一昔前に比べ、バイクのボディコーティングはすっかり一般的なものになった。その歴然とした効果を一度味わってしまったがゆえに、所有するバイクすべてにガラスコーティングを行っているというオーナーも多い。ところで、ガラスコーティング以外にもセラミックコーティングというものがあることをご存じだろうか。ガラスコーティングに比べ強度が高く、表面の滑らかさも上、そんなセラミックコーティングをいち早くバイクへと取り入れたのが、兵庫県西宮市のショップ『Decus Sole(デクスソーレ)』だ。
セラミックコーティングが、どんなものか知らない方も多いだろう。デクスソーレの代表を務める横川祐造さんに、セラミックコーティングの特徴を伺ってみた。
「我々が使用するセラミックコーティング剤は『セラミックプロ』というブランドのもので、世界70カ国以上で施工されているインターナショナルなカーディテイリングブランドです。大きな特徴となっているのは、何層にも塗り重ねることで最高9H(JIS規格で定められた硬度の単位)の硬度を持たせられる点と、摩擦係数を極限まで軽減できるということです。そのためスノーボードやジェットスキーの底面などに使われています。私自身、初めてセラミックコーティングが施工された車両を見た際に、その輝きが通常のガラスコーティング以上のものであることに驚かされ、自らサービスを行うことにしたのです」
デクスソーレではセラミックプロの代理店「セラミックプロ神戸」としての一面も持っているのだ。
ガラスコーティングの多くが1層施工なのに対し、セラミックコーティングでは4層の塗り重ねが推奨されており、その分表面を硬くすることができるのである。ガラスコーティング施工後の車両は何度も見たことがあるが、セラミックコーティングは見ただけでも、さらに上を行く艶やかさが伝わってくる。さらに施工面に触れてみると、指先でその平滑度を感じることができる。
ガラスコーティング、セラミックコーティング両者に共通して言えるメリットとしては、施工個所の表面摩擦係数が少ないために、そもそも汚れが付きにくく、簡単な水洗い洗車を行うだけでも、驚くほど汚れが落ち、艶を取り戻すことができるということだ。セラミックコーティングの場合は、さらに艶に深みが出るという部分が利点となってくる。そのためデクスソーレでは新車納車前の施工依頼も多く、車両を手にしたその日から最高の輝きを維持することを希望するユーザーの多さがうかがえる。
精密な温度や湿度管理が求められ、硬化までにかかる時間がかなり短いことなどから高い施工技術が必要なため、全国でもセラミックコーティングをバイクに行っているショップは数店のみとのこと。デクスソーレではガラスコーティングとセラミックコーティングどちらも行っており、クオリティ・コストなどユーザーの要望に合わせてよりより選択のアドバイスもしている。なお、4層に塗り重ねるという施工の手間とコーティング剤コストの面から、おおよそスポーツネイキッド1台あたり、ガラスコーティングで4万4000円から、セラミックコーティングは8万8000円からという料金設定となっている。
愛車を大切にする。美しい輝きを手に入れる。メンテナンスを楽にする。あらゆるメリットがあるバイクコーティング。あなたはガラス? セラミック? どちらのコーティングを選ぶ?