
歴史が深く絶景スポットが点在する四国は、バイク乗りにとって魅力の宝庫。カスタムカルチャーも盛んで、そのシーンのど真ん中にいるのが愛媛県発のプロショップ『NUTS CUSTOM CYCLES』(ナッツカスタムサイクルズ)である。
同店は運輸局認証工場を構え、ハーレーダビッドソンをメインに多彩なスタイルのカスタムバイクを製作。国内のカスタムショーでは数々のアワードを獲得し、専門誌の表紙やグラビアにも登場するなど、四国のカスタムシーンを力強く牽引している。
代表でありカスタムビルダーの薦田(せんだ)浩志さんは、ハーレー専門コースがあった赤門自動車整備大学校を卒業。ハーレーダビッドソン正規販売店に勤務した後、2005年に独立し、現在のショップを立ち上げたハーレーのエキスパートだ。
ハーレーのイメージが強い薦田さんだが、16歳で二輪免許を取得して以来、国産ネイキッドやアメリカンを乗り継ぎ、国産シングルやイタリア製SSマシンなどでレース活動をするなど、多彩なバイクと共に生きてきた人物。仲間とガレージでバイクを弄り続けた経験や、レースで培ったノウハウが、現在の自由度の高いカスタムスタイルの礎となっている。
スタッフも皆バイク好きで、初心者や女性ライダーからの相談も大歓迎。女性スタッフも在籍しており、初めてのバイク選びやライディングの悩みにも寄り添ってくれる心強い環境が整っている。
「ハーレーがメインですが、車種や年式、スタイルにこだわらず幅広く対応しています。バイクで面白いことをしていきたいし、その楽しさをもっと多くの人に伝えたい。なんでも相談してください」
その言葉どおり、同店では乗りやすさを追求したライトカスタムから、スポーツ走行を楽しむレーシーなチューニング、さらにはショークラスのフルカスタムまで柔軟に対応。オーナーの理想のバイクライフを形にしてくれる、頼れるパートナーだ。

2005年に創業した「ナッツカスタムサイクルズ」は、2011年に現在の四国中央市に移転。広々としたショールームには、ハーレーをメインにさまざまなスタイルのカスタムバイクがズラリと並ぶ。

代表の薦田さんはハーレー専修コースを持つ赤門自動車整備大学校の出身。ハーレーディーラーやカスタムショップで経験を重ねたスペシャリストで、ヴィンテージから高年式モデルまで幅広く対応。固定観念にとらわれない高品質なカスタムで注目を集めている。

オリジナルウエアをはじめ、人気バイカーブランド「BULCO」などアパレル類も充実。ヘルメットやグローブなどの用品、生活雑貨まで揃うコーナーも設置。アメリカンモーターカルチャーを反映した商品をラインナップしている。

店内の壁には多彩なアートピースが飾られ、華やかで楽しい空間を演出している。ショップをイメージしたピーナッツのキャラクターもユーモラスで、思わず笑顔になるような遊び心にあふれている。

1979年式ショベルヘッドエンジンを搭載したオールドスクールなチョッパー。今年、神戸で開催された「NEWORDER CHOPPER SHOW」(ニューオーダーチョッパーショー)に出展。洗練されたシルエットの美しさと繊細なディテールの作り込みに注目が集まった。

S&S製ショベルヘッドエンジンをフェニックス製フレームに搭載したロングフォークチョッパー。女性スタッフの平岡さんが自ら製作した一台で、見た目と乗りやすさを両立している。

2009年式FXDスーパーグライドをベースにクラブスタイルにカスタム。パワフルな1584ccのツインカム96エンジンを生かし、高速クルーズに適した走破性と攻撃的なルックスを併せ持つ一台。

営業兼メカニックの平岡沙織さんもハーレーオーナー。バイク用アパレルも担当する頼もしい存在。コーディネートはもちろん、女性ユーザーのバイクに関する悩みにも対応してくれる。

メカニックをしている佐々木穂高さんは、もともと同店に通っていたというバイク乗り。好きが高じてハーレーディーラーで技術を磨きカスタムビルダーに転身。精力的に作品作りに取り組んでいる。

スタッフそれぞれがバイク好き、カスタム好きという「ナッツカスタムサイクルズ」。左からメカニックの営業兼メカニックの平岡さん、代表の薦田さん、メカニックの佐々木さん。

バイクを知らない人にもモーターカルチャー、カスタムカルチャーの楽しさ、魅力を知って欲しいという薦田さんがこだわったのが、「衣・食・住」を交えたバイクライフの提案だ。
「お客様は“ハーレーに乗りたい”“チョッパーが欲しい”という方が大半です。一方で、バイクに乗らない人たちから、興味はあっても入りづらいという声も多かった。一般の方やご家族連れでも気軽に楽しめる場所を作れないか、ずっと考えていました」
その思いが形となり、店内にはアパレルコーナーを設置。ヘルメットやグローブなどのオートバイ用品に加え、アートやインテリア、食器などの生活雑貨まで幅広く取り扱い、バイクの世界をより身近に感じられる空間となっている。
さらに2年ほど前、新たな試みとしてハンバーガーショップ「Junk Food Parlor BEARS」(ジャンクフードパーラーベアーズ)をオープン。店主でシェフの近藤さんはもともとNUTSの常連というバイク乗りだ。
「構想は10年以上前からありました。バイクに乗らない人でも、自然にバイクのある空間を楽しめる“居心地のよさ”にこだわっています」
提供するハンバーガーは、バンズやパティ、野菜にいたるまで地元食材を厳選。近隣の生産者から仕入れた素材の味を最大限に引き出したグルメバーガーは、地元の人はもちろん、多くの人たちから人気を集めている。
「一般のお客様、国産バイクやカブ乗りの方々も訪れてくれるようになって、とても賑わっています。もっと多くの人が自然と集まる“道の駅”のような存在になりたい。バイクカルチャーを、さらに広く深く届けていきたいですね」

地元の食材にこだわったグルメバーガーは、シンプルなハンバーガー(900円)から、看板のBEARSバーガー(1300円)、フィッシュバーガー(900円)などメニュー豊富。追加料金でトッピング可能だ。写真はチーズバーガーのダブル。

左がベアーズの店長&シェフの近藤和豊さん。もともとNUTSに通っていたというバイクユーザー。2人のこだわりは気軽に訪れることのできる居心地のよさ。美味しいハンバーガーとカッコいいカスタムバイクを楽しめる、地元の人気スポットになっている。

ホームページ/https://nutscc.com/
住所/愛媛県四国中央市土居町蕪崎2634-2
電話/ 0896-74-8275
営業時間/9:00-18:00
定休日/毎週水曜日、第1日曜日、翌月曜日、第3日曜日、翌月曜日
住所/愛媛県四国中央市土居町蕪崎2633-7
電話/0896-77-5265
営業時間/9:00~19:00(LO.18:30)
定休日/毎週水曜日、第1第3月曜日