“よりお客様の近くに寄り添えるお店に”オシャレだけど不思議と居心地の良いバイクショップ「モトクラシック」オープン

掲載日/2021年1月7日
取材協力/モトクラシック
写真、取材、文/伊井覚
構成/バイクブロス・マガジンズ
2021年12月18-19日、新潟県新潟市はこの冬一番の寒波に襲われた。至る所に雪が積もり、道路は凍結。とてもバイクに乗れるような天気ではなかった。だが、そんな日に晴れのオープンを迎えたバイクショップがある。ロイヤルエンフィールドとMUTT MOTORCYCLESを取り扱うモトクラシックだ。そのオープニングイベントの様子をお届けしながら、このモトクラシックの魅力に迫ってみようと思う。

「お客さんに来てもらうのではなく、お客さんの近くに行く」
バイクのあるライフスタイルを提案できるお店

モトクラシックの仕掛け人である金子潔さんが目指すのは「オシャレにバイクに乗るための提案ができる店」。例えば都会で服を買うときには、セレクトショップに行けばそこで売ってる服に似合うバッグや靴なんかも一緒に買うことができる。それと同じように、モトクラシックに行けばクラシックなカッコいいバイクが売っていて、そこでヘルメットやアパレルなど、クラシックバイクに似合う装備も買うことができる、そんなお店を目指しているという。

そんなコンセプトなので、店内のショーアップには特に気を遣っている。本格的な冬シーズン前のオープンに間に合わせるため、取材時は少し工事中なところもあったが、至る所に創意工夫が凝らされており、展示してあるバイクをより美しく見せてくれる。店内のデザインは基本的に金子さんが手がけているという。

実際に店舗を任されているのはサービスとメカニックをどちらもこなす本間康裕さんだ。「2年ほど前に新発田市にバイクショップしばたをオープンしたのですが、やはり多くのお客様が新潟市内から通ってくださっていて、お客様に来てもらうのではなく、お店がお客様の近くに行こう、と新潟市内への出店を決めました。営業時間も19時までにしましたので、休日だけじゃなくて、平日でも仕事帰りにふらりと寄れる、お客様と精神的にも物理的にも近い距離感を持ちたいな、と思っています。モトクラシックという店名はスタッフみんなで案をたくさん出した中から選びました。誰にでもイメージが伝わりやすく、お店の雰囲気にも合った名前になったのではないでしょうか。

今日のオープニングイベントには間に合わなかったんですけど、今後はもっとアパレル関係を充実させていきたいです。ロイヤルエンフィールドやMUTT MOTORCYCLESの純正アパレルはもちろん、DINマーケットさんが扱うヘルメットやグローブなど、当社の扱うバイクに似合うライディングギアの提案ができればいいなと思っています。ロイヤルエンフィールドはどうしても若い方の知名度が低いので、アパレルと組み合わせることで若い人のライフスタイルに組み込んで楽しんでもらえたら嬉しいです」

待望のメテオ350
普通免許で乗れるロイヤルエンフィールド

いよいよ全国的にリリースが始まっているメテオ350。本国でも2020年に登場した新車種で、エンジンはOHC単気筒350cc、普通自動二輪免許で乗れるロイヤルエンフィールドとして大きな注目を集めている。このモトクラシックのオープニングイベントの目玉企画として、メテオ350の試乗会が予定されていた。しかし残念ながらイベント当日は大雪のため、試乗会は中止を余儀なくされてしまった。それでも実車をこの目で見たい、あわよくばエンジン音を聞いてみたい、と多くのロイヤルエンフィールドファンがお店に足