取材協力/オーイズミ・アミュージオ  文/淺倉恵介  構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
※「インターグロー」は 2018年に「オーイズミ・アミュージオ」へ 社名を変更しました。
掲載日/2016年12月27日

リアルな乗車感覚で話題を呼んだバイクゲーム『RIDE』がバージョンアップし、『RIDE2』となって新登場。ゲーム中で使用出来るバイク、走行可能なコースの数が大幅に増えている。そうした強化が大きな魅力ではあるが、RIDE2の真価は、前作からさらに突き詰められたリアル感にある。モニターを前にして、バイクでのライディングを体感できるのだ。

FEATURE

ライダーであればきっとハマる!?
バイクの走りを疑似体験

2015年に発売されたRIDEは、世界中で大ヒットとなったバイクレースをテーマにしたビデオゲーム。ゲーマーだけでなく多くのライダーを虜にした理由は、リアルな乗車感にある。そのRIDEがさらにグレードアップし、RIDE2となって登場する。

ゲーム内で操作可能なバイクは全て実在するモデルばかりで、デフォルトで190車種を収録。走行可能なコースは30以上、世界の有名サーキットを忠実に再現したコースに加え、ユニークなレイアウトの架空のサーキットも用意されている。それがPS4の美麗なグラフィックで表現されているのだからたまらない。

だが“しょせんはビデオゲーム、実際のバイクとは違うもの”と敬遠する人も少なくないだろう。じつはリポーターもそう考える1人。バイクは長年乗ってきたが、ビデオゲームで遊ぶことはほとんどない。そんな、偏屈なバイク乗りの視点からRIDE2がどう楽しめるかを探ってみた。

ゲームを超えた実車感覚!! リアルライディングシミュレーター『RIDE2』

オープニング画面では、ゲーム内に登場するバイクのメーター周りがランダムに登場する。

ソフトを起動させると、まず画像の美しさに驚かされる。最初に映し出されるのはカワサキのスーパーマシンH2R。一瞬写真かと思ったが、よく見ればCGだ。ライダー名などの初期設定を行い、ヤマハのYZF-R1Mを使ってゲーム内で走行するチュートリアルが行われる。全身で操る実車のバイクとは異なり、全てを手元のコントローラーで操作するのだから、その操作方法を覚えなければ話にならない。

ゲームを超えた実車感覚!! リアルライディングシミュレーター『RIDE2』

超美麗なグラフィックは、まるで実車を撮影した写真のようだ。

だが、操作法は意外なほど簡単。基本操作だけなら、すんなり身につけることができた。スロットルは右手の人差し指で操作するトリガータイプのR2ボタン、ブレーキは左手の人差し指で操作するトリガータイプのR1ボタン、バイクのバンク角は左のアナログスティックで操作する。基本操作は、この3つのボタンだけで可能。3つのボタンはON/OFFスイッチではなく、アナログ入力を感知するのでスロットル開度やブレーキの強弱、どれくらいバイクを寝かせるかは細かく調整できる。

シフトチェンジをマニュアルで行ったり、走行時のライダーの前傾姿勢をコントロールするなど、高度なプレイを行う場合には他のボタンの使い方も覚える必要があるが、とりあえず最初はスロットル、ブレーキ、ステアリングの3つの操作を覚えるだけでいい。コンバインドブレーキを搭載したATミッションのバイクに乗っていると考えれば、しっくりくるのではないだろうか?

