
愛車の外回りを雨や泥、あるいは傷などから守ってくれるのがコーティングだ。保護するだけでなく、防汚性も備わっており、また汚れた場合でも洗車で簡単に落とせるというメリットも持っている。そのショップがクレイブであり、最大の特色はバイクに特化した設備を持ち、ノウハウを豊富に蓄積している点にあり、国産から輸入車、スクーターからフル装備のツアラーまで車種を選ばない。
愛車の価値を高めるコーティングを
専用の設備と高い技術力で提供
「もっとユーザーさんと直接的に繋がりたい、そうなることでフィードバックされることが増えて、より細かなサービスの提供や技術の進化にもなるというのが動機ですね」
と語るのはクレイブ代表の小川欣哉さんだ。同店の正式なオープンは本稿の取材前日とバリバリの新店舗なのである。それも国内においては希有な存在とも言える、バイクに特化したコーティングショップなのだ。
小川さんは、これまで同名のコーティングショップを大阪府箕面市にて営んでおり、その世界に入って15年ほどになる。バイクへの施工も5年ほどになり、ハーレーやドゥカティ、BMWなどの輸入車を中心に数多くを手掛けてきた実績を積み重ねて評価を得てきた。だが、その時のメインは四輪であり、バイクの場合は依頼主はディーラーであることが大半を占めていたのである。新生クレイブとして、小川さんが譲れなかったのが『店舗』による営業である。
「ホントは、もう少し都市か、その近郊にしたかったのですが『倉庫』ばかりで。もちろん作業的には全く問題無いのですが、来られた方がワクワクするような空間にして、そこで綺麗になった愛車を見て欲しかったのです」
バイクに特化したコーティングショップにするにあたり、設備の充実が図られているのも特色のひとつと言えるだろう。店舗内にはバイク用のリフトが備えられており、そこは天井から4つのLED照明が灯され照らされている。コーティングの前段階における重要なポイントが、バイクの表面の状態を見て、観て、診ることであり、より高い技術の提供を可能にしているのだ。
「愛車の『価値』を高められるのが、コーティングの良さだと言えると思います。表面状態がキープされていれば、リセールにも反映されますし、また永く乗り続けたい方にも有効な手段です。そんなユーザーさんへの満足度を高められるように、1台1台丁寧に手掛けていきたいですね」
「店舗を新たにオープンするにあたっての課題が『水と空気を綺麗に』でした」と小川さん。コーティングの前に行われるのが、洗車であり、そのためのスペースが店舗の脇に用意されている。使われるのは当然「水」なのだが、ただの水道水ではない。濾過フィルターを備えてカルキ分などの不純物を除去する純水発生装置が備えられていて、そのままの水道水による洗車の際に起こり易い、塗装面のイオンデポジットなどの発生を防いでいる。その後に磨き作業となるが、用いられるエアーポリッシャーはバイクに適した小型の物で、ランダムに回転することで「オーロラマーク」が発生しない。
コーティング自体は、四輪もバイクも基本的に同じだが、四輪が「塗る」のが中心に対して、バイクでは「吹き付け」が作業の大半を占める。そのため、その際に使われる「空気」の質が重要だと小川さんは語る。その装置がコンプレッサーなわけだが、クレイブで使われているのはオイルフリーのタイプで、エアードライヤーが通されている。これによって、クリーンでドライな空気となるという。そこまでするのはコーティングの性能をフルに引き出すためだ。
クレイブで主に用いられているのは、強力なガラスコーティングのCR-1であり、同店はその認定ショップでもある。CR-1の代表的な特色が熱に強いことだ。そのため外装パーツだけではなく、エンジンなどの熱を発する部分に対しても有効なコーティングが可能になる。
CR-1は、施工後には表面に水が付いても広がる親水性のタイプだ。親水性であることのメリットも多々あるのだが、これまで小川さんの元には水をはじいて玉になる「撥水性」を求めるバイクユーザーの声が少なくなかった。それを受けてCR-1をベースとして、それと相性の良い撥水性のあるコーティング剤を配合した「ハイブリッドコーティング」も行われている。
コーティングは、洗車してから磨いて、それからコーティング剤の塗布と吹き付け、その後に焼き付け乾燥を経て完了となり、店舗に行って待っている間にできるというものではないため、何日間かは車体を預ける必要性がある。その間にバイクに乗れなくなってしまわないよう、代車が用意されているのもクレイブのポイントのひとつだろう。250~400ccクラスの車両があり、スクーターからアメリカン系、ネイキッド、フルカウルスポーツ系と4つのカテゴリーから各1台だ。またオープンには間に合わなかったが、代車を積んでトランポによる引き取りも予定されているのも特筆すべき点だろう。
施工を依頼するには予約が必須だが、同店のホームページのオーダーフォームから行なうと『WEB割』として施工料金が10%オフになるから積極的に活用したい。
「設備面での充実もそうですが、バイクに対するノウハウを多く持っているのが、ウチの強みだと思っています。メーカーや車種によっての違い、例えばハーレー系ならばメッキパーツ、ドゥカティならばカーボンパーツの特徴が出るようにするといった、メーカーやモデル毎に異なる細やかな対応です。コーティングショップとしてバイクの磨きは得意分野ですが、技術力にも磨きをかけて『バイクのコーティングならばクレイブに』と言われるような存在を目指していきます」
コーティングの性能を発揮させる
技術力の高さと、備わった設備
バイクに特化したコーティングショップのクレイブ。美しい店舗外観で、内部も明るく工場的なテイストとは一線を画した雰囲気がある。一見ではバイク関連と思われないようで「何の店だろう」といった表情で前を通り過ぎる人も多い。その設備と共に、我々がバイクを預けてから行われる作業工程を大まかに見てみよう。代表の小川さんは、永年の経験から全ての工程をスピーディーに進めていくが、それでも施工可能なのは1日に1台とのことである。
兵庫県川西市萩原1-11-29
TEL/072-767-1425
FAX /072-767-1426
営業時間/10:00~19:30
定休日/毎週水曜
バイクのコーティングを通じて、愛車の価値を高めるのがショップとしてのモットー。新車であれば、その状態の良さを永続的にキープし、年数を経た車両であれば高い磨きの技術で輝きを復活させる。全国的にも希有なバイクを主体としたコーティングショップである。