【WESCO x LANGLITZ LEATHERS BOSS×H-D 1960 FLH】ウエスコxラングリッツのエンジニアブーツ「ボス」&ハーレー「デュオグライド」

掲載日/2025年12月1日
取材・車両協力/WESCO JAPAN
取材・写真・文/成田 恒一
【WESCO x LANGLITZ LEATHERS BOSS×H-D 1960 FLH】ウエスコxラングリッツのエンジニアブーツ「ボス」&ハーレー「デュオグライド」 main画像

造形美に溢れたデュオグライド

時を遡ること77年前の1948年に登場した第二世代のOHVビッグツインエンジン「パンヘッド」。鉄ヘッドを搭載した初代OHVビッグツインエンジンであるナックルヘッドの弱点であった熱対策としてアルミ製シリンダーヘッドが採用されたパンヘッドの登場により、OHVビッグツインエンジンの信頼性は飛躍的に向上した。

【WESCO x LANGLITZ LEATHERS BOSS×H-D 1960 FLH】ウエスコxラングリッツのエンジニアブーツ「ボス」&ハーレー「デュオグライド」 01画像

リジッドフレームにスプリンガーフォークを装備した1948年式のワンイヤーモデル、通称「ヨンパチ」から、その翌年の1949年にはリジッドフレームに油圧式テレスコピックフォークを装備した「ハイドラグライド」、1958年にはリアサスペンションを装備した「デュオグライド」が登場。そしてパンヘッドのラストイヤーモデルである1965年にはセルモーターを搭載した「エレクトラグライド」が登場し、これによりハーレーダビッドソンは現代モーターサイクルの礎を固めたと言える。

【WESCO x LANGLITZ LEATHERS BOSS×H-D 1960 FLH】ウエスコxラングリッツのエンジニアブーツ「ボス」&ハーレー「デュオグライド」 02画像

ここに紹介する1960年式のデュオグライドはパンヘッドの後期型モデルと呼ばれるもので、前出した前後のサスペンションシステムにフットチェンジが採用されている。エンジンの視覚的な違いは4本リブのカムカバーに、ロッカーカバーのアルミ製Dリングなどが挙げられる。こちらの車両は名称にハイコンプレッションを意味する「H」が付与された排気量1,200ccのFLHで、当時のカタログスペックによると最高出力60ps/5,400rpm、最大トルクは8.98kgm/3,200rpmを発揮する、堂々たるフラッグシップモデルであった。

【WESCO x LANGLITZ LEATHERS BOSS×H-D 1960 FLH】ウエスコxラングリッツのエンジニアブーツ「ボス」&ハーレー「デュオグライド」 03画像

【WESCO x LANGLITZ LEATHERS BOSS×H-D 1960 FLH】ウエスコxラングリッツのエンジニアブーツ「ボス」&ハーレー「デュオグライド」 04画像

車両をつぶさに見ていくと、現在のモーターサイクルが失ってしまった造形美に溢れていることに気が付くはずだ。パンヘッドモーターは言うに及ばず、ヘッドライトナセルやタンクエンブレム、ラグフレームなど、アナログ的な美しさがそこかしこに宿っている。当時はプロダクト中心のマーケティングが主流の時代であり、カンパニーのデザイナーが思い描いた理想が、ここに具現化されたと言える。

【WESCO x LANGLITZ LEATHERS BOSS×H-D 1960 FLH】ウエスコxラングリッツのエンジニアブーツ「ボス」&ハーレー「デュオグライド」 05画像

100年をゆうに超える歴史を誇るハーレーダビッドソン。旗艦モデルであるOHVビッグツインモデルの系譜は、今も脈々と受け継がれている。その証拠に、このパンヘッド時代のデュオグライドと、最新のミルウォーキーエイトを搭載したヘリテイジクラシックを見比べれば、その意味を即座に理解していただけるはずだ。熟成に熟成を重ね、ゆっくりと、そして確実に進化を遂げてきたハーレーダビッドソン。世界中の熱狂的なファンに支持される最大の理由は、変化と進化を混同しない、このブレない信念にある。

アメリカンレジェンド揃い踏み

【WESCO x LANGLITZ LEATHERS BOSS×H-D 1960 FLH】ウエスコxラングリッツのエンジニアブーツ「ボス」&ハーレー「デュオグライド」 06画像

