取材協力/トーヨー産業  記事元/アウトライダー71号
※この記事は雑誌『アウトライダー』71号P.83-85に掲載された内容を再編集したものです
※記事の内容は雑誌掲載当時のものです(アウトライダー71号 2015年3月11日発売)
掲載日/2016年3月2日

運転中にタンデム会話したり、ケータイ通話するための道具? いえいえ、最新のインターフォンはグループトークもできるし、FMラジオも聴けたりと機能満載。ツーリングをより楽しむためのアイテムに進化しているのだ。

実はソロでのツーリング
シーンも大きく変わる!

近年は愛用者の増加が目立つオートバイ用インターコム。なかでもイタリアの大手携帯電話周辺機器メーカーであるセルラーイタリア社が手がける「インターフォン」は、日本をはじめ世界60カ国に出荷、その高いパフォーマンスで各国のライダーから高い評価を得ている。

 

同社の「インターフォンF5MC」は、ブルートゥース機能のバージョンアップにともない、従来は1対1の2台通話しかできなかったものが最大4台まで同時通話できるように。しかも通信距離が最大約1300mもあり、マスツーリング時の利便性と快適性が大幅に向上しているのが特徴だ。

 

さて、一般的にはグループ使用やタンデム使用の利点ばかりが着目されるインターコムだけれども、弊誌としてはソロでの活用も大いにお勧めしておきたい。利点のひとつめは、ヘルメットやグローブを脱がなくてもケータイ通話ができる点。着信したらハザードを出し、すみやかに路肩で停車&通話と、なんとスムーズなことだろう。これなら家族や会社から緊急連絡が入っても、取りこぼすことがないのだ。また、ナビ端末やスマホのナビアプリの音声案内を耳元で聞くこともできるから、運転中に画面を覗き込まずに済む、という利点もある。さらに「F5MC」はFMラジオも内蔵。高速走行時、眠気覚ましにラジオを聴いたり、ニュースや天気予報の情報もリアルタイムに受信できる。このように、最新のインターコムはソロでの利便性も大いに高めているのだ。

 

手頃な価格で「タンデム通話」「音楽リスニング」「ケータイ通話」が可能となる「F3MC」(シングル1万7,800円)。タンデム通話するためには計2台必要で、まとめて買うならお得なツインパック(3万2,800円)がおすすめ

2台間通話が可能な「F4MC」(シングル29,800円)。「F3MC」同様、エニー・コムやソング・シェアリングの機能を持つほか、オートリコネクション、FMラジオなども搭載。こちらも「F5MC」と接続することでグループ通話が可能だ

最上位モデルなら
機能完全フルカバー!

最新の「インターフォンF5MC」は、接続した相手が圏外に出て通信不能になっても、再び圏内に入った場合に自動で再接続してくれる「オートリコネクション機能」を搭載。さらにタンデム時、同じ端末の曲をふたり同時に聴くことができる「ソング・シェアリング機能」も持ち合わせている。

 

機能は豊富でも、インターコムの使い方自体はカンタンなもの。電源のオン/オフはセンターボタン、音量の調節は左右のボリュームボタン、機能の切り替えは上下のメニューボタンと、基本操作はそれだけ。ボタンを押すたびに日本語の音声ガイダンスが流れるから、操作に悩むこともない。

 

そのほか画期的と言わざるを得ないのが「エニー・コム機能」だ。これは仲間の誰がどのメーカーのものを所有していようがお構いなし、他社製のインターコムとも接続・通信できるという優れ技。この機能は「F5MC」の弟分、最大通信距離800mで2台間通話モデルの「F4MC」や、タンデム間通話用の末弟的存在「F3MC」にも備わっているので、これから各社のインターコム利用者がどんどん増えていっても対応できるという点でお買い得といえるだろう。(※)

 

実際のところ、インターコムは現在さまざまなシーンで活躍している。ライディング・スクールで大量に導入し、走行中、指導役が受講者に注意点や修正点を指摘する、というような活用法が最たる例で、間を置かずにその場で伝えられるというインターコムのメリットを最大限に活かしているといえる。これはスクールでなくても、運転に不慣れな仲間や、オートバイ・デビューを果たした息子と親子でツーリングに出かけるときなど、多くの場面で活用したい点だ。ベテランがうしろを走った場合は、前を走るライダーに運転技術についてのアドバイスができるし、逆にベテランが前を走った場合は、コーナーに砂や落ち葉が広がっていた場合など、後続のライダーに注意喚起ができるのだ。

 

伝わる。それは時に「音声」だけでなく、一緒に走る相手への「思い」や「心」を届けることにもなる。ぜひ一度インターコムを使って、その利便性と可能性を体感してみてほしい。

 

※すべての機種との接続を保証するものではありません

 

活用法ケース.①

最上位モデルのF5MCなら最大4台接続。
グループツーリングがより楽しくなる!

