現役J-GP3ライダー“岡崎静夏”選手が、 最新バイクシミュレーションゲーム「RIDE5」に挑戦!!

掲載日/2022年10月23日
取材協力/PLAION株式会社
写真、取材、文/小松男
構成/バイクブロス・マガジンズ
とことんリアリティを追求した美しいグラフィック、実走行からのデータをフィードバックした現実的なライディングなどから、この上ない没入感を楽しむことができるバイクシミュレーションゲームソフト“RIDE”。その最新作となる『RIDE5』が発売された。最新作では対応ハードをプレイステーション5(以下:PS5)としたことで、さらに現実に忠実に、そして走り応えのある内容となっている。今回は全日本ロードレース選手権J-GP3クラスに参戦中の岡崎静夏選手にチャレンジしてもらい、ゲームインプレッションをお伝えする!

演算処理機能に長けたハイスペックなPS5をハードに用いたことでさらにリアリティ度が向上。プレイシーンの再現度は実車と見間違えてしまうほどである。ライディングスキルを引き上げるきっかけにもなるかも。

美麗! 流麗! 超リアル!
没入感半端なし!

コンピュータの処理能力が向上した昨今、シミュレーターの現実再現度がヤバいことになっている。例えば今回ピックアップする最新のバイクシミュレーションゲームソフト『RIDE5』では、230台以上にも上る登場マシンの特性や挙動の再現はもちろんのこと、雨風気温などからなる環境の変化、さらに細かい車両セッティングまで、現実さながらの状況を再現している。

この点に関しては前作であるRIDE4でもかなり驚かされたのだが、RIDE5では対応ハードを家庭用ゲームマシンとしては最高峰となる演算能力とスペックを誇るPS5としたことで、さらにリアリティを増した。

最新のライディングシミュレーターであるRIDE5を紹介するにあたり、ただ単にプレイインプレッションを行うのでは魅力が伝わりにくいと考え、J-GP3に参戦中のライダー岡崎静夏選手に挑戦してもらうことにした。全日本レースはもちろん日常的にもバイクに乗っているという岡崎選手だが、普段ゲームをする機会はほとんどないという。果たしてRIDE5をプレイしどのような印象を受けたのだろうか。

本格的なシミュレーターとはいえPS5のコントローラーを用いて操るので、まずはチュートリアルモードで操作に慣れることからスタート。アシスト機能が備わっているので「思っていたよりもできる!!」と岡崎選手。

まずはプレイヤーのプロファイリング設定から。もちろん女性ライダーも用意されている。岡崎選手とは印象が違うハード気味のスタイルだが、これに決定。

車両のセッティングも驚くほど細分化されている上に、ライディングスタイルなども任意で設定することができる。「ショルダーアウトってライディングスタイル、ああ、野佐根航汰的なひじ摺りスタイルのことですね~」と楽しみながらセッティング。

最初に使うことができるマシンはTZR250SP(3XV)。これで選手権に参戦し自身のスキルアップをしてゆくとともに成績を残して賞金を獲得し、車両やパーツを購入してゆく。いうのが基本の流れ。アシスト機能が備わっているとは言え操作は容易ではない。それにも関わらず順調にコースを周回する岡崎選手。

初レースでなんと7着という好成績。選手権モードを進めて徐々に操作に慣れつつ賞金を貯めて、ショップでCB600ホーネットを購入するという目標をたてた。が、ここからスランプに陥り、なかなか苦戦することに。

「教育されている感覚! ゲームと一緒に成長できますね!」(岡崎静夏)

11歳でポケバイに乗りはじめた岡崎選手は、現在は全日本ロードレースというステージでしのぎを削るレーサーとして活躍しているプロフェッショナルだ。だがしかしリアリティを忠実に再現しているシミュレーションゲームRIDE5とはいえ、やはりディスプレイ画面を通してみる景色であり、コントローラーによる操作方法も慣れるまでは難しいので、苦戦するのではないかと思っていた。しかしその予想は外れ、出だしから上手く乗りこなしている。さすがとしか言いようがない。

