“X(旧:twitter)”でバズり、一躍ヒット商品になった『おたふく手袋』の防風インナーに迫る!!

掲載日/2023年12月1日
取材協力/おたふく手袋増田恵子
取材・文/小松男
構成/バイクブロス・マガジンズ
今年も厳しいウインターシーズンが到来!! バイク乗りの皆、準備は出来ているか!? 防寒ライディングジャケット、グリップヒーター、使い捨てカイロ……。 否、今シーズンは『おたふく手袋』が手掛ける『WINDSMASH3』をはじめとした防寒インナー陣で、がっちり寒さをしのぐぞ!!

今だからこそ再注目のインナーアイテム!

ある日、おたふく手袋のアンバサダーである増田恵子さんを取材し、同社が手掛けるボディタフネスシリーズのインナーアイテムを紹介して欲しいという依頼が入ってきた。

私は16歳で免許を取得し、これまで30年間バイクに乗ってきた。ここ20年は雑誌やウェブの記事制作なども行ってきたいわゆるプロのバイク乗りの一人である。インナーアイテムとの付き合いも長いもので、それこそライディングギアの老舗ブランドが作ったものから、ディスカウントショップのセール品まで幅広く利用してきた。そんな私に“今さらインナー?”というのが、今回の取材前に考えていたことだ。だがしかし、おたふく手袋のインナーアイテムはそんな私の甘い考えを大きく凌駕するライディング時マストの機能装備だったのだ。

おたふく手袋のアンバサダーを務める増田さんが2018年頃にX(旧:twitter)でアップしたこのカットがバズり、防風インナー『WINDSMASH2(現在は3が発売中)』が多くのライダーに認知されるようになった。

おたふく手袋が展開するボディタフネスシリーズには様々なインナーアイテムが存在するが、その中でも、これからの季節はWINDSMASH3が推しの商品となっている。トップスはジップアップタイプも用意。

おたふく手袋は、その名からも分かるように手袋製造に端を発した日本のブランドである。ホームセンターや作業服ショップなどで手に取ったことがある方も多いと思う。ボディタフネスシリーズというのは、そのおたふく手袋が手掛けるインナーアイテムだ。

おたふく手袋のアンバサダーを務める増田さんは、編集ディレクター、ライターとしてバイクメディアなどで活躍されている。このカットは10月に走行会参加した際のもの。寒暖差を考慮し、レーシングスーツのインナーにボディタフネスのオーバーザファンクションを着用している。

普段からおたふく手袋のインナーアイテムを愛用しているという増田さん。最近では新製品開発の際のアドバイスも行っているとのこと。ライダー目線、さらには女性ならではの視点というのも大きなポイントだ。

インナーを上手く活用することでフォーシーズン快適に

インタビューの席にお越しいただいた増田さんから、まずはおたふく手袋のインナーアイテムとの出会いについて探ることにした。

「2017年頃ですが、ワークマンを筆頭に作業着ショップや作業着ブランドのアイテムを、アウトドアレジャーやバイクに乗る際に取り入れることが流行り始めました。同じころに私が参加していた異業種間交流の会におたふく手袋さんも来ており、そこで知り合ったことがきっかけとなり、ライディング時にインナーアイテムを使うようになったのです。

その中でも防風性能の高い『WINDSMASH2』がお気に入りで、頻繁に使用していたのですが、ある時Xにアップしたポストのカウントが伸びたことがありました。WINDSMASH2は表面に光沢があり、妙な質感だったことが受けたのかもしれませんが、その後、実際に使ってみてかなり良いというコメントも戴くようになったのです。

昨年新たに『WINDSMASH3』が登場しました。これは生地の外側に近い部分にポリエステルと防風フィルムを使うことで風の浸入を防ぎ、内面にはポリプロピレンメッシュと吸汗速乾ポリエステルを合わせることで、防風インナーアイテムにありがちな内側の汗の残りが無いために汗冷えすることが無いことが大きなポイントとなっています。それと女性専用ではないのですが、サイズ感的に体の小さな女性などでも使うことができるように、SSサイズを用意してもらいました」

