
兵庫県高砂市の加古川近くの県道43号線沿いにある「Ride」は、ハーレーダビッドソンのツインカムエンジン(1999年〜)以降のツーリングモデルを中心に、オリジナルパーツの開発から販売まで幅広く手がけている。
「ハーレーのツインカム以降のツーリングモデル純正のスタイルを崩さず、独自の思想で『シンプルにカッコよく』をコンセプトに、オリジナルパーツの商品開発をしています」
自ら手がけているブランドについて語るのは代表の花田修一さん。日本の着物、袴のイメージをデザインに取り入れたオリジナルパーツ『HAKAMA(袴)』シリーズが話題を集めている。
「何年経過しても古さを感じることのない、流行りに左右されることのないスタイルを目指しています。それを表すのが “simple and cool” なんです」
ハーレーダビッドソンの純正モデルが持つ本来の走行性能、デザインをリスペクト。その良さを損なうことなく、オーナー好みのスタイルにブラッシュアップさせることがテーマだ。
「大切なのはバイクや車で楽しむこと! オリジナルパーツは大幅な加工をせず、簡単にボルトオンで取り付けできるようにしています。気軽に手軽にカスタムを楽しんで欲しいですね」
元々はハイエースをメインに扱っていたという花田さん。クルマ業界で培った確かなセンスと技術力を柔軟に取り入れ、ハイエンドなスタイリングを実現し、バイクユーザーにより豊かなバイクライフを提案してくれる。
オリジナルパーツ「HAKAMA」シリーズの取り付けは、すべてボルトオン設計。装着に大幅な加工を必要としないため、純正スタイルに戻すことも簡単! カスタムショップのみならず、ハーレーダビッドソンディーラーでも採用されている。
「HAKAMA」シリーズでは、サイドカバーやサドルバッグエクステンション、リアフェンダーのエクステンションなど、CVOツーリングモデルの外装パーツをラインナップ。純正スタイルを崩すことなく、最低限のパーツ構成でカッコよくスタイリングできる。
2023年8月4日にグランドオープンした新しい店舗。オフィスは明るく、木を基調にしたシンプルなデザインで居心地のよい空間となっている。すぐ隣にファクトリーが設けられており、作業風景を見学することもできる。
キャップやTシャツなどオリジナルブランドのアパレルも展開していて、店内でオリジナルグッズの購入もできる。「38 Silver works KOBE」とコラボした真鍮製のCVOキーフォブホルダーは、CVO用キーフォブ を元に製作した逸品。
女性書道家の飛鳥(ASUKA)さんに依頼したブランド名「袴」のロゴが店内にディスプレイされている。Rideの公式Youtubeチャンネル(@ride2920)に公開されているMVでは、飛鳥さんのダイナミックな書道パフォーマンスが披露されている。
グループ会社「GLIDE」はトヨタのハイエースをメインに展開する兵庫県最大級のショップ。新車、中古車販売はもちろん、買取、車検、カスタムにも幅広く対応。社用車も自社のカスタム車だ。クルマ業界で培った技術力や発想力が、Rideにも取り入れられている。
Rideが展開する人気パーツブランド「HAKAMA」シリーズは、もともと花田さんが所有するハーレーダビッドソンのCVOモデルのために開発したのがはじまりだ。
ちなみにCVOとはCustom Vehicle Operations(カスタム・ビークル・オペレーションズ)と呼ばれる完全受注生産のファクトリーカスタムモデルのこと。メーカー最上級の技術すべてが注ぎ込まれているカスタムで、主にツーリングモデルが多く、新車はもちろん中古車も人気を集めている。
「今までCVOのツーリングモデルを何台も所有し、全国を走り回ってきました。カスタムショーやイベントなどに参加していく中で、もっとこうしたらよくなるんじゃないか…と考えるようになったんです」
ツーリングモデルの定番カスタムといえば、バガースタイル、HOGGスタイル、パフォーマンスバガーなどカラフルで派手な印象のものが多いが、大幅な加工や凝った塗装を施している場合が多く、完成までにお金と時間がかかることが問題だった。
「ハーレーのカスタムって敷居が高いイメージがありますよね。特にツーリングモデルのカスタムは費用がかかるし、完成するまで乗れない時間が長くかかります。自分の場合、個性を主張しすぎた派手なスタイルを求めているのではなく、シンプルにカッコいいものが欲しかった。加工は取り付けに時間がかからないように、必要最小限のボルトオンにこだわっています」
バイクユーザーとしての視点から理想のスタイルを追求し、オリジナルパーツの開発に着手。サイドカバーやサドルバッグ、リアフェンダーのエクステンションパーツなど、ポイントとなる外装パーツを装着することで、統一感のあるスマートなフォルムを実現。純正カラーリングを生かせば、費用も時間も抑えながらハイエンドなスタイリングが可能だ。
「フルペイントするのもいいですが、ハーレーダビッドソンの純正、特にCVOの塗装は品質が高いので、純正のオリジナルカラーを生かせば最小限の外装パーツを取り付けだけで簡単にカッコいいカスタムができ上がります」
デザインで特にこだわったのは、流行に左右されない普遍的な美しさだ。派手さを抑えたシンプルで洗練されたデザインには、日本人の美に対する意識を反映し、ブランド名にもその思いを落とし込んでいる。
「日本の文化や物づくりの素晴らしさを伝えたくて、ブランド名の『HAKAMA』にその思いを込めました。全国のハーレーディーラーをはじめ、カスタムショップからもオーダーがありますが、ユーザーがネット通販で購入して自分で取り付けることも簡単にできます。日本だけじゃなく世界に向けても発信しています」
CVO限定でスタートしたが、現在ではツーリングモデルにも展開している。公式YouTubeチャンネルでは着物や書道、和楽器など和のイメージを取り入れたプロモーションムービーを公開中だ。
「映像については、オリジナルパーツの構想から、どんどんアイデアが膨らんできました。多くの人が協力してくれて、いつしか大きなプロジェクトへと発展していきました」
プロモーションムービーは映像クリエーターHigh RideチャンネルのJUNYAさんが制作している。オリジナル曲「SAMURIDE(サムライド)」は人気作曲家のZENTAさんが作曲し、演奏、出演に津軽三味線奏者の駒田早代さんを起用。さらにポールダンサーのMIKITTYさんがRideのカスタムモデルで都会を駆け抜けるという豪華な映像となった。
「このHAKAMAプロジェクトが世界に広がって、もっと気軽にカスタムを楽しんでもらえるようになったら嬉しいですね」
遊びゴコロを散りばめた独自のアイデアと、理想を実現化させるパワフルなバイタリティで、目指すは「HAKAMA」シリーズのグローバル展開。世界のハーレーファンが楽しめるカスタムライフを提供すべく、日々開発に取り組んでいる。
排気量1923ccのスクリーミンイーグル製ミルウォーキーエイト117エンジンを搭載した2018年式ハーレーダビッドソンのCVOロードグライドをベースにHAKAMAシリーズでフルカスタム。ケンズファクトリー製エアクリーナーキット、バンス&ハインズ製マフラーに換装した。
Rideスタイリッシュサイドカバー、サドルバックを延長するRideサドルバックエクステンション、HAKAMA CVOエクステンションで流麗なシルエットを演出。純正サドルバッグのマフラーアーチに対応しており、美しい仕上がりとなっている。
こちらは排気量1923ccのスクリーミンイーグル製ミルウォーキーエイト117エンジンを搭載したハーレーダビッドソンの2018年式CVOストリートグライドがベース。吸排気はアレンネス製Crossfireエアクリーナーにバンス&ハインズ製マフラーをセットした。
Rideスタイリッシュサイドカバー、Rideサドルバックエクステンション、HAKAMA CVOエクステンションを装着。アレンネス製フォークカバーやサドルバッグクラッチカバーなどで上質さをプラスした。
1868ccのミルウォーキーエイト144エンジンを搭載したハーレーダビッドソンの2023年式ロードグライド スペシャルがベース。スポークの一部やエンブレムに入れた差し色の赤がアクセントになっている。
純正カラーのビビットブラックに塗装された袴エクステンションを装着。RideスタイリッシュサイドカバーとRideサドルバックエクステンションを組み合わせることで、プレスラインがより際立ち、一体感あるシルエットを形成している。
排気量1923ccのスクリーミンイーグル製ミルウォーキーエイト117エンジンを搭載したハーレーダビッドソンの2021年式CVOロードグライドがベース。CVOの純正カラー、サンセットオレンジ/サンセットブラックフェードを生かし、オリジナルパーツでブラッシュアップ。
純正フェンダーに装着できるHAKAMA CVOエクステンションは、純正CVOウィンカーをそのまま使用できるのもポイント。CVOカラーに合わせたRideスタイリッシュサイドカバーとRideサドルバックエクステンションで、純正スタイルを生かしながらバガースタイルに昇華している。