3日めを迎えた九州ツーリング、目指すは絶景広がる“天空の道”

すがすがしい朝を迎え、再び阿蘇の名道へそして遭遇した絶景広がる”天空の道”

すがすがしい朝を迎え、再び阿蘇の名道へ
そして遭遇した絶景広がる”天空の道”

3日目の朝は、雲ひとつない好天。休暇村 南阿蘇の部屋からは、根子岳をはじめとする阿蘇の山並みが間近に見える。「この宿はすごく良い場所にあるね!」と、あらためてロケーションの良さに感動するお二人。

 

チェックアウトを済ませ、まず向かったのが白川水源。毎分60トンもの水が湧くというここは、阿蘇を代表する湧水だ。清冽な水を味わっていると、なんと昨日のタンデムご夫婦に再会。話してみれば中山さんご夫妻と住まいがご近所ということが判明し「これはご縁があるね!」と連絡先を交換。旅はこんな出会いがあるから楽しい。

 

いよいよ阿蘇登山道路、別名“阿蘇パノラマライン”で阿蘇中岳山頂へと向かう。ちなみに登山道路はメインルートであり北からアプローチする坊中線、西からの赤水線、南からの吉田線の3本があり、どれも走って良し、景色良しの爽快ルートだ。白川水源から吉田線を走ると、樹林帯でグイグイと標高を上げ、ある地点から緑の丘陵のような山々を縫う道へと景色が変わる。

 

「走りながら見える風景で、コーナーを曲がるとハッとさせられるのが好きなんです。阿蘇はそんな絶景がいくつもありますね

 

と茂生さん。3本の登山道路を存分に走り、愛車と共に阿蘇を満喫。一方登喜子さんは、火口こそ火山ガスの影響で見学できなかったものの、「売店で念願のおいしいソフトクリームを味わえました」と笑顔で話してくれた。

 

有名な草千里や米塚を見たあと坊中線で山を北側に下り、昼食代わりに訪れたのが一の宮町宮地にある『朝日屋精肉店』。小さな普通のお肉屋さんながら、名物の馬刺しをリーズナブルに供してくれる、知る人ぞ知るお店だ。「これはウマいっ!」、「口の中で溶ける~」と、本場で食べる馬刺しのおいしさに、二人とも大満足の様子だった。

 

その後、阿蘇ツーリングの締めくくりに訪れたのが、通称”ラピュタの道”。ご夫婦ともに「どうしても来たかった」というこの道は、阿蘇外輪山の尾根筋の草原地帯を走るのどかなミルクロードから、一気に阿蘇谷へと断崖を下る、まさに天空に浮かんでいるかのような気分が味わえる絶景ロードだ。

 

「細くて急で怖かったけど、気持ちイイね」

「まるでヨーロッパのピレネー山脈越えの峠みたい。日本にもこんなすごい道があるんだな……」

 

まだまだ走り尽くせない阿蘇だけど、今回はそろそろお別れ。「フェリーを使えば近いんだから、また来ればいいね」とつぶやきながら熊本インターを目指したご夫妻だった。

 

草千里から阿蘇登山道路赤水線方面に分岐すると、きれいな台形の米塚を見ることができる

草千里から阿蘇登山道路赤水線方面に分岐すると、きれいな台形の米塚を見ることができる

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旅の余韻にひたるひとときを過ごし、充実感とともに日常へと戻れる幸せ

旅の余韻にひたるひとときを過ごし
充実感とともに日常へと戻れる幸せ

熊本インターから九州自動車道に入って北上すると、すぐに北熊本サービスエリアがあるから、買い忘れたお土産があっても安心だ。あとは、一気に新門司インターを目指すだけ。ちなみに熊本インターから新門司インターまでは170キロ弱。大型バイクなら2時間ちょっとあれば余裕の距離と言える。

 

新門司港のターミナルで乗船手続きを済ませると、ほどなくして乗船が始まった。ライディングウェアからラフな服装に着替え、甲板へと向かう。

 

「いよいよ九州ともお別れね……」

「楽しすぎて、あっという間だったなぁ」

 

刻々と空の色が変わる夕暮れを見つめながら、旅の余韻にひたる。そんな贅沢な時間が持てるのも、フェリーの旅ならではだ。

通称”ラピュタの道”は、急峻な崖を這うように、はるか眼の阿蘇谷へと細いルートが延々と続く

通称”ラピュタの道”は、急峻な崖を這うように、はるか眼の阿蘇谷へと細いルートが延々と続く

 

