コンピュータの処理能力が向上した昨今、シミュレーターの現実再現度がヤバいことになっている。例えば今回ピックアップする最新のバイクシミュレーションゲームソフト『RIDE5』では、230台以上にも上る登場マシンの特性や挙動の再現はもちろんのこと、雨風気温などからなる環境の変化、さらに細かい車両セッティングまで、現実さながらの状況を再現している。
この点に関しては前作であるRIDE4でもかなり驚かされたのだが、RIDE5では対応ハードを家庭用ゲームマシンとしては最高峰となる演算能力とスペックを誇るPS5としたことで、さらにリアリティを増した。
最新のライディングシミュレーターであるRIDE5を紹介するにあたり、ただ単にプレイインプレッションを行うのでは魅力が伝わりにくいと考え、J-GP3に参戦中のライダー岡崎静夏選手に挑戦してもらうことにした。全日本レースはもちろん日常的にもバイクに乗っているという岡崎選手だが、普段ゲームをする機会はほとんどないという。果たしてRIDE5をプレイしどのような印象を受けたのだろうか。
本格的なシミュレーターとはいえPS5のコントローラーを用いて操るので、まずはチュートリアルモードで操作に慣れることからスタート。アシスト機能が備わっているので「思っていたよりもできる!!」と岡崎選手。
11歳でポケバイに乗りはじめた岡崎選手は、現在は全日本ロードレースというステージでしのぎを削るレーサーとして活躍しているプロフェッショナルだ。だがしかしリアリティを忠実に再現しているシミュレーションゲームRIDE5とはいえ、やはりディスプレイ画面を通してみる景色であり、コントローラーによる操作方法も慣れるまでは難しいので、苦戦するのではないかと思っていた。しかしその予想は外れ、出だしから上手く乗りこなしている。さすがとしか言いようがない。
「アシスト機能に助けられているんですよ。基本的にスロットル操作と左右のハンドル操作だけなので何とか走れています」と岡崎選手は謙遜するが、実際にプレイしてみればわかるが、RIDE5はそれほど甘いゲームではない。初プレイでちゃんとレースになっているのだからあっぱれだ。
選手権モードを中断し、走ることができるコースを確認したところ、先日レースで走ったばかりだというオートポリスを発見。試しにTZR250SP(3XV)でコースインしたところタイムは2分29秒357。岡崎選手のレースでのベストタイムが1分59秒8だったそうなので、やや不服そう(それでもはじめてにしては良いタイムだと思うが)。そこで選手権モードで賞金を稼いでからCB600ホーネットを手に入れ、再度タイムアタックをすることにした。レーシングスーツに着替えてもらい、本気モードでRIDE5にチャレンジする。
RIDE5は5次元的な入力や挙動をはじめ、排気音なども本当にリアルであり完成度の高いシミュレーターである。従来のRIDE4から新しいキャリアモードや多くのカスタマイズオプションが用意されるなどの改良が加えられているが、細かい仕様などはゲームメディアで確認してもらうとして、バイク専門メディアである本項の落としどころとしては、岡崎静夏選手にプレイしてもらうことで、“シミュレーションゲームビギナーでも楽しむことができる”、“現実に近い体験をすることができる”、“プレイすることで自身の成長を楽しめる”ことが立証できた。
サーキットだけでなく世界各国のワインディングロードを再現しているコースや、新旧様々な車両が用意されていることもあり、レース好きだけでなくバイク好きなら誰もが満足できる内容となっている。
ライディングスキルを磨くツールとして、また雨天やなかなかバイクを走らせる機会が無い時などの息抜きとしてゲットするのも良いのではないだろうか。
発売日:2023年8月24日(木)
機種:
・ダウンロード版:PlayStation 5、Xbox Series X|S、Steam、Epic Store
・パッケージ版:PlayStation5