
取材協力/ディスカバリーチャンネル 文/佐賀山 敏行 構成/ストリートライド編集部
掲載日/2014年5月28日
テレビがつまらなくなったとか、若者のテレビ離れなんてことが言われて久しい。たしかに近年は価値観や趣味趣向が細分化し、ひと昔前のように「いまはコレが流行っている」なんてことは言いにくい状況。そのなかでテレビのようにマス(大衆)をターゲットにするメディアは視聴者のハートをなんとなく掴むことはできても、ガッツリと掴むことはできないだろう。ではやはり、テレビはつまらなくなったのだろうか? 答えはNOだ。地上波ではなく、スカパー!やケーブルテレビなどに目を移せば、多くのチャンネルが視聴者が本当に見たいコアな番組を提供している。その代表格といえるのが、「ディスカバリーチャンネル」である。
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ディスカバリーチャンネルとは、日本を含め、世界224の国や地域で放送をおこなう世界最大級のドキュメンタリー専門チャンネルだ。そのテーマは自然に科学、歴史など多岐に及ぶ。ひとくちにドキュメンタリーといっても、真面目にテーマを追求したものからバラエティ色を強くしたものまでさまざまで、その豊富なコンテンツによって日本でも多くのファンを抱えている。また地上波の番組で、海外のテレビ番組や映像を紹介するといった企画などでディスカバリーチャンネルの映像が使用されることも多いので、実際にディスカバリーチャンネルを見たことがなくても、その存在を知っている人は多いと思う。
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まさしく森羅万象あらゆるテーマをドキュメンタリーとして斬るディスカバリーチャンネルなのであるが、そのなかでも高い人気を誇るのがバイクやクルマの番組だ。
実際にプログロム表を見てみれば、これらのバイクやクルマの番組が非常に多いことが分かる。モーターファンはもちろんのこと、例えバイクに興味がなくともエンターテインメントとして楽しめる番組作りがなされている点がポイント。そんな番組たちに我々バイク好きのハートがガッツリと掴まれるのは、もはや当然だといえよう。そう、世界最大級のドキュメンタリー専門チャンネルであるディスカバリーチャンネルは、じつはストリートライド読者にこそ見て欲しい番組の宝庫なのだ。
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リビングに陣取るテレビを、たいして興味のない番組を垂れ流しておくだけのインテリアにしておくのは勿体ない。僕らが面白いと思う映像は、ディスカバリーチャンネルでふんだんに流れているのである。
では、僕らが面白いと思う映像……つまり番組にはどんなものがあるのだろうか? 人気のあるものは「アメリカンチョッパー」だ。もはやバイカーの間では伝説的番組ともいえるもので、名前くらいは聞いたことのある人も多いのではないだろうか? さらにストリートライド読者なら、5月に放送が開始されたばかりの「バーンファインド お宝バイク」や6月放送開始予定の「オークション・キング」もチェックしてほしい。ともに世界の名車や珍しいバイク、クルマが登場し、その内容に釘付けになることだろう。
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また、これらバイクやクルマの番組は、ディスカバリーチャンネルのウェブサイト内で独自のウェブページ「ディスカバリーターボ」として展開されており、こちらも必見だ。ディスカバリーターボが発信するメールマガジンでは、番組紹介だけでなくここだけでしか読めないコラムやプレゼントキャンペーン情報などを掲載している。バイクやクルマのコンテンツを100%楽しむなら、これもまた欠かせない要素だといえよう。
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ここまで読んでもまだ「テレビはつまらない」と言える? いやいや、「今でもテレビは面白い!」……ディスカバリーチャンネルを見れば、それは断言できる。
ディスカバリーチャンネルのプログラムのなかから、ストリートライド読者に最もオススメしたいのが6月19日(木)よる11:30から放送をスタートさせる「カフェレーサー」だ。この番組はその名の通り、1台のバイクをカフェレーサーに仕立て上げていくというもの。もちろん、ただカスタムバイクを作るだけはない。「アメリカンチョッパー」のように視聴者を惹き付ける演出も満載で、1台のバイクを巡るドラマを見るような感覚で見られるのも面白い。
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ホストはアメリカのバイク雑誌「Cafe Racer」の発行人を務めるマイク・シート氏。さらに元AMAスーパーバイクレースに出場していたベン・ボストロムとエリック・ボストロムも参加。玄人も納得の出演者によって、番組に深みを与えている。
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そして見どころとなるのが、純正モデルやスクラップ同然のボロバイクが美しいカフェレーサーに変貌を遂げること! 奇想天外な手法も許されるチョッパーと違い、カフェレーサーはある意味でその製作手法やスタイリングには制限がある。しかし、それがビルダーの手によって思いもよらぬルックスとなるのは痛快だ。ひとくちにカフェレーサーといっても、じつにさまざま……それを改めて知ることができる番組である。
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今回、実際に番組を視聴させてもらった。カフェレーサーと聞いてまず思い浮かぶのが’60年代イギリスを発祥とするトラディショナルなスタイル。しかし、今回ベースとなったのはなんとカワサキ・Z1000。現行ストリートファイターをベースにしているのだが、往年のスーパーバイクレーサーを思わせるノスタルジックな外装によって、みごとな1台が完成している。そして、そんなバイクを元レーサーであるボストロム兄弟が実際に試乗。やはりカフェレーサーといえば走ってこそ! 迫力の走行シーンが見られるのはもちろんのこと、そのインプレッションが聞けるのは嬉しい限りだ。
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最新モデルだけでなく、別の回では空冷デスモ・ドゥカティもカスタム。こちらは逆に、トラディショナルなデザインのなかに最新の足周りを組んだ1台が完成。定番とはひと味違う仕上がりは、マニアックなバイクファンも納得することだろう。
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カスタム行程はもちろんのこと、最高の仕上がりを見せるルックスと迫力の走行シーンを見ることができる「カフェレーサー」。今季、最も注目したいプログラムである。
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マイク・シート
番組のホストを務めるのが、アメリカの「Cafe Racer」誌の発行人やコラム執筆なども手がけるマイク・シート氏。16歳からバイクに乗りはじめ、自身でバイクカスタムもおこなってきたという。ちなみにはじめてのバイクカスタムはヤマハXS650。いまでは最新のスポーツモデルからカフェレーサーまでも所有する生粋のバイク好きだ。
ボストロム兄弟
AMAスーパーバイク選手権を戦ったベン・ボストロムとエリック・ボストロムが脇を固める。ビルダーが作り上げたカフェレーサーに実際に試乗する模様は必見。ルックスだけでなく、実際に走るカスタムバイクを見られるのは映像コンテンツならでは。元レーサーだからこそ出せる疾走感でバイクがさらにカッコよく見えるだろう。
毎週木曜日よる11:30
5月より放送を開始し、早くも大きな反響を読んでいるのが「バーン・ファインド」。アメリカでビンテージバイク・ミュージアムを運営するデール・ウォークスラー氏が全米の納屋(バーン)に隠れたビンテージバイクやクルマを発掘、レストアを施してオークションに出品する。1917年式モデルJや1926年式ピーシューターなど、貴重なバイクが多数登場する番組だ。
224以上の国と地域で放送される、世界最大級のドキュメンタリーチャンネル。スカパー! やケーブルテレビなどで視聴することが可能で、さまざまなドキュメンタリー番組を24時間放送している。