
「新車のときの輝きと艶をいつまでもキープしたい」というのは、不老不死と同じで人間が古来から憧れる魔法の力だ。
バイクコーティングは、その魔法を現実にしてくれる技術だ。
好きだから乗る、乗れば汚れる……
宿命的悪循環を断つ魔法のコーティング
「愛車をいつまでもきれいに乗りたい」というオーナーのキモチはクルマもバイクも変わらない。そんな思いに応えてくれるのが「コーティング」だ。
コーティングとはボディ表面に皮膜を形成し、水垢や泥や埃などの汚れを付着させにくくするものだ。もちろんまったく汚れないわけではないが、汚れたとしても簡単な洗車だけで汚れを落とせる。
これまではワックスがそうした効果を持つものとして使われてきたが、油脂系であるワックスは柔らかいため経年変化に弱く、長持ちしなかった。しかしコーティングはセラミック系やテフロン系、ガラス系といった「硬い素材」を用いるから、耐久性に優れるため効果が長期間持続するのである。そのため、汚れがつきにくいだけでなく砂や飛び石などによるキズもつきにくくする効果もある。
バイクコーティングの効果は、今では広く知られている。実際、バイク販売店や用品店でもコーティング施工が実施されるようになっているし、自分で施工するタイプの市販コーティング剤なども増えてきている。
すっかり身近な存在になったように思えるバイクコーティングだが、実は施工には専門の知識・技術・環境が欠かせない。そのため、多くのバイク販売店のコーティング施工は、コーティング専門のプロショップに外注されているケースが大半だ。バイク整備ととコーディングは異なる専門性が求められる作業なのだ。
「メンテナンスとコーティングでは、知識や技術、そして求められる作業環境が違います。そのため、コーティングはプロショップに任せる販売店さんが少なくありません。また、我々プロショップが使うコーティング剤は、一定以上の知識と技術があるスタッフが使用することを前提に調整された『プロ仕様』で、市販のコーティング剤とは、その仕上がりや効果継続年数が明らかに違いますね」
と、語るのは、今回取材に訪れた東京・小平のコーティングプロショップ「Duke」の代表取締役 本間條久さん。ここは四輪をメインに実績と定評を持つプロショップで、バイクのコーティングも手がけている。
というのも店長を務める三木譲さんをはじめ、スタッフがバイク好きだからで、「クルマにできるんだから、バイクだってできるんじゃないか」と思ったことがきっかけだそうだ。街乗りはもちろんのこと自らミニバイクレースを楽しみ、Dukeとして全日本RRを戦う高橋英倫選手のスポンサーでもある(2014年1月現在)。
「新しいコーティング剤は、まず自分のバイクに施工して毎日の通勤で使ってみて、たしかなことをチェックしてから採用してます」(三木さん)
バイク好きだからこそ、施工に熱がこもる。コーティングは使う液剤によっても仕上がりや効果、耐久性に差があるが、なんといってもバイクを好きな人がやるからこそ、そこには愛情がこもる。論理的でない話ではあるが、この違いは実に大きい。
前置きが長くなった。本題に入ろう。今回はバイクブロス・マガジンズの読者からバイクコーティングに興味を持つ人を募集、モニターとなってもらった。まずは二人のライダーとバイクの使い方を紹介しよう。
(写真・左)田中敏夫さん/カワサキ Ninja1000
2012年4月に新車で購入。走行距離は20,000km。主な用途は週末の日帰りツーリング。保管場所は月極のバイク駐車場で、屋根がないためカバーをかけている。洗車は汚れが目立ってきたらする程度で、濡らしたウエスやケミカル剤で拭く。水洗いはしないそうだ。
【2ヵ月経過後の実感】
コーティング直後の輝きが増した感じは、今でもキープされています。とくに実感したのは走行後の汚れの付き具合ですね。もちろん汚れは付着しますが、濡れたウェスで拭くだけで落ちてくれるので、手入れがホントにラクになりました。
(写真・右)山田正之さん/ヤマハ XJR1300
2011年12月に新車で購入。走行距離は2000km。主な用途は月に一度のツーリングや街乗りで、雨天走行は一度もない。屋内の駐車場でカバーを二重にかけて保管している。手入れは乗車前にケミカル剤で汚れや埃を拭き取る程度。
【2ヵ月経過後の実感】
コーティング前はケミカルを使って拭いていたのですが、今はケミカル不要で手入れが簡単になりました。ガラスコーティングは見た目が綺麗になることに加えて、塗装面を強固に保護してくれるという点でも頼もしい存在だと感じています。
どちらのバイクも外装やホイールなどに経年劣化や汚れはなく、非常にいい状態でコーディングを行うことになった。
コーティングの輝きが持続する理由は
作業工程から見えてくる
さて、ここからはコーティング施工の工程を見てみよう。バイクコーティングの流れは、(1) 洗車、(2) 研磨、(3)コーティング、(4) 仕上げという4工程で、施工にかかる時間はおよそ3~4時間。施工後の乾燥には10時間以上かけるのが理想という。そのため車両を預け、引取は数日後になることもあるので、依頼時にはしっかりと日程を確認したい。
また、バイクコーティングはどんなバイクにも施工可能だ。料金はコーティングする部位の面積により変動するため、ネイキッドのほうが安価になる。料金の詳細は下記を参照してほしい。
バイクコーティングお申込みの際に「バイクブロスのWEBの記事を見た」と言って頂くと、お持ちのヘルメット、またはお持ち込みの車輌のホイールのどちらかのコーティングを無料で致します。※詳しくはお問い合わせ下さい。
ボディーコーティングのプロとして20年の実績を誇るデューク。クルマのボディケアは無論のこと、バイクに関しても早くからガラスコーティングの施工を実施しているボディケアの専門店である。その仕事は、ただコーティング剤をボディに塗り込むだけではなく、磨きや洗浄という基本的な作業をプロの手で実施するという徹底ぶりで、リピーターは数多い。バイクレースにもスポンサードするなど、バイクに対する造詣は深く、たよりになる存在なのだ。
住所/〒187-0001東京都小平市大沼町2-877-1
電話/042-312-1234
定休/不定期休
営業/10:00~19:00
WEBサイト/http://www.duke-i.com/index.php