
2023年の国内販売台数が4,100台を超え、日々躍進を続けるトライアンフモーターサイクルズ。数多くのモデルをラインナップするトライアンフの中でも、絶大な人気を誇るベストセラーモデルと言えば、モダンクラシックシリーズの「スピードツイン900」がその筆頭に挙げられる。
スピードツイン900は老若男女を問わず、ビギナーからエキスパートまで幅広い層から高い支持を得ている。街乗りからツーリング、そしてワインディングも楽しめる懐の深いスピードツイン900は、真の意味でのオールラウンダーだ。
スピードツイン900に搭載される排気量900ccの水冷SOHCバーチカルツインエンジンは、最高出力65ps(48kW)/7,500rpm、最大トルク80Nm/3,800rpmを発揮。シート高は765mmで足つきも良好。サスペンションにはカートリッジ式フロントフォーク&プリロード調整可能なツインリアショック、フロントブレーキにはブレンボ製4ピストンキャリパー、トルクアシストクラッチも装備。ライディングモー ドは「ロード」と「レイン」の 2タイプを搭載している。スタイリングはブリティッシュツインのお手本とも言えるトラディショナルなもので、トライアンフの伝統を継承する美しいフォルムを形成している。
今から100年以上も前の1918年、米国オレゴン州ポートランドで創業された世界最高峰のワークブーツメーカー「WESCO(ウエスコ)」。創業以来、メイドインアメリカを貫き続ける米国でも数少ない老舗メーカーである。熟練した職人の手により製作されるウエスコブーツは、大量生産品とは対極に位置するアナログ製プロダクトと言える。それゆえにウエスコブーツには作り手の温もりが感じられ、人の五感に訴えかける得もいわれぬ魅力が宿っている。
優れたバイクギアの第一条件は、その信頼性にある。ヘルメットやウエア、ブーツなどのバイクギアには、どんな過酷な状況下でもライダーを守るという高い信頼性が求められる。つまり優れたバイクギアを身に着けることにより、純粋にライディングに集中できる理想の環境を作り出すことができるのだ。ウエスコが手掛ける100年を超える歴史に裏打ちされたタフなワークブーツは、その本来の高い機能性と信頼性により、バイク乗りから絶大な支持を得ている。
ウエスコの代表的モデルのひとつである、レースアップブーツの「JOBMASTER(ジョブマスター)」。その名の通り、アメリカでは林業従事者や消防士などのハードワーカーからドラッグストアのスタッフに至るまで幅広い現場で愛用されている非常に汎用性の高いモデルだ。トラディショナルなスピードツイン900とのマッチングも申し分なし。シューレースを締め上げ足首のホールド感を高めると、足元が守られているという安心感と同時にバイクの操作性が飛躍的にアップする。コーナリング時のステップワークやフットブレーキの入力においても精度の高い操作が可能。さらにウエスコブーツのほどよい重量と、ソールの高いグリップ力により、足つき性と停車時の安定感がワンランク増す印象だ。
ウエスコブーツはレザーカラーやソールなどのカスタムにより、世界でただ一足のブーツに仕上げることができる。愛車のイメージに合わせてカスタムすることも可能だ。ここで今回使用したジョブマスターの仕様を紹介しよう。
踵から履き口までの高さはスタンダードモデルの10インチ。レザーカラーはVamp(つま先部)とCounter(カカト部)、Backstay(アキレス腱部)はブラウン、Quarter(筒部)はシボ感が特徴のブラウンペブルを使用。ソールは通称ハニービブラムソールの#100H VIBRAMが取り付けられている。
シューレースブーツの顔となるレーシングパターンは、つま先近くまでアイレットが設置されたLace-To-Toeを採用。ヘビーウエイトステッチは標準のホワイトであるが、ライトウエイトステッチはバイクのタンクカラーであるコンペティショングリーンに合わせてジャパンリミテッドのシューグリーンをチョイス。一見しただけでは誰も気づかないような、なんとも控えめなコーディネイトではあるが、オーナーの満足度は決して小さくないはずだ。さらにポイントとなるのはシューレース部の保護とフィット感向上を目的としたフォルスタンが取り付けられている点である。
立ち姿が美しいこともウエスコブーツの大きな美点である。玄関に無造作に置いてあるだけでも絵になり、思わず見惚れてしまうことなどざらにある。バイクにも同じことが言えるだろう。もちろん乗って満足できることは、バイクというプロダクトの根源として必須であるが、眺めても満足できるかどうかということも決して外せないはずだ。「機能美」という言葉があるように、美は機能に宿るものだ。ウエスコブーツを端的に表すなら、「機能美」というこのひと言に尽きる。