取材協力/株式会社ライズインターナショナル 取材・文・写真/野岸“ねぎ”泰之 構成/バイクブロス・マガジンズ編集部

掲載日:2012年7月30日

最近、バイクギアのなかでチラホラ目にする『RIDEZ』という文字。歯車のようなギザギザのロゴマークとともに、なぜか記憶に残る存在だ。ライズ、と読むこのブランドとはいったいどんなものなのだろう。横浜にあるヘッドショップにお邪魔して、コンセプトから商品展開まで、気になるあれこれを聞いてみた。

ユーザーと一緒にバイクライフを楽しみながら、いろいろな提案をしていきたい、と語ってくれたのは社長の鳥巣一広氏

RIDEZのアイテムの中でも代表的なテイストといえるのが、アメリカンカジュアル。ハーレー系はもちろん、ストリートライドにもよくマッチする

既存のカテゴリーに収まらない
多様でボーダーレスなテイスト

株式会社ライズインターナショナルは、1998年創業というまだ若い会社である。取り扱い商品はヘルメットからアパレルまで幅広く、オリジナルから他ブランドとのコラボレーション商品まで、数多くのラインナップを揃えている。なかでも中心となるブランドが『RIDEZ POWER SPORTS』だ。

 

『RIDEZ POWER SPORTS』は、従来よくあるブランドのように、たとえば「○○カジュアル路線」といった、既存のカテゴリー分けに当てはまらない、まったく新しい価値観のブランドと言える。
「バイクの楽しみ方や、カッコイイなと思えるシーンって、決してひとつだけの狭いものじゃないですよね。そう考えると、提案していくアイテムも、自然とボーダーレスになっていくんです」そう語るのは、このブランドの仕掛け人である代表取締役の鳥巣一広氏だ。

 

鳥巣氏はバイク用品の問屋に勤務していた経験を生かして98年に独立、株式会社ライズインターナショナルを立ち上げた。当初は他社と同様に、流行の輸入ものをそのまま販売していたという。しかし「もっと切り口を変えて、新しい価値観を付加した製品を提供できるはず」と考え、オリジナル商品の開発、販売に乗り出したのだ。

 

バイクを取り巻くライフスタイルは実にさまざま。RIDEZのアイテムはトレンドを先取りしながらそれらに対応し、常に進化する

「たとえばヘルメットにしても、いくつか持っていて、その日の気分で着替えるように使い分けるスタイルがあってもいいと思うんです。誰もが気軽に買える価格で提供できれば、それも可能になるし、バイクの楽しみ方のひとつになる。それをきっかけに、バイクライフがあれこれ広がりますよね」

 

単なるアイテムだけでなく、バイクと共に過ごす、いろいろなライフスタイルを提案するのが我々の使命だと思っています、と語る鳥巣氏。「でも、選ぶのはあくまでユーザー自身。僕らはそれをお手伝いして、皆さんのバイクライフが豊かで楽しくあるためのスパイスになれれば、と思っているんです」とのことだ。

テイストの違う豊富なラインナップが共存

ここに挙げたものはほんの一例で、ほかにも大胆なイラストと特徴的なカラーリングを施した本格的なフルフェイスである『ZERO』、開閉可能なバブルシールドを装備した『JB』、そのショートタイプシェルである『JB LOW』、HELLO KITTYやUSAVICH、LooneyTunesなど人気のキャラクターを配したデザインを取り入れた『CHARACTER HELMET』など多くのシリーズが存在する。ヘルメットだけを見てもこの多彩さだから『RIDEZ POWER SPORTS』の提案するスタイルが、いかに幅広く奥深いかがわかってもらえるだろう。

世界のトレンドから
「次に来る」ものをピックアップ

「世界にはカッコよくてクールなもの、オシャレなものがたくさんあります。それらのトレンドからこれだ、と思うものをセレクトして、そのテイストを取り入れた上で、存在感と影響力のある商品をどんどん提供していきたいんです」と鳥巣氏。たとえばアメリカならハーレーに合う最先端のアイテムやファッションがあるのは当然として、スーパースポーツのカスタムやエクストリーム系のトレンドも、ヨーロッパとは違うものがあるという。また、レーシングスーツのデザインやパターンには、ヨーロッパ独自の流れがあるなど、アイテムだけでなくバイクとかかわるライフスタイル自体、まだまだ日本に伝わっていないものも多いのだとか。

 

上/手裏剣をモチーフに、ライズの頭文字「r」を6個組み合わせたマーク。デザイン性と運動性、丈夫さと安全性が均衡を保つRIDEZのアイテムを象徴している
下/レディースライダーに向けたアイテムをリリースしているのが「シュガーライズ」だ

世界中からいいものを探し出し、提供するためのアンテナは、常にあらゆる方向に張っている。テレビや雑誌、ネットなどのメディアはもちろん、海外での買い付けや工場に出向いた際など、直接現地の情報に触れたり、街角のふとした様子から、流行のヒントを見つけ出すこともあるという。それはもちろん社員も同様で、ライズインターナショナルでは、誰かが「これ、いいかも!?」と思ったものは会議で検討され、OKが出ればすぐに商品化がスタートするという。このあたりのスピーディさは、大手メーカーにはマネのできない部分だろう。そしてこのフットワークのよさが、『RIDEZ POWER SPORTS』の持つ、時代の先端を行くエッジの効いた感覚と、多様なテイストが混在する豊富なラインナップにつながっているのだ。

 

実際、鳥巣氏が5年前からロードレースを始めたこともあってか、従来のシティユースアイテムだけでなく、レース用のアイテムも商品ラインナップに加わった。すでに販売を開始したレース用グローブに加え、間もなくレーシングスーツも発売される予定だ。

ロングタイプはレース用に開発された「APEX RACING GLOVE」。強度や機能性を維持しつついかに素手感覚に近づけるか、にこだわった逸品。右上のショートタイプは、ストリートからツーリングまで対応できる「OCTANE GLOVE」。本革&プロテクション装備ながら、スマートフォン操作にも対応する丈夫さと機能性が両立したモデル

 

「今ある商品やシリーズも、半年後、1年後には違うものに置き換わっているかもしれない。それぐらいのスピード感で、常に新しいもの、次に来る商品を提案していきたいと思っています」

 

鳥巣氏のこんな哲学は、バイクアイテムというより、アパレルやファッション業界の考えに近いもの。トレンドを先取りし、ライダーのよきバイクライフをプロデュースしてくれるブランド……多くのテイストをラインナップする『RIDEZ POWER SPORTS』のWEBサイトやカタログをチェックしていれば、「次に来る波」に乗り遅れることはないだろう。

株式会社ライズインターナショナル

バイクライフをもっと楽しく、もっとクールに、を合言葉に、オリジナルバイカーズグッズ、ウェア、ヘルメットを企画、販売。海外製品を中心とした独自のセレクトアイテムも豊富に取り扱っている。

神奈川県横浜市都筑区大熊町187-1
TEL/045-470-8655
営業時間/10:00~18:30
定休日/日曜日・祝日
http://www.facebook.com/RIDEZ.JAPAN

ここで『RIDEZ POWER SPORTS』の主力商品であるヘルメットのラインナップから、代表的なものを見てみよう。

Knuckle Head
横浜のアメカジブランド『Knuckle Head』とのコラボレーションシリーズ。アパレルのデザインをそのままヘルメットに落とし込んだグラフィックは、最新型でありながらビンテージ感たっぷりのスタイルだ。

 

HC(HARDCORE)
RIDEZジェットヘルメットのフラッグシップといえるシリーズ。最高級のデカール技術を駆使した、精巧かつ大胆なグラフィカルアートが特徴。派手過ぎず、落ち着いた中にも高級感があふれるデザインは、まるで工芸品のような美しさだ。

 

UC(Urban Cruising)
都会を駆け抜けるのにふさわしい、スポーティなジェット。大きなシールドは今までにないワイドな視界を確保し、快適で爽快なアーバンクルージングを約束してくれる。

 

OC
ヨーロッパで主流となっている、フェイスガードが開閉できるシステムフルフェイスシリーズ。シルバーミラーのインナーバイザーを標準で装備し、まち乗りからツーリングまで重宝する。

 

成田山
旧車のスタイルにマッチする、和のイメージを体現したアーティスティックなグラフィックを施したシリーズ。美しいデカールのデザインは、カスタムペイントで知られるCOBOOによるもの。

 

A5
最新型のハーフヘルメットにビンテージテイストを融合させたシリーズ。クラシカルな外観と現代的なグラフィックの組み合わせは、永久定番といえるカフェレーサースタイルからスクーターライドまでマッチする。

 

Sugar Ridez
レディース向けのヘルメットシリーズ。ポップ&クールなデザインを基本としながら、アメカジテイストや大人可愛いシンプル路線など、多くのモデルをラインナップ。