ドレンプラグを取り外し、バルブ付きの専用継手「エコオイルチェンジャーJET」に
交換することで、4ストエンジンのオイル交換作業が楽になる!!
取材協力/日本郵便オフィスサポート(二輪車専用総販売元)麓技研(製造元)  記事元/モトメンテナンス編集部
掲載日/2017年3月21日

もしもエンジンオイルの交換作業がもっと楽になれば、壊れなくて済むバイクが数多くあるのではないか?日本一の働き系ビジネスバイクのエンジンライフを高めるために開発されたのがここに紹介する二輪車用エコオイルチェンジャーJETだ。そんな画期的な商品が我々一般ユーザーに発売開始された。

Technical Information

手や愛車を汚さずスムーズなオイル交換を実現!!
オイルを入れ過ぎてもレバー操作で調整可能

快調に走ってこそバイクは楽しい乗り物。そんな愉しさの持続にメンテナンスは必要不可欠である。4ストロークエンジンのメンテナンスで何より重要なのは、エンジンオイル交換だ。乗り回すことが楽し過ぎて、オイル交換を二の次にした結果、気が付いた時にはコゲ臭さとともにマフラーからは白煙がモクモク…… エンジンからはカチカチとメカニカルノイズが……。過去にそんな経験をしたことがある本誌読者も、きっといることだろう。

決して面倒な作業ではないが、汚れた廃油で手がヌルヌルになったり、バイク周辺にオイルをこぼして地面を汚してしまったりなどなど、そんなことを言い訳にオイル交換サイクルを延び延びにしていたり、最悪で「オイルレベルが下がってきたら注ぎ足せば良い!?」なんてことを豪語する輩もいたりする。大切な愛車ならいつまでも好調をキープしていたいし、末永く乗り続けるためにはメンテナンスが必要不可欠。エンジンオイル交換や車体各部へのグリスアップ&注油によって、バイクはコンディションを末永く維持することができ、実はそんな日頃からの取り組みがバイクを乗り換える際の下取り価格や買取り価格に大きな影響を及ぼすものなのだ。

M14P1.5、M12P1.5、M14P1.25の3サイズ展開で国内車種に幅広く対応している。

ボールバルブが付く本体ボディと低頭ボルト、Oリング、オイル排出ノズルで構成されるエコオイルチェンジャーJET・SXシリーズ。バルブ開閉にはレバーを傾けてから回す2モーション方式を採用。安全性を確保している。

取り付け実践車両はカワサキZ1000の2014年モデル。ドレンプラグはエンジン左側面にあり、装着にはものの数分だった。ロングツーリングが好きなライダーならオイル交換サイクルも早いので、実用的に使える装備となりそうだ。

日本郵便オフィスサポートでは、バイクメンテナンスで何より重要なエンジンオイル交換の手間を軽くする機能パーツ「エコオイルチェンジャーJET」のバイク用をメーカーに開発依頼。この度、一般ユーザー向けに発売開始した。

「オイル交換タイミングが遅れてエンジンに負担を掛けて、それが原因でエンジンを壊してしまう例が少なくありません。またオイルを入れ過ぎたとき抜くのも大変ですが、エコオイルチェンジャーがあれば、レバー一つで調整が可能になります。作業エリアを廃油で汚してしまうことにも抵抗がありますので、オイル交換が後回しにされてしまうようです。大量のエンジンオイルを使う大型トラックでは、オイル交換作業が容易になるように、ドレンボルトの代わりに切り換え式バルブを取り付けることが多いようです。一度取り付けてしまえば車両が廃車になるまで交換不用の耐久性があります。そのバルブの『バイク専用品』を作れないものか? メーカーに相談したことからプロジェクトが始まりました」と日本郵便オフィスサポートの開発担当者。物流の要である大型トラックは年間10万キロ以上走るのが当たり前で、当然ながら大量のエンジンオイルを消費する。オイル交換サイクルは早く、手際良くオイル交換できるエコオイルチェンジャーの存在は大きいようだ。大型トラックと言えば振動も大きいが、そんな環境下でも長年に渡って使われ続けているのだから、バイク専用部品を開発できればバイクのオイル交換が容易になり、エンジンライフにも良い結果を得られるだろうと考えたのだ。

開発当初は大型トラックへの装着で実績があるストレートアダプターだったが、ドレンプラグの横にある保護突起が障害になり取り付けられないケースもあった。そこでロングアダプターを製作するも最低地上高が低く実用できないことが判明。そこで本体を寝かし低頭ボルトで締め付け固定するタイプになった。

低頭フィッティングボルトはHEXレンチで締め付ける。M12サイズの低頭ボルト締め付けトルクは24N-m 。ガスケットはOリングなのでバルブ本体がクランクケースへしっかり締め付け固定される。

ボールバルブの切り換えレバーは2モーション式で安全性が高いが(簡単に弁が開かない) 、さらなる安全策として切り換えレバーを固定するレバークリップを取り付けられる仕様となっている。

二輪車用エコオイルチェンジャーJETの開発製造は、開発メーカーとして知られ、トラック用オイルチェンジャーを40年に渡って製造販売する麓(ふもと)技研が担当。トラックドライバーからはロングセラー商品として広く知られている。開発当初は部品の小型化を図り二輪車用として対応してみたが、エンジン周辺のスペースが狭い上にドレンボルトの前方の保護突起(ドレンボルトにハネ石や段差が直接当たらなくする)がチェンジャー本体と干渉するため、ストレートアダプターを介して干渉対策してみた。しかし、最低地上高が確保できないため、バルブ本体を寝かせてボルト部分にはバンジョー継手式を採用。この形状仕様によって保護突起との干渉が無くなり、最低地上高も確保できるようになっている。

今回はM12P1.5mmのネジ山を採用した新世代カワサキZ1000(2014年モデル)にて取り付けてみた。通常ならオイル交換後のドレンボルト復元時にエコオイルチェンジャーJETを取り付ければ良いのだが、Z1000のドレンはクランクケースの左側面にレイアウトされていたので、ドレンボルトを緩めて車体を右側へ傾け、エンジンオイルが流れ出ないようにしつつ、エンジンオイルの抜き取り前にエコオイルチェンジャーJETを取り付けた。バルブ本体を後方へ向けつつ専用ボルトを10mmの六角レンチで締め付けるだけだ(規定トルク24N-m)。

さぁ、エンジンオイルを排出してみよう。2モーション式安全弁なので、レバーを傾けながら90度回すことでエンジンオイルはスムーズに流れ出始めた。付属のソケットにチューブを差し込んでいたため、エンジンオイルは飛び散らすことなくスムーズに抜き取ることができた。メンテ初心者にもありがたい作業性だ。オイル交換の毎にドレンボルトを脱着しないで済むため、ボルトやクランクケースのネジ山を痛めず、作業中の廃油で愛車を汚さずに済むのも同商品の特徴である。

日本郵便オフィスサポートでは、外車を含めて様々なモデルに対応できるように、今後は機種バリエーションを増やしていく予定で、さらには「エンジンオイル交換」に的を絞った様々なアイテムのWEB通販にもチカラを入れていく考えがあるそうだ。是非直販サイトにアクセスして見て欲しい。

切り換え弁には高精度なボールバルブを採用している。製造元の麓技研は創立40 周年を超えた開発メーカーとして信頼を得ている。エコチェンジャーは大型トラックの世界で広く知られる商品。振動に対しても強い!!