
メンテナンスを定期的・積極的に行う個人所有の車両に対して、仕事で使われるビジネスバイクは走行距離も多く、消耗や摩耗が限界近くまで進行するまで乗り続けられてしまう場合も多い。それだけに、交換するパーツには耐久性と信頼性の高さが求められる。そうした場面で重宝されているのが、NTBの補修用パーツである。
20~30台もの車両を保有する新聞配達店やデリバリーピザショップや郵便局では、ビジネスバイクのメンテナンスにかかる手間やコストも並大抵ではない。
この企画では大規模新聞配達店で使用されるビジネススクーターのメンテナンスを行うが、新聞配達中にドライブベルトが切れたり変速不良で速度が上がらないトラブルに見舞われれば配達先の家庭に迷惑を掛けてしまう。またメンテ不足を原因にした故障で修理が長引けば、代車の手配など余計なコストが増えてしまう。
どんなパーツも摩耗や消耗限度ギリギリまで使い切るのではなく、ウェイトローラーやブレーキパッドなど同じパーツでも耐久性や信頼性に差が出る交換部品の中で、メーカーやブランド選びは重要なポイントとなる。
バイクメーカーの純正パーツを選んでおけば無難だが、クオリティとコストセーブを両立できるパーツブランドとして人気なのが、丸中洋行のNTBパーツである。バイク販売店や部品商向けに消耗パーツや交換頻度の高い部品を開発してきた同社では、ビジネスバイクに向けてもリーズナブルで高品質なパーツを開発してきた。
最後期モデルでも8年を経過している2ストギアは、走行距離がかさむビジネスバイクとして入れ替え時期を迎えているものが大半。だがマイルドな4ストモデルより走りは力強く、キビキビした運動性能への人気は高い。
ヤマハギアの2ストロークモデルは販売期間が1994~2007年と長く、重い荷物を積んでも加速性や登坂性といった動力性能に優れた2ストモデルのファンも少なくない。今回メンテナンスを行った車両は5万5,000km以上走行しているが、NTBのプーリーやウェイトローラーやベルトを装着することでスムーズな変速フィーリングが復活。部品交換から短期間ですでに1,000km以上を走行しているが、不調や不具合はなく快調に配達を続けている。
NTBパーツがモットーとする「純正パーツと同様の性能と品質」という製品開発の精神は、ビジネスバイクにとっても大きな信頼材料となっているようだ。
各部パーツの形状は4ストモデルと若干異なるが、エアクリーナーカバーもドライブベルトカバーも互いに干渉せず着脱できる。
プーリーもローラーも過去に交換済みだが、5万6,000kmは伊達ではない。スロットルの開け方次第で穏やかな4ストより摩耗が早いこともある。
ゴー&ストップを繰り返すためローラーとプーリーは段付きが激しく、2スト車はレスポンスが鋭いためローラーサイドがプーリの壁に食い込む。
スライドピースは次の写真のスチール製カムプレートとプーリーの間で摺動する。加熱と摩耗で変形(左)すると、プーリーの動きが渋くなる。
アルミ製プーリーや樹脂製ローラーに比べれば耐摩耗性が優れた鉄製カムプレートだが、過走行によって摩耗や焼けが入ることもある。
クラッチセンタースプリングを縮めるとV溝の隙間が広がるので、ベルトを収めてドライブシャフトに差し込む。ベルトやプーリーは油分厳禁だ。
耐熱性や引っ張り強度が優れたアラミド繊維を用いたNTB製Vベルトは純正部品を超える耐久性を発揮する。矢印を回転方向に向けてセットする。
走行中にプーリーやクラッチのセンターナットが緩むと走行不能になるので、回り止めを掛けた状態で規定トルクで締め付ける。
ベルトカバーを取り付ける前にエンジンを始動してスロットルを開閉し、プーリーとクラッチがスムーズに動き、ベルトが移動することを確認する。
MVアグスタが新車採用するBSバッテリーの輸入販売を行う丸中洋行。シート下部に横置きに搭載するBTX4Lタイプはガラスマットに電解液を浸透させた液入充電済みのAGM仕様。密閉タイプなので横置きできる。
キャブからの吹き返しなどで劣化するスポンジタイプのエアクリーナーエレメント。NTBのエレメントはスポンジ密度が異なる2層式で、ホコリや塵のサイズに関わらず確実にキャッチする。
プーリーやウェイトローラーの摩耗がある程度進行しても、突然最高速が伸びなくなったり変速不良につながることはない。だが新品パーツのスムーズさを体感すると、摩耗による変速の渋さを改めて実感できる。
丸中洋行のホームページにある『NTBオートパーツサーチ』では、車種名や機種名からNTBパーツの一覧を確認できる。また、表示されたNTB品番を部品商に伝えれば、サンメカも購入できる。