
『FORMA(フォーマ)』は元々オフロードブーツのOEMメーカーのオーナーであったイヴァーノ氏が、彼の25年に及ぶブーツ造りのノウハウをつぎ込み、1999年に起こした新ブランドだ。イノベーション=「革新」をコンセプトに世界60カ国で販売され、各国のモータースポーツのトップカテゴリーで戦うライダーも認める機能と実力を兼ね備えたモーターサイクル用ブーツをリリースしている。
まさに新進気鋭のブランドであるFORMAが拠を構えるイタリアのアルティヴォーレという街は “世界のスポーツシューズの中心地”と言われるモンテベルーナに近く、古くからスキーブーツやモーターサイクル用ブーツの開発・生産を生業として発展してきた地域だ。そこで培われたブーツ作りの伝統と最新テクノロジーの融合が、FORMAの製品作りには惜しみなく注がれている。また、FORMAはイタリア本社でデザインと技術開発を行い、ルーマニアの工場が生産を担当。完成品を再びイタリア本社に戻して検品・出荷するという万全の品質管理システムをとっている。ルーマニアに生産拠点を置いているのは、現地には軍用ブーツを作る工場が多く、設備はもちろん経験豊富な職人を採用しやすいというメリットがあるためだ。
このように、モータースポーツ文化発祥の地であるヨーロッパで、すべてを生産することで、ライダーの誰もが納得できるスキのない仕上がりを実現。また、効率的な生産体制により、MotoGPや全日本で活躍するトップライダーが認める高性能ながら、類を見ないリーズナブルな価格帯のラインアップが大きな魅力となっているのである。そんなライディングブーツに新風を注ぐFORMAの魅力と実力に迫ってみよう。
ライディングブーツはヘルメットとともに最重要なライディングギヤといっても過言ではない。万が一の危険から足を保護しつつ、確実なリヤブレーキやシフト操作をこなし、またステップワークでバイクの運動性を引き出すなど重要な役割を担っているのだ。
プロテクション性能を高めるためには頑丈であることは言うまでもないが、一方で操作性を高めるためにはフィット感やしなやかさも必要。また、ツーリングなど長時間の使用では、通気性や履き心地も大事な要素になってくる。ユーザーの目的によって求める性能に優先順位があるのは当然だが、誰にとっても大事なのは“信頼できる製品”であることだろう。優れた装備というものは、ライディング時の集中力を高め、安心感を与えてくれるだけでなく、バイクを操る上質な時間も楽しませてくれるはず。
ウェアなどには気を遣うが、足元はおろそかになっているライダーも少なくない。安全で快適なライディングのためにも、ぜひ足元から装備を極めてほしい。
世界中のライダーに愛用されている「FORMA」は、モータースポーツ分野にも積極的に進出している。その実力はMotoGPに参戦するカレル・アブラハムを筆頭に、世界のトップカテゴリーレースでも証明されている。2013年度の全日本選手権に参戦中の3選手に「FORMA」の魅力を聞いた。
「ステップワークしやすく感触もつかみやすい」
高橋英倫選手(愛用モデル ICE)
履いた瞬間から馴染むので慣らしが不要なんです。それでいて安全性も必要十分。プロテクションが多いと操作性が低下していきますから、ブーツにはやはりバランスが大事。このブーツはその点が優れています。レース用ブーツには足首が固定されて動かしにくいタイプも多いのですが、FORMAは履き心地がよくステップワークもしやすいし、ソールが柔らかいので感触もつかみやすい。ステップバーへの引っかかり具合も最適で、雨でも滑りにくいのが気に入っています。全日本でも3年ぐらい使える耐久性もグッド!
2013 MFJ全日本ロードレース選手権 J-GP2クラスなどに参戦中。第1戦優勝。
「新品でも違和感なく履きこなせる」
星野知也選手(愛用モデル ICE)
最初に思ったのは革の柔らかさ。普通は慣れるまで時間がかかるんですが、新品でも違和感なく履きこなせるところがいいですね。レーシングライダーにとって大きなメリットといえます。足の甲や踝などのフィット感を調整できる点も気に入っています。使っているうちに緩くなってきたら別売のソールでさらに微調整もできますし、足首もしっかりサポートされて、それでいて必要以上に曲がらない設計なので安全性も高いと思います。装備も充実していて、コストパフォーマンスが高い製品だと思いますよ。
2013 MFJ全日本ロードレース 選手権J-GP2クラスなどに参戦中。第1戦3位獲得。
「ライダーの声を聞いてすぐに改良してくれる」
濱原颯道選手(愛用モデル ICE/PREDATOR)
モタードでは「プレデター」を愛用していますが、縦方向にはスムーズに稼動し、横方向にはしっかり固定してくれるため、操作しやすく安心感が高いのが魅力です。ブーツ内側がフレームに食い付くようなホールド感も素晴らしく、タイヤの滑り出しの感覚がブーツを通じて伝わってくるため、マシンコントロールがしやすいですね。ロードレースではICEも使ってますがデザインがいい。カラーバリエーションも豊富でツナギの色に合わせやすい点も魅力です。ライダーの意見を取り入れて改良してくるスピード感も嬉しい点です
2013 MFJ全日本スーパーモタード選手権 S2クラスなどに参戦中。第1戦優勝。