レースモードでは、最初に4台のマシンから使用車種を選択する。レースで好成績を収めると賞金がもらえるので、それをレース資金にしてゲームの中で自分の欲しいバイクを購入するシステムだ。

ゲームを超えた実車感覚!! リアルライディングシミュレーター『RIDE2』

RIDE2のプレイ中の基本画面。前方にコースガイドが表示されているが、非表示にすることも可能。右下の円形の表示はメーター。外周がタコメーターで、中央の数字が使用しているギア、下の数字が走行速度だ。画面表示は好みに合わせてカスタマイズが可能。

さて、最初に選んだのはドゥカティのスクランブラー。はじめのうちはまっすぐ走らせることすら覚束なかったが、慣れるに従って操作することが楽しくなってきた。コーナーの進入でマシンをバンクさせていく、我々バイク乗りにとっては当たり前の話なのだが、聞けばバイクに乗らない人には、この感覚が理解できないのだそうだ。

4輪しか乗らない人がRIDE2をプレイすると、コーナーに入ってからハンドル操作をおこない、上手くマシンを曲げることが出来ないという。ライダーには、バイクは車体をバンクさせて曲げるという感覚が身に染み付いているから、このゲームはライダーの方が習熟が早いのだそうだ。実車そのものとは言えないが、そんなところまでバイクに近いのかと感心しきりだ。リポーターも、プレイ中に実車感覚を体感する出来事があった。

ゲームを超えた実車感覚!! リアルライディングシミュレーター『RIDE2』

視点を切り替えた例。バイクに跨った状態でのライダーの視点を忠実に再現。ライダーであれば馴染み深い風景で、直感的な操作がしやすい。ほかにもメーターを除いた視界や、バイクのフロント部にカメラを取り付けたような視界なども用意されている。

RIDE2は、プレイ時の視点切り替え機能を搭載している。バイクが走っている姿を後ろから見ている視点や、バイクに乗車した時のライダーの視点など、6種類から選択可能。乗車視点の場合、ヘルメット越しの視界も設けられているなど、じつに凝っている。プレイ開始時には、バイクを後方から見ている視点を選んでいた。4輪のレースゲームで、そうした視点が扱いやすかった経験があったからだ。ところがRIDE2のプレイ中、ボタンの操作を誤って不意に視点が変わってしまった。バイク乗車時のライダーからの視点に変わったのだ。一瞬慌てたが、じつはこれの具合が良かったのである。

バイクに乗る時と同じ視点と視界を得たことで、コーナーのRを見て速度を調整したり、バイクのバンク角を決めたりということが自然に出来た。それまでは違和感が拭えなかった操作が、慣れ親しんだ“バイクに乗る感覚”とシンクロしたのだ。なるほど、RIDE2が「レースゲーム」ではなく「リアルライディングシミュレーター」を名乗るのには理由があるのだと納得した次第。ビデオゲーム慣れしていないライダーがRIDE2をプレイするのなら、ライダーからの視点を選ぶのがオススメだ。きっと、すんなりRIDE2の世界に入っていけるだろう。

リアルな部分は乗車感覚だけではない。レースで上位を走れるようになり、資金も貯まってきたのでもっと速いマシンに乗り換えることにした。購入したのはカワサキのZX-10Rで、予算の都合で最新型ではなく2006年モデルとなったのだが、速さは現在でも一級品のはず。勇んでレースに挑んだところ、これが上手く操ることが出来ない。スピードが速いからなのか? と思ったが、そうではなかった。

ゲームを超えた実車感覚!! リアルライディングシミュレーター『RIDE2』

クラッシュシーン。グラフィックがリアルなだけに痛そう。マシンはカワサキのスーパーマシンH2Rだ。こうした夢のマシンを自由に操ることができるのもRIDE2の魅力。

例えば、低速でスロットルを急開するとウイリーしてコントロールを失う。コーナリング中にスロットルを開けすぎると、リアタイヤがグリップを失い転倒する。スクランブラーと同じ感覚で走らせると転んでばかりなのだ。転ぶ理由やマシンの挙動がリアルで、面白いやら腹立たしいやら……。

ゲームを超えた実車感覚!! リアルライディングシミュレーター『RIDE2』

RIDE2ではリプレイ機能を搭載、プレイ後に自分の走りを見ることができる。まるでレースのTV中継を見ているようで、これが実に楽しい。カメラアングルの変更も可能だ。