船内に戻ると、すでにレストランでは夕食の準備が整っていた。

 

「旅の締めくくりは、やっぱりビールに限るね。酔っぱらっても、寝て起きたら大阪に着いてるし(笑)」
「ふだんのツーリングだと渋滞の中を走って家に帰るのが大変だけど、フェリーならすぐ乾杯、って飲めるのがいいわね!」

 

中山さん夫妻には息子さんが二人いて、それぞれ大学生になったことで、最近やっと夫婦水入らずで泊まりの旅に出られるようになったという。時間を忘れ、今回の旅の思い出や、次のツーリング計画をあれこれ話し出すと、もう止まらない。仲睦まじく話に興じるお二人の様子は、まるで新婚時代にもどったかのように微笑ましく見えた。

 

次の朝、船は定刻どおりに大阪南港へと着岸した。中山さんご夫妻にとっても、またいつもの忙しい日常が始まる。でも、九州でたっぷりと楽しみ、船内で十分にリフレッシュしたお二人は元気そのもの。

 

「フェリーの旅はとってもラクで楽しかった! 絶対また利用します、ありがとうございました!」

 

そう笑顔で言い残して、それぞれの職場へと向かっていったのだった。

 

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名門大洋フェリーで行く九州ツーリングを体験して

中山 登喜子さん中山 登喜子さん

ふだんのツーリングだと都市部を抜けるだけで1時間はかかります。フェリーだと港まで走れば次の日はもう、走るのにおいしい場所。まるでタイムカプセルみたい。九州がこんなに近いなんて、びっくりしました。前回ソロで九州に来たときは、雨で景色がまったく見えなかったんですが、今回は絶景を堪能できました。空の広さや雄大さは、北海道とはまた違う魅力がありますね。現地1泊ではもったいないぐらい、まだまだ行きたい場所がたくさんあります。素晴らしい旅をプレゼントしていただいて、ありがとうございました。

中山 茂生さん中山 茂生さん

フェリーの旅、特にこの大阪~新門司便は無駄がなくていいですね。夜、寝ている間に目的地に着くのがいい。昼間めいっぱい遊んだり、仕事をしていても、船の中で体力を回復できるので、翌日はフルに動けますしね。今回、初めてバイクで九州を走りました。本当にどこを走っても気持ちが良いですね。特に阿蘇界隈は、ただの国道や県道でも、気持ちの良い景色や走りを楽しめるところがいっぱい。温泉も食べ物も最高だし、まだまだ走りたい道も多いので、近いうちにまたフェリーを使って行きたいな、と思います。

快適な九州ツーリングを楽しむなら名門大洋フェリーで!

大阪南港~北九州・新門司港を結ぶ名門大洋フェリーの大きな特徴は、1日に2便ある使い勝手の良さだ。

 

新門司 ⇒ 大阪南港 大阪南港 ⇒ 新門司
1便 16:50 ⇒ 翌5:30 16:50 ⇒ 翌5:30
2便 19:50 ⇒ 翌8:30 19:50 ⇒ 翌8:30

 

このように、仕事や学校の都合などに応じて時間の設定ができるため、フレキシブルな旅のプランが組めるのだ。どちらも夜のうちに航行し、朝には目的地に着くため、旅程に無駄がない。

 

また、瀬戸内海を通るため揺れが少なく、船旅が苦手な人にも安心なのも高ポイント。明石海峡大橋、瀬戸大橋、来島海峡大橋という3つの大きな橋をくぐるなど、ロマンティックな船旅の側面も持つ。大阪南港、新門司港ともに高速道路からのアクセスが抜群で、特に近畿圏から九州へのツーリングでは、上陸後、一気に高速で九州各地にアプローチできるため、ライダーの人気が高い。

ゆったりとしたエントランスホールにはソファと大型テレビを配置

広々としたレストランでは、瀬戸内海の夜景を眺めながら食事を堪能できる

白と青というマリンカラーに塗られた船体は、爽やかなイメージだ

【1】ゆったりとしたエントランスホールにはソファと大型テレビを配置
【2】広々としたレストランでは、瀬戸内海の夜景を眺めながら食事を堪能できる
【3】白と青というマリンカラーに塗られた船体は、爽やかなイメージだ