう語るのは代表の植原学さん。もともと大手カー用品店で整備を担当していた経歴の持ち主だ。昔からバイクが趣味で、乗るのもカスタムするのも大好きだという。それがなぜ、トライクのプロショップを始めようと思ったのだろうか。
「バイク乗りの視点で考えると、トライクって軽快さもないし中途半端だと思っていました。でも“全く新しい乗り物”と考えると、普通免許で乗れて転倒の不安もなく、安全でメリットの多い乗り物なんだな、と。何よりも目立つし、かっこいいじゃないですか。だから、どうせなら自分が乗りたくなるような、もっとかっこいいトライクを世の中に提案したいな、と思って店を始めることにしたんです」
2017年の夏からはロシア製の2WDサイドカー、ウラルの取り扱いも開始し、より幅広いユーザーのニーズに応える店となった。
「とにかくお客さんが安全に、格好よく乗りこなすお手伝いをしたい。ですからそれぞれの好みに合ったカスタムのご提案はもちろん、体格に合わせたハンドルやステップなど各パーツの調整もしっかりと行い、より乗りやすくして納車することを心がけています」
車両を売って終わりではなく、そこからの付き合いを大切にしたい、と植原さん。
「だから、お客さんとの距離がとても近いんです。ショップとしてのツーリング以外でも、一緒にイベントに遊びに行ったり、時には飲みに行ったりと、ショップとお客さんというより友達同士に近いかもしれません。お客さん同士が話していて意気投合し、一緒にツーリングに行く約束をする、なんてことも多いんです」
確かな技術と的確なアドバイス、それに加えてフレンドリーな接客と居心地のいい空間を併せ持ったショップが『ガレージエルフ』なのだ。トライクやウラルに興味を持ったら、気軽に訪ねてみよう。
ショップの1階はガレージ状の広い作業場となっている。内部には常に何台ものマシンが置かれており、壮観だ。同時に複数の車両を整備したりカスタム作業を行えるここは、まさにプロの仕事場というイメージだ。
トライクのベースとなる車両は国産のビッグスクーターから大型アメリカン、クルーザーやハーレーまでさまざまなタイプがある。ショップオリジナルのエアロやワンオフパーツの組み込みなど、ユーザーの好みに応じた提案をしてくれる。
最近人気が高まっているロシア製の2WDサイドカー『ウラル』を前に代表の植原学さん。「車種や新車、中古車にかかわらず、その人の体格や乗り方に合った調整をきちっとして、乗りやすくベストな状態でお渡しするのがモットーです」と語る。
店舗の2階はトライクのショールームとともに休憩スペースとなっている。大きなソファやアメリカンテイストのグッズが配され、とてもリラックスできる空間だ。ここでお客さん同士のおしゃべりが盛り上がり、仲良くなることもしばしばだという。
ショップの看板犬であるワイマラナーの“シャンティ”ちゃん。一見すると怖そうなイメージがあるが、じつはとても人懐っこい性格。お客さんはもちろん、近所の専門学校生など通りがかりの人にも可愛がられている。