
バイク乗りから絶対的な支持を得ている世界最高峰のワークブーツメーカー「WESCO(ウエスコ)」。1918年、オレゴン州ポートランドで創業されたウエスコは100年を超える歴史を誇る。長い歴史に裏打ちされた高い品質により、消防士や警察官、林業従事者などのタフなハードワーカーからの厚い信頼を獲得し、その足元を守り続けてきた。メイドインアメリカにこだわり続け、職人の手により生み出されるウエスコブーツは、バイクライドにおいても極めて高い信頼性を発揮する。
ウエスコブーツの大きな特徴と言えるのが、多岐にわたるカスタムメニューにより、世界でただ1足のカスタムブーツを製作できるという点だ。オーナーの使用目的や好みに合わせてモデルを決め、レザーの種類やカラー、ソール、ステッチやバックル、アイレットなどのパーツを選び、最適な1足に仕上げることができる。サイズに関しても豊富にラインナップしており、またワイズ(幅)も然り。さらに個別の詳細な採寸によるカスタムサイズオーダーも受け付けている。
スタイルにこだわるハーレー乗りを中心に大きな広がりを見せているウエスコブーツであるが、前出した通り、バイクライドにおけるその高い信頼性は、何もハーレーに限ったことではない。例えばどうだろう。近年の原付二種人気を支えるトレールモデル、ホンダ「CT125ハンターカブ」との組み合わせなども悪くない。ハンターカブの魅力は、その無骨なスタイルと道を選ばない高い走行性能だ。そう考えると、ワークブーツとの相性が悪いはずがない。
ウエスコの代表的モデルにはレースアップブーツのJOBMASTER(ジョブマスター)とプルオンブーツのBOSS(ボス)という二つのモデルがあるのだが、今回は、いわゆるエンジニアブーツのボスを履き、ハンターカブで往復150kmほどのコーヒーツーリングに出掛けることにした。
ボスを履いてのバイクの操作性には何の問題もなく、むしろ足元が守られている感が強く、頼もしい限り。秋口のツーリングでは、足先から冷えに襲われることも多いが、肉厚のレザーブーツであるボスを履いていれば、その心配もない。また高い防水性を誇るボスなら突然の雨に降られても足が濡れることもない。つまり雨予報でもオーバーブーツを用意する必要はなく、レインスーツだけ持っていればいい。
ここで今回使用したボスのカスタムメニューを紹介しよう。踵から履き口までの高さはスタンダードな11インチで、レザーカラーはオールブラック。筒の部分であるシャフトは1インチ詰めてスリムにしている。爪先の形状はバブル・トウで、ソールはオールドルックの#700 VIBRAMが取り付けられている。バックルは標準のニッケルメッキ、トップストラップはハードなイメージのダブル仕様、アッパーレザーのステッチカラーはブラウン、ソール縫い付け用のステッチはホワイトを選択している。
ソール交換などのリペアサービスも充実しているウエスコ。しっかりとメンテナンスを行えば、嘘偽りなく生涯履き続けることができる。道具としてのブーツを超えた、特別な存在。一生をともにする、人生の相棒にもなり得るはずだ。