確かな技術に裏付けられた安心・安全カスタム、バイクベースのトライク制作ならアドバンス(動画あり)

掲載日/2022年9月30日
取材協力/アドバンス
写真、取材、文/伊井覚
構成/バイクブロス・マガジンズ
埼玉県川越市の外れ、小さな町工場が軒を連ねる地域に居を構えるのは、有限会社アドバンス。バイクをベースにしたトライクを制作している、日本でも有数のカスタムプロショップだ。250ccモデルからハーレーのような大型バイクまで蓄積したノウハウを活かして丁寧に作業し、時にはワンオフでパーツを製作して対応してくれる。北海道から沖縄まで、日本全国から注文が入る人気店の秘密を探ってみた。

安全性を最優先した品選びと整備

アドバンスではバイクをトライク化するにあたって、2010年にヤマハの人気スクーターモデル・マジェスティ250に対応したトライクキットを開発した。試作とテストを繰り返し、開発には一年以上の時間を費やしたという。現在はその生産を海外の工場に委託し、量産。マジェスティ250のトライク化はもちろん、そのキットを追加工したり専用パーツを製作することで、フォルツァや、レブル250、ドラッグスター250など対応車種を増やしている。

また、大型モデルではオランダのEML社製トライクキットを輸入。ハーレーダビッドソンの人気モデル・スポーツスターを筆頭に、ダイナやソフテイル、国産モデルではNC750SやBOLT950などのトライクを制作してくれる。

アドバンス代表の比嘉氏は

「やはり一番人気はマジェスティ250ですね。ですが、生産終了してから7年が経ち、そろそろ程度の良い中古車両が無くなってきました。業者オークションで仕入れたものを分解整備していますが、ほとんどの場合は駆動系を新品に交換しますね。トライク化よりもその作業で時間がかかってしまい、春から秋のツーリングシーズンは毎年、ご注文いただいてから2ヶ月くらいお待ちいただくことになってしまいます。逆に冬季は作り置きできますので、気になっている方は早めにご注文いただければと思います。

新しいモデルだと程度の良い中古車両は多いのですが、10年ほど前に法改正があり、高年式のものはフロントブレーキを右足に移設して前後連動ブレーキにしなくてはいけなくなりました。そのため高年式スクーターのトライク化は少し時間がかかるのですが、弊社にはそのノウハウもありますので、安心してお任せください。また、レブル250のような新しいストリートモデルは程度の良い中古が多いですし、前後連動ブレーキ化も容易なため、比較的早期に納車が可能です。

トライクはバイクと違い、修理できるお店もあまり多くありません。弊社では他社製品にお乗りの方もできるだけサポートさせていただきたいと考えていますので、購入・乗り換えだけでなく、トライクで何かお困りの方はぜひ一度ご連絡ください」

と語る。個人取引で入手したり、購入したショップがなくなってしまったり、さまざまな事情で修理できないトライクをお持ちの方も多いのではないだろうか。確かな技術力を持っているアドバンスのようなショップがこのような姿勢でいてくれることは、とても心強い。



アドバンスでは自社工場での機械加工を得意としているだけでなく、近隣の工場とも親密にしており、難しいパーツを共同開発するような繋がりもある。マジェスティ250用のトライク化キット開発をはじめ、レブル250など他車種にも対応できるようになっていることが、アドバンスの技術力の高さを証明している。それでは次に、アドバンスが制作したトライクをいくつか紹介していこう。

ハーレーダビッドソン/スポーツスター

まずはこちら、お店の試乗車として置かれていたハーレーダビッドソンの人気車種スポーツスター。オランダのEML社製のトライクキットを使用している。インディペンデント方式(独立懸架)のため、左右のホイールが独立して上下し、路面の形状に追従してグリップしてくれる。

よく見ると、スタビライザーも備えている。コーナーでの安定感や乗り心地も良さそうだ。

バックギアやパーキングギアも設定されている。スタンドを架けなくても自立するトライクはパーキングに入れておかないと坂道駐車ができないので必須装備なのだ。

そしてやはりタンデムこそがトライクの醍醐味。パッセンジャーが快適なようにバックレストはマストと言えるだろう。

ヤマハ/マジェスティ250

そして一番人気のヤマハ、マジェスティ。トライクキットは左右のタイヤが一体となって動くホーシングタイプ。アドバンスオリジナルの専用フェンダーを車体と同色に塗装。アメリカのITP SSホイールにヨコハマタイヤを装備。純正マフラーが装着可能なように作られてるが、もちろんカスタムも可能だ。

カスタムスクーターといえばやっぱりエナメルシート。ピカピカな車体によく似合う。

そしてスピーカー。もちろん光らせることも可能だ。

ハンドル周りの配線も見事な仕上がり。

アメリカITP社製SS 14インチホイールにタイヤはヨコハマタイヤを装備。

アドバンスオリジナルのフェンダーキット。車体と同色になるように塗装されている。

ホンダ/レブル250

バイクとしても大ヒット車種であるレブルはトライク化においても人気車種。

マジェスティ用のトライク化キットを加工してレブルに適合させている。フェンダーキットも違和感なく装着。

発売年の関係でブレーキはフットブレーキの前後連動が義務化。右手のブレーキレバーは撤去されている。

パーキングブレーキはリアフェンダー下に装備。

バイクにもクルマにもないトライクならではの魅力

トライクは二輪免許が不要なことから、比較的高齢者からの注文が多いという。時間的、金銭的に余裕ができ「バイクに乗ってみたいけど、高齢になってから教習所に通うのはちょっと……」という話だ。また、不安定な二輪の操縦に自信がなくなってきたライダーがトライクに乗り換えるという選択も多いようだ。さらにアドバンスでは、ハンディキャップのある人からの相談にも対応している。一人一人の障害の状況に応じてカスタムを施し、その人だけの一台を作り上げてくれるというのだ。

10年以上にわたり、全国のトライクライダーをサポートし続けてきた比嘉氏に、トライクの魅力について伺ってみると……。

「僕は幼い頃からバイクとクルマが大好きで、ATVでレースに出たりもしていたのですが、トライクにはバイクにもクルマにもない全く新しい運転感覚があります。それでいて二輪免許が不要な点も、魅力の一つだと思います。また、街で乗っているとやっぱり注目されるので、それが好きな人もいますよね。

あと、トライクにはヘルメットの着用義務がないんですよ。これは確かにトライクの魅力の一つではあるのですが、弊社では基本的にヘルメットの装着を推奨しています。例えばちょっとコンビニまで、くらいなら良いかも知れませんが、ちゃんとツーリングする時は必ず着用して欲しいです。確かにトライクは転倒はしませんが、運転中は何が飛んでくるかわかりませんし、絶対的に危ないですからね。ヘルメットを装着しないで事故が増えてしまえば、規制が入ってせっかくの自由が失われてしまうかもしれません」

とのこと。バイクよりも安全で、クルマよりも趣味性がある。そんなトライクと共に過ごすライフスタイルには、ライダーの安全と安心を第一に考えてくれるアドバンスのサポートが欠かせないのではないだろうか。

アドバンスのトライクを動画で見る

SHOP INFORMATION

住所/埼玉県川越市下広谷959-2
電話/049-298-7355
営業/10:00〜18:00
定休/毎週水曜日・年末年始