「アシスト機能に助けられているんですよ。基本的にスロットル操作と左右のハンドル操作だけなので何とか走れています」と岡崎選手は謙遜するが、実際にプレイしてみればわかるが、RIDE5はそれほど甘いゲームではない。初プレイでちゃんとレースになっているのだからあっぱれだ。

選手権モードを中断し、走ることができるコースを確認したところ、先日レースで走ったばかりだというオートポリスを発見。試しにTZR250SP(3XV)でコースインしたところタイムは2分29秒357。岡崎選手のレースでのベストタイムが1分59秒8だったそうなので、やや不服そう(それでもはじめてにしては良いタイムだと思うが)。そこで選手権モードで賞金を稼いでからCB600ホーネットを手に入れ、再度タイムアタックをすることにした。レーシングスーツに着替えてもらい、本気モードでRIDE5にチャレンジする。

選手権モードのライバルたちは想像以上に“アタリが強く”、後方から接触して転倒させられるシーンもたびたびあった。他のライダーと離れると「誰もいない、スリップにつけない!」と慌てる岡崎選手。何度も挑戦し、コツコツと賞金を貯めて行く。

「くやしい! でもちょっとずつ乗れるようになってきている感じがします。なんだかゲームに教育されている気分です」と岡崎選手。ライン取りや加減速の感じなど実車に近いものがあるので、飲み込みも早いことが伝わってくる。

何度もレースに参戦し賞金を貯めてようやく念願のCB600ホーネットをゲット。なおCB600ホーネットにした理由としては、ある程度大きな排気量で扱いやすい特性、販売価格も手ごろなことなど。それこそ現実世界と同じ理由だ!

CB600ホーネットを駆り、オートポリスのタイムアタックに再チャレンジ! 気合が入り過ぎてしまうこともあり、しばしばコースアウトなどのミスもあったが、最終的には2分17秒37をマーク。「やりこめばもっとタイムを縮めることができると思います」とやや悔しそうな岡崎選手だったが、実際のところRIDE5はライディングの練習にもなると太鼓判を捺してくれた。

ツーリング&レース
イン・ザ・ハウス!!

RIDE5は5次元的な入力や挙動をはじめ、排気音なども本当にリアルであり完成度の高いシミュレーターである。従来のRIDE4から新しいキャリアモードや多くのカスタマイズオプションが用意されるなどの改良が加えられているが、細かい仕様などはゲームメディアで確認してもらうとして、バイク専門メディアである本項の落としどころとしては、岡崎静夏選手にプレイしてもらうことで、“シミュレーションゲームビギナーでも楽しむことができる”、“現実に近い体験をすることができる”、“プレイすることで自身の成長を楽しめる”ことが立証できた。

サーキットだけでなく世界各国のワインディングロードを再現しているコースや、新旧様々な車両が用意されていることもあり、レース好きだけでなくバイク好きなら誰もが満足できる内容となっている。
ライディングスキルを磨くツールとして、また雨天やなかなかバイクを走らせる機会が無い時などの息抜きとしてゲットするのも良いのではないだろうか。

先だって開発製造元のPLAIONとMilestoneから『RIDE5』においての毎月追加される予定の車両やコースなど、2024年までに行われるアップデートのロードマップが発表された。マニアックなモデルも多数上がり、長く遊べる一本となっている。

RIDE5

発売日:2023年8月24日(木)
機種:
・ダウンロード版:PlayStation 5、Xbox Series X|S、Steam、Epic Store
・パッケージ版:PlayStation5

INFORMATION

1994年にオーストリア・ホーフェンとドイツ・ミュンヘンで設立、パッケージソフトやゲームの販売会社として『シェンムーIII』や『Maneater』といったタイトルを手掛けてたKoch Mediaが2022年8月4日に社名を「PLAION」に変更。日本法人も「PLAION JAPAN」となった。