「Bluetooth Ver.3.0」の機能により、従来は1対1の最大2台だったインターコム通話可能台数の制限から解放され、複数ユーザーによるワイヤレス同時通話ができるようになった「F5MC」。中継器などを経由させずとも、最大4台まで接続して通話ができる。特定小電力レシーバーと違い、送信と受信が同時に行なえるから、携帯電話やスマホと同じように普通の感覚で会話を楽しむことができるのだ。

 

活用法ケース.②

走行中に緊急の着信アリ!?
家族や会社も心配いらず

電話が着信すると「F5MC」のスピーカーから呼び出し音が聞こえるので、本体のセンターボタンを押すか、マイクに向かって「もしも~し」と話しかければ、そのまま通話が可能(通話開始方法は他にもあり)。相手に運転中であることを告げ、まずはオートバイを安全に路肩へ寄せるなどしてから、ゆっくり話すといい。ヘルメット着帽のまま話せるのでかなりラク!

 

活用法ケース.③

免許取立ての初心者に
運転中アドバイスができる

近年はライディング・スクールや二輪教習所でも活用されているインターコム。オートバイ・デビューを果たしたばかりの息子と2台でツーリング、なんてときも、後方からライディング・フォームやブレーキのタイミングを教えたり、危険な状況が発生した際に注意喚起できたりと、心配性のお父さんも安心だ。ただしあまりしつこくチェックしてばかりいると「ウザイ」なんて言われそうだから、ほどほどにしておこうかな?

 

活用法ケース.④

音楽リスニングOK
FMラジオも内蔵!(※「インターフォンF5MC」と「インターフォンF4MC」の場合)

ツーリング中は愛車のエキゾースト・ノートや風の音に耳を傾けたい。けれども高速道路での単調な移動時など、眠気覚ましやヒマつぶしに音楽が聴けるのはありがたい。さらに旅先のご当地FM局にチューニングを合わせ、ローカル放送を聞くのも楽しいもの。海沿いを走っていて「○○町の△△漁港では、シャケの水揚げが始まりました」なんて地元の話題を聞くと、なんだかしみじみしてくるのだ。ほかにも天気予報や気になるニュース速報など、ラジオはけっこう重宝する。設定はメニューボタンを押して機能を切り替えるだけ。押すたびに日本語のガイダンスが流れ、迷うこともない。

 

活用法ケース.⑤

夫婦でタンデム
高品質な音で会話を

インターコムのもっともベーシックな使い方が、タンデムでの通話。シールドを上げて振り返り、大声で話さなくても声が伝わるのはうれしい。しかも「インターフォン」なら風切り音をデジタルカット、高品質な通話が可能。ふだん忙しくて話す機会の減った女房とも、こうした機会にゆっくりおしゃべりを楽しまないとね。

最上位モデル 「F5MC」完全図解!

コネクター後部には外部入力兼充電ジャックが。付属の外部入力ケーブルを使えばBluetooth非対応の端末機器の音を聞くことも可能だ。

本体ユニットをヘルメットに取り付けるためのブラケットは「貼り付け式」と「挟み込み式」の2種類を用意。

マイクはオープンフェイスやフリップアップタイプ用のマイクアームと、フルフェイス用のマイクコードを同梱している。リペアパーツも国内対応しているので、ヘルメットを買い換えても対応が可能だ

 

音質のよさでも定評のあるinterphoneだが、さらに高音質でのリスニングを楽しみたいなら、SHOEIの「J-Force4」、「Z-7」、「NEOTEC」、「J-Cruise」、「GT-Air」用に専用設計された「プロサウンドキット」(9,800円)が別売りされており、新設計の大径スピーカーがオーディオ・リスニングをより高音質化、「プロサウンドキット」は純正内装の留め具を利用するため取り付けも簡単でスマートだ。形状変更した新設計マイクもノイズカット性能を大きく向上させている。

【DATA】

価格 3万6,800円(シングル) 6万4,800円(ツイン)

 

■本体サイズ:横90×縦45×奥行き20mm
■本体重量:44g
■ブルートゥース形式:Ver.3.0
■防水性能:IP67
■対応プロファイル:HSP、HFP、ICP、A2DP、AVRCP
■使用可能シーン:ソロ、タンデム、グループ通話
■連続通話使用時間:最大12時間

 

Interphone(トーヨー産業)
住所/〒105-0014 東京都港区芝2-27-8
マスマンビル7F
TEL/03-6303-0030
イタリアのミラノに本拠地を置く大手携帯電話周辺機器メーカーCELLULAR ITALIA社が手掛けるバイク用のBluetoothインターコムブランドが「セルラーライン・インターフォン」。イタリア本国や日本のほか、世界60ヵ国で販売され、各国のライダーから高い評価を得ている。