
重い荷物を積んで天候に関わらず長距離を走行する営業車は、自家用車と比べて各部の摩耗や消耗のペースが早い。そんなシビアな状況でも快調に走り続けるためには、使用限度に達したパーツを適切なタイミングで交換することが重要だ。純正部品と同等の性能と耐久性を備えたNTBパーツは、実用車や営業車の過酷な走りを快適にしてくれる。
営業所を出発する際は前後に新聞を満載し、ポストからポストへと効率よく投函する新聞配達用スクーター。加速と減速の繰り返しはブレーキの負担になるのはもちろん、重い荷物を積んで旋回を繰り返すことでタイヤは摩耗し、ベアリングへの負荷も増大する。営業車だから雑に扱うという気持ちはなくとも、多少の無理を強いてしまうのは致し方ない。
国産メーカーの幅広い機種向けに消耗部品や補修部品をラインナップしているのが丸中洋行。製品開発のモットーは「純正パーツと同等の性能と品質」であり、ヤマハギア用の交換部品も数多く取り揃えている。
純正部品との完全互換を謳うブレーキシューはヤマハギアのブレーキパネルにフィットし、ブレーキング時のフィーリングも純正同様。同社のライニング素材は純正と同等の制動力を維持しながら摩耗粉の発生、ブレーキドラムへの攻撃性を抑えており、ブレーキパネル内部の洗浄を行う機会が少ない実用車にとってはもってこい。
配達中、頻繁に乗降を繰り返す配達車両にとって、シート表皮へのダメージも遭遇しがちなトラブルだ。純正部品としてはシートアッセンブリーでしか購入できないが、NTBパーツにはギアのシート形状に合わせた表皮が用意されている。交換にはシートボトムに固定するための専用工具が必要だが、切れ目をガムテープで補修したりゴミ袋を巻いたり、スポンジに染み込んだ雨水が逆流して不快な思いをしなくて済む。
実用的で必要十分な性能を維持しながら、メンテナンスにかけるコストもセーブしたいのが実用車&営業車メンテナンスの現実である。NTBはそうしたニーズに応えるために20年以上に渡ってコストパフォーマンスの高いパーツ開発を行い、メンテナンスの現場で多くのバイクショップやユーザーから信頼を獲得してきた。ビジネスバイクはもちろん、スポーツバイクユーザーにとっても、NTBパーツは安全でリーズナブルなバイクライフの一助となってくれるはずだ。
ヤマハ・ギアのタイヤはフロント12/リア10インチの組み合わせで、4ストモデルは前後とも同じシューキットを使用する。大径タイヤは安定性に優れている。
純正部品のシューキットと同様、NTBのブレーキシューはテンションスプリングも同梱される。ライニングのみならずベース部分のデザインもよく似ている。
新たなシューを取り付ける前に、パネルの汚れをパーツクリーナーで洗浄しておこう。ピボット部もブレーキカム部分も抜群のフィット感でセットできる。
実用車ではベアリングへのグリスアップを行うことは少なく、稀な例だが破壊する場合もある。このオーナーはホイールがガタガタになって気づいたそうだ。
ホイールベアリングは標準規格品で、純正部品としてだけでなく機械工具商でも入手できる。だが丸中洋行では「ギア用」として買えるので便利。
破壊したベアリングを引き抜き、ホルダー部分にダメージがなければ新たなベアリングを圧入する。打ち込む際は外輪に当たるコマを用いるのが鉄則だ。
縫い目のない高周波溶着で成形された純正シート表皮は、乗ったり降りたりを繰り返すうちに接着面が避けたり、経年劣化ですり切れることがある。
純正部品で供給されるのはボトムから表皮まで一体となったアッセンブリーで、表皮単品の供給はない。スポンジに水が染みていたら、完全に乾燥させること。
丸中洋行には立体成型した機種別のシート表皮ラインナップがある。各メーカーのスクーターやビジネスバイクなど、小排気量車を中心に展開している。
スポンジと表皮の間に防水用のビニールシートを挟んでNTBのカバーをかぶせる。純正シート用に開発されただけあって、前から後ろまでピッタリフィット。
シートベースに表皮を固定するには、コンプレッサーのエアでコの字型の針を打ち出すタッカーも用いると作業が速い。タッカーは丸中洋行で購入できる。
ミシンによる縫製となるが、純正と同じパターンで成形されたNTB 製カバーは文句のない出来映えだ。これで破れた表皮で我慢する必要はない。
バックミラーや左右のレバーなど、接触や転倒で傷つきやすい部品もNTB製で購入できる。ウインカーなど機種ごとに特徴的な部品も、メーカーの意匠権が切れて自由に使えるものだけを製作している。
スロットルケーブルやクラッチケーブル、ウインカーレンズやブレーキ&クラッチケーブルなど、中型・大型クラス向けのパーツも充実しているが、丸中洋行がもっとも得意とするのはスクーターやビジネスバイクを中心とした小排気量車である。同社パーツはすべてオープン価格で販売されているので、部品商に問い合わせてみよう。
丸中洋行のホームページにある『NTBオートパーツサーチ』では、車種名や機種名からNTBパーツの一覧を確認できる。また、表示されたNTB品番を部品商に伝えれば、サンメカも購入できる。