掲載日:2017年01月31日 特集記事&最新情報
取材協力/スズキ株式会社 文/丸山淳大 写真/栗田 晃
車体がフルカバードされたスクーターや1,000ccを越えるビッグバイクとなると、メンテナンス初心者はなかなか手が出しづらいように思えるかもしれない。しかし、どんなバイクでもメンテの基本は変わらないはずだ。特に日常的な点検やベーシックな消耗品交換などは、初心者にも挑戦しやすい作業である。最初は簡単なものからトライしてみてはいかがだろう。自分で行った作業で愛車の調子が変わる体験をすれば、バイクいじりの楽さを実感できるだろう。まずは工具を手に持って、休日に愛車と自宅で過ごしてみよう!!
コンパクトなハイパワーエンジンだからこそ良いオイルを小まめに交換したい。2回に1回はエレメントも交換だ。エキゾーストパイプの隙間にあるエレメントを外すには、専用のカップレンチがあると大変便利だぞ!!
GSX-S1000はアンダーカウルを装備している。オイル&エレメント交換時は、このカウルを外した方が作業性が良い。邪魔になる部品は積極的に外した方が結局は近道になることが多い。
左右分割させて片側ずつ外すこともできるが、一体になったまま外してみた。マウントボルトは左右4本。カウルを地面に落とすと傷が付くので、お尻を付いて座って足で受け止めると良い。
オイルドレンボルトはオイルパンの前側に付いている。カウルを外せば邪魔するものは何も無いので、メガネレンチで楽々アクセスできる。17mmのめがねレンチを使った。
緩んだら工具を使わないで抜き取る。廃油受けを準備して古いオイルを排出させる。出てきたオイルの汚れ状況を含め、ガソリンや水分、鉄粉などが混じっていないか確認する。
純正ドレンボルトはマグネット付きで親切だ。鉄粉を吸着することで、再びエンジン内を漂ってエンジン各部を攻撃することの無いようにしている。マグネットは鉄粉除去に有効だ。
オイルフィルターを外すにはラジエターのリザーバータンクが邪魔になる。タンクはボルト1本で固定されているだけなので、簡単に外せる。邪魔にならないように吊っておこう。
リザーバータンクが無くなれば、オイルフィルターは丸見えだ。フィルターのカップレンチをセットするが、エキパイが熱い時は火傷の恐れがある。冷めてから作業進行しよう。
フィルターカップレンチの頭にはレンチで回すための6角や3/8差込角が設けられているので、楽に緩められる。愛車のフィルターサイズに合ったカップレンチを所持しておきたい。
硬く締まっていると、カップレンチとフィルターが喰い合ってしまう。車体から外れる前にレンチを外しておかないと後で外すのに苦労することになる。緩んだ後は手で回して取り外そう。
新しいフィルターを組み付ける前に、フィルターの座を綺麗なウエスで拭いておく。汚れが付着していると、フィルターOリングとの密着が悪くなってオイル漏れする可能性がある。
フィルターのOリングにはグリスを塗布しておく。そのまま締め付けるとフィルター座面をすべらずにゴムがちぎれて、オイル漏れする可能性があるのだ。グリスは少量で構わない。
フィルターを締め付けたらエキパイに付いたオイルをパーツクリーナーで洗浄しておこう。オイル分が残っていると、路面に垂れたり、焼けて煙が出て臭いのだ。いよいよ新しいオイルの注入だ。
車体を直立させた状態で点検窓を覗き、オイルが規定量入ったのを確認したら、エンジン始動。オイルが回って空のフィルターにも行き渡るとオイルレベルが低下するので、不足分を補充する。
オイル交換後のエンジン始動時は、いきなり高回転まで回さずに、アイドリングから始め徐々に回転を上げて油圧をかけよう。ドレンやフィルター部からオイル漏れが無ければ作業は無事完了だ。
アンダーカウルを外すためのヘックスレンチと、サイズに合うフィルターレンチ、ドレンを緩めるメガネレンチがあれば作業できる。カップレンチ以外は一般的なハンドツールがあれば良い。
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