実車で両車のスペックを比較すれば、片や40馬力クラス、片や200馬力クラス。同じように扱えるわけがない。ゲームという架空の世界であれば、速いバイクは単純に戦闘力が上がり、速く走れるというのもアリだろう。ユーザーを簡単に楽しませるためなら、そうした作りも理解できる。だが、RIDE2は徹底的にリアルを追求しているというわけだ。こうしたこだわりは、ゲーム内の隅々まで行き渡っている。プレイすればするほど、きめ細やかなディテールにニヤリとさせられる。バイク乗りをうならせるリアルな世界観を持つRIDE2。ライダーであれば一度は体験して欲しい。

DETAILS

カスタマイズ機能も強化され
プレイの幅がさらに広がった

自由度の高さもRIDE2の魅力。使用可能なバイクは出荷状態で177台。パッケージ版の初回限定ボーナスパックでは人気車種2台が追加される。そのほか、有料、無料のダウンロードコンテンツ(DLC)でも多くの追加車種を予定。全てを揃えれば230台ものバイクが操作可能だ。この数は「実在するバイクが世界一収録されているゲーム」として、ギネス・ワールド・レコードに認定されてる。

また走行出来るコースも増え、要望の多かったドイツのニュルブルクリンクや、イギリスの公道サーキットのノースウェスト200など、人気のコースが追加されている。コースレイアウト違いなどを含め、その数は30以上。ソーシャル機能も搭載し、フレンド登録したライダーをチーム戦のメンバーにして、フレンドの所有するバイクを借りて走ることも出来る。

ゲームを超えた実車感覚!! リアルライディングシミュレーター『RIDE2』

使用するバイクは世界各地の一流メーカーの協力により、全て実在するモデルが登場する。現実では手の届かない、高価なトップモデルやレアなマシンも、RIDE2の世界では愛車とすることが出来る。

ゲームを超えた実車感覚!! リアルライディングシミュレーター『RIDE2』

レースの舞台となるサーキットは、現実に存在する世界の有名サーキットに加え、架空の公道コースも用意される。架空のコースも、現実にある土地をモデルにしており、背景は緻密に再現されている。

ゲームを超えた実車感覚!! リアルライディングシミュレーター『RIDE2』

どれだけプレイしても飽きないほど、多彩なレースイベントを装備。気軽に遊べるクイックレースからシリーズ戦、仲間と楽しむチーム戦など。モタードやドラッグレースも新たに加えられている。

ゲームを超えた実車感覚!! リアルライディングシミュレーター『RIDE2』

バイクをチューニングしてレースでの戦闘力を上げることが出来る。レースで獲得した賞金で高性能パーツを購入すれば、自分だけの1台を作ることが出来る。

ゲームを超えた実車感覚!! リアルライディングシミュレーター『RIDE2』

チューニングパーツを追加装着しなくても、車体のセッティングを変更することで走りを変えることも可能。

ゲームを超えた実車感覚!! リアルライディングシミュレーター『RIDE2』

バイクだけではなく、ライダーもカスタマイズ出来る。選べるヘルメットやライディングギアは有名ブランドばかり。ライダーの外見もカスタマイズして、好みのアバターを作れるのだ。

【基本情報】

  • 商品名:RIDE2
  • 発売日:2017年2月23日
  • 価格:パッケージ版/ダウンロード版 7,980円(税抜)
  • ※初回限定ボーナスパックではバイク2モデルとヘルメット10種類のDLCが付属

【ダウンロードコンテンツ】

  • ●シーズンパス 3,500円(当初予定の全DLCがダウンロード可能)
  • ●バイクパック 700円(1パックにつきバイク6モデル。リリースと同時に4パックをラインナップ。以後追加リリースを予定)
  • ●フリーバイクパック 無料( 1パックにつきバイク2モデルの無料DLC リリースと同時に4パックをラインナップ。以後追加リリースを予定)