1918年、米国オレゴン州ポートランドで創業された世界最高峰のワークブーツメーカー「WESCO(ウエスコ)」。100年以上の歴史を誇る米国でも数少ないレジェンドメーカーだ。メイドインアメリカにこだわり続け、熟練した職人の手により生み出されるウエスコブーツは、さまざまなハードワーカーから絶大な支持を獲得している。ワークブーツとしての高い機能性はバイクギアに求められる機能に直結し、事実ハーレー乗りを中心とした感度の高い世界中のバイク乗りからも大きな支持を集めている。そんなウエスコブーツの魅力は、豊富なモデルラインナップに加えて、世界にただ一足だけのカスタムブーツを製作できる点にある。その他、定期的にリリースされる限定モデルの存在も忘れてはならい。発売のタイミングを逃せば二度と手に入れることができない希少モデルゆえ、こちらも高い人気を誇っている。

【WESCO x LANGLITZ LEATHERS BOSS×H-D 1960 FLH】ウエスコxラングリッツのエンジニアブーツ「ボス」&ハーレー「デュオグライド」 07画像

今回紹介させていただくのは、ウエスコと同じポートランドで1947年に創業した世界最高峰のライダースジャケットメーカー「ラングリッツ・レザーズ」とコラボレーションした「WESCO x LANGLITZ LEATHERS BOSS」である。ベースはいわゆるエンジニアブーツのボスだが、特別仕様とも言えるディテイルを備えた無二のカスタムボスに仕上げられている。

【WESCO x LANGLITZ LEATHERS BOSS×H-D 1960 FLH】ウエスコxラングリッツのエンジニアブーツ「ボス」&ハーレー「デュオグライド」 08画像

使用されるレザーには、現在は廃盤になっているブラックノーチラスを採用。こちらは防水レザーとなっているためバイク乗りには打って付けと言える。ハイト(踵から履き口までの高さ)は、足のスネとふくらはぎをしっかりとガードしてくれる15インチ、つま先の形状は丸みを帯びたボス・トウを選択。バックルは定番のニッケルメッキが取り付けられている。なお、トップストラップが割愛されている点も大きな特徴と言える。

【WESCO x LANGLITZ LEATHERS BOSS×H-D 1960 FLH】ウエスコxラングリッツのエンジニアブーツ「ボス」&ハーレー「デュオグライド」 09画像

【WESCO x LANGLITZ LEATHERS BOSS×H-D 1960 FLH】ウエスコxラングリッツのエンジニアブーツ「ボス」&ハーレー「デュオグライド」 10画像

ブーツの性能を左右するソールには、グリップ力と耐オイル性に優れた#430 VIBRAMを装備している。薄めのシルエットのためバイクライドにも適しており、シフト操作も容易だ。また、ヒールはボリューム感のあるブロックヒールを採用。そして特筆すべきは右足のシャフト内側のLLラベルとシャフト正面のLLロゴ、さらにレザーライニングにはラングリッツ製レザージャケットと同じレザーが使用されており、高い耐久性を実現している。

【WESCO x LANGLITZ LEATHERS BOSS×H-D 1960 FLH】ウエスコxラングリッツのエンジニアブーツ「ボス」&ハーレー「デュオグライド」 11画像

そしてこのカスタムボスは、ウエスコジャパンが立ち上げたセカンドハンドブーツの委託・販売を行う「YOUR WESCO」で販売されているブーツで、即購入できるモデルとなっている。この他にもボスやジョブマスターはもちろん、ウエスコジャパン限定モデルなど、数多くの希少なモデルが販売されているので、ぜひご確認いただきたい。

【WESCO x LANGLITZ LEATHERS BOSS×H-D 1960 FLH】ウエスコxラングリッツのエンジニアブーツ「ボス」&ハーレー「デュオグライド」 12画像

今も脈々とその系譜が受け継がれているパンヘッド時代のデュオグライドと、15インチハイトのバイカー御用達モデルであるWESCO x LANGLITZ LEATHERS BOSS。ハーレーダビッドソン、ウエスコ、ラングリッツともに変化と進化を混同しないアメリカンレジェンドの揃い踏みである。それは強いアメリカの象徴とも言えるはずだ。

INFORMATION

バイク乗りから絶対的な支持を得ている世界最高峰のワークブーツメーカー「WESCO(ウエスコ)」。1918年、オレゴン州ポートランドで創業されたウエスコは100年を超える歴史を誇る。長い歴史に裏打ちされた高い品質により、消防士や警察官、林業従事者などのタフなハードワーカーからの厚い信頼を獲得し、その足元を守り続けてきた。メイドインアメリカにこだわり続け、職人の手により生み出されるウエスコブーツは、バイクライドにおいても極めて高い信頼性を発揮する。