
キャンペーンの対象車種は2022年式のエンデューロモデル、クロスカントリーモデル、モトクロスモデル。
それぞれの競技の違いを説明しておくと、エンデューロとはグラストラックやウッズなど自然の地形を生かした競技で、多くの場合はオンタイムルール(スタート時間をズラして数台ずつコースに入り、一周の間にテストとルートがあり、テスト区間の走行タイムを計測し、その合計で速さを競う)を採用している。海外ではISDEやEnduroGPが有名で、主にヨーロッパで行われている。
テスト内には丸太やタイヤなどの障害物が置かれていたり、ルートの中には難しいロックセクションやキャンバーなどもあるため、エンジン特性は低回転がマイルドかつ扱いやすく作られている。また、障害物を越えやすくするためリアタイヤには18インチを採用。モトクロスのような大ジャンプがないこと、レース前後にはパルクフェルメと呼ばれる車両保管場所に停車するルールがあることなどからサイドスタンドを装備している。さらにレース中に前走車からの飛び石や、木の枝などに当たることがあるため、ハンドガードを標準装備している。時にコースの一部に公道を使用することがあるため、マシンにはヘッドライトや速度計などが付属している。なお、KTMのEXCシリーズは伝統的にリアショックにリンクレス構造を採用している。
KTM 350EXC-F Six-Days 2022
KTMのエンデューロモデルは4ストロークのEXC-Fと2ストロークのEXCに大きく分類される。
4ストロークモデルのEXC-Fは500cc、350cc、250ccの3モデルがラインナップされ、それぞれにヨーロッパの伝説的レースSIX DAYSの名を冠し、最初からKTMパワーパーツを装着したモデルも存在している。
KTM 250EXC TPI 2022
EXCに限らず、KTMの2ストロークモデルは2018年からTPIと呼ばれるFI(フューエル・インジェクション)化された。これは排気ガス規制に対応し、2ストロークモデルを継続販売するための手段だったのだが、副産物的に燃費が大幅に向上。さらにFI化の大きなメリットとして、標高の高い山などに登って空気中の酸素濃度が変わっても燃調を自動で行ってくれるため、セッティングを気にする必要がない。
なお、EXCには300cc、250cc、150ccの3種類がラインナップされている。EXC、EXC-Fともにキャンペーンの対象となっているのは昨年発売された2022モデル。しかし2023年モデルは主に外見のみの変更に留まっているため、性能は最新モデルと同等と言ってよいだろう。
次にクロスカントリーとは、主にオフシーズンのゲレンデを使ったレースで、100台以上が一斉にヨーイドンで2〜3時間走り続け、最も多く周回したライダーが優勝、というもの。日本ではJNCCやWEXといった全日本規模のレースが存在し、海外ではアメリカでJNCCのルーツであるGNCCが開催されている。シンプルでわかりやすいルールのため、草レースではこのクロスカントリーを「エンデューロ」と呼称することがある。
使うコースによっても違うが、多くの場合はエンデューロよりもハイスピードなコース設定になることが多く、エンジンもそれに向けてパワフルかつ高回転型にセッティングされている。
また、完全にクローズドな環境で開催されるため、ヘッドライトや速度計などが不要となり、エンデューロモデルよりも軽量化されている。例えば250EXC-Fが103kgに対し250XC-Fは100kgとなっている(2022年モデルで比較)。リアタイヤサイズの18インチ、サイドスタンド装備はエンデューロモデルと同様。ハンドガードも標準装備しており、EXCと違いリアショックはリンク付きだ。
KTM 250XC-F 2022
こちらもやはり4ストロークの450XC-F、350XC-F、250XC-F、2ストロークの300XC TPI、250XC TPIがあり、好みに合わせて好きな排気量を選ぶことができる。日本ではJNCCの最高峰クラスCOMP-AAクラスで排気量別のクラス分けがあるが、それ以外の多くの場合は排気量混走でレースが行われる。
KTM 450SX-F 2022
最後にモトクロスは人工的に作られた土のコースを10分〜30分程度の短い時間で競うスピード競技だ。コース内にはコーナー、ジャンプ、フープス(波状路のような凸凹状のストレート)など人工セクションが用意されている。日本では全日本モトクロス選手権、ヨーロッパではMXGP、アメリカではAMA SX/MXなど、全世界的に大規模な大会が開催されている。
障害物がないためリアタイヤには19インチが採用され、少しでも軽量化するためにレース中は不要となるサイドスタンドも装備していない。基本的にコース中には石や木の枝などがないため、ハンドガードも装備していない。横一列の一斉スタートのため、スタートで前に出るための瞬発力と、大きなジャンプにも耐える足回りが必要になる。レースに勝つことだけを追求した、純粋なるバトルマシンが、このモトクロスモデルなのだ。
KTM SX-E 5 2022
モトクロスモデルには4ストロークの450SX-F、250SX-F。2ストロークの125SX、85SX、65SX、さらに50ccモデルに相当する電動モーター搭載のSX-E 5と豊富なラインナップが揃っている。
ここまでエンデューロモデル、クロスカントリーモデル、モトクロスモデルの説明をしてきたが、全日本モトクロスのようにレギュレーションで定められていない限りは、どのモデルでどの競技に出場するのも自由で、例えばモトクロスモデルでエンデューロに出場することも可能となっている。
キャンペーンは2022年7月9日から2022年9月30日まで。この期間中に対象モデルの新車を成約し、2022年10月14日までに納車されることが条件となっている。今回の対象車種は2022年式のEXC/EXC-F、SX/SX-F、XC/XC-F。特典は金利0%か、オプションプレゼントから選ぶことができる。金利0%はクレジット金利が文字通り0%で利用できるというもので、支払い期間は最長60回まで選ぶことができる。
また、オプションプレゼントはKTM純正オプションのパワーパーツやパワーウエアをもらうことができ、EXC/EXC-Fは10万円分、SX/SX-Fは7万円分、XC/XC-Fは5万円分となっている。マフラーやシート、ガード類といったカスタムパーツから、ライディングウエア、グッズまで様々なアイテムが揃っているので、何をもらうかは店頭でカタログを眺め、じっくり検討してみてはいかがだろうか。