
定期的に交換が必要なチェーン。できれば自分で交換をしてみたいと思っている人もいるだろう。ただ、チェーンは駆動系の要であり、正確で確実な作業を行わなければ重大事故につながってしまう。そのため、しっかりとした知識と工具が重要だ。ここではチェーン交換の方法と専用工具について紹介しよう。
消耗部品であるチェーンは定期的に交換が必要であり、とくに走行距離の多い人にとっては、交換コストも結構掛かってしまうもの。そのため「できれば自分でやってみたい」と思っている人も多いのではないだろうか。そこで必要となるのが専用工具。ここに紹介する江沼チヱン製作所の専用工具『EK CRT50A改』なら、戸惑うことなく作業を行なえるはずだ。
この工具は、古いチェーンの切断からリンクプレートの圧入、そしてシールチェーンのピンカシメまで行なえる優れもの。しかも、工具には作業手順を写真入りで説明した取扱説明書も同梱されているため、ほぼ迷うことなく確実な作業を行なうことができるだろう。
使用できるチェーンサイズは420、428、520、525、530、532で、40系と50系でプレートホルダーやガイドプレート、ピンを使い分けて使用する。また、チェーン交換の作業で起こりやすい失敗、カシメ過ぎやカット用ピンの折損、プレートの圧入のし過ぎなどを防ぐ対策もあって安心だ。また、チェーンとホイールの隙間が狭い車両にも対応できるよう、ブロック本体の厚みを薄くすることもできる。
作業性、機能性、安全性、それらにこだわって開発されたEK製カット&リベットツールは、確実な作業を目指すサンデーメカニックにオススメなのだ。
EK CRT50A改の工具ケースには、ホルダー本体と40系、50系、それぞれのカット&リベットピン、ガイドプレート、プレートホルダー(カット用、リベット用別)と取扱説明書が同梱されている。
古いチェーンをカットするときは、ホルダー本体のプレッシャーボルトにカット&リベットピンを挿入。ホルダー本体の支持ブロックにカット用のプレートホルダーをセットしてチェーンをセット。メガネレンチでプレッシャーボルトを回せばピンが抜ける。
チェーンを新しいものに替える際には、古いチェーンにタイラップなどで新しいチェーンをつないで通すのが簡単で手っ取り早い。古いチェーンを外してしまうと、クネクネ曲がる新しいチェーンを通すのは一苦労だ。
プレートの圧入はリベット用のプレートホルダーを使って簡単に行なえる。また、継手のピンのカシメはカット&リベットピンをプレッシャーボルトに取り付け、ピンに接するところまでは手で回し、位置を決めてからメガネレンチで力強く回す。
チェーンを安全に交換する際に最も重要となるカシメも、EK CRT50A改を使えばご覧のとおりの仕上がり。もちろん、取扱説明書にはさらに詳細が記されており、しっかりと確認しながら行えば確実に作業を行えるのだ。
モーターサイクル用をはじめ、工業用チェーンなどの製造、開発を行うローラーチェーンの総合メーカー。モーターサイクル用チェーンは『ThreeD』と『EKチェーン』の2ブランドで展開している。