ライダーならではの視点でインナーアイテムを使い分けているという増田さん。季節に応じたインナー選びが快適なライディングをもたらす重要なポイントになると教えてくれた。

『WINDSMASH3』は通常のハイネックとジップアップタイプのハイネックが用意されている。ライディング時だけでなく普段使いも考えているのであれば、首下で風の流入を調節できるジップアップタイプがお薦め。

おたふく手袋は、誰しもが知っており、一度は使ったことがある軍手の老舗ブランドである。職人に愛されるモノづくりに真摯に取り組んできた先に、ライディング時にも有用なインナーアイテムが生み出された。

暑い時に涼しく、涼しい時に温かい不思議な素材

寒い時期には風をしっかりとシャットダウンする『WINDSMASH3』が有効的だと言えよう。ただ、増田さんは季節に応じたインナーを選ぶことこそが、快適なライディングを楽しむためのポイントになってくると話してくれた。その中でも、幅広いシーズンで活躍してくれているというのが“Outlast(アウトラスト)”という繊維を利用した『OVER THE FUNCTION』だという。

「今日は『OVER THE FUNCTION』をインナーに着用してきたのですが、これはとても便利なので普段からヘビーローテーションとなっています。生地にアメリカNASAのために開発されたというOutlastが使われているのですが、一本のストロー状の繊維の中にパラフィンワックスが注入されており、暑い時にはパラフィンワックスが熱を吸収し、逆に寒い時にはパラフィンワックスが熱を放出するというものになっています。
このことにより、いつ何時も気持ちよく過ごすことができるのです。真冬のような冷え込みの時には『WINDSMASH3』の方が適材ですが、真夏、真冬を除けば、この『OVER THE FUNCTION』をとても重宝しています」

『OVER THE FUNCTION』は今年の春にリニューアルが行われており、増田さんのアドバイスを受けて、首回りの形状など細かなディテールが改良されている。

今回の取材を通して、私のインナーアイテムに対する認識は大きく変わった。これまではとりあえず内側に空気層を作るだけのものと思っていたが、機能的な面は大きく進化しており、その中でも長年作業着製造を続けてきたおたふく手袋のインナーアイテムは一歩先を進む物となっていたのだ。気になる価格も1000円代から高い物でも3000円程度というのだから手も出しやすい。

私自身もどうしても試してみたくなったので取材後に『WINDSMASH3』と『OVER THE FUNCTION』を手に入れて使用しているが、どちらも秀逸。特に『WINDSMASH3』のジップアップタイプは、風の流入を首元で調整できるのでとても便利である。

見えない部分に気を使うことで、快適なライディング環境を得られる。おたふく手袋のインナーアイテムは我々ライダーの強い味方となってくれるのだ。

取材当日の増田さんは『OVER THE FUNCTION』を着用されていた。暑い時に涼しく、寒い時に温かく調温するアウトラスト素材を採用しており、レディースサイズ展開もしている。

真冬のライディングでも温かく過ごすためのアイテムとして、防風ネックウォーマーをお薦めしてくれた。ホックタイプなのでヘルメットを被ったままでも着脱ができることも便利だ。

雨天のライディング時に着用していてとても助けられたことがあると教えてくれたのが、防水ソックスだ。外からの水の浸入を防ぐことは疲労軽減にもつながり、その結果セーフティライディングをももたらす。

増田さんから、おたふく手袋のインナーアイテムについて話を伺ったら、自分でも試してみたくなり、『WINDSMASH3』を手に入れた。サーキットでの試乗発表会で着用したところ、効果バッチリ。これは手放せなくなりそうである。

INFORMATION

住所/大阪府箕面市船場東3-11-22
TEL/0120-18-3663

創業大正15年、高品質な作業手袋と作業靴下のメーカーとして成長を遂げ、現在は様々な製品を手がけるワークウェアのリーディングカンパニー。近年は、高機能インナーウェアのボディタフネスを展開し、ワークウェアだけでなくスポーツ用インナーの分野にも進出。ボディタフネスはバイク用のインナーウェアとしても優れた性能を発揮し、ライダーからも注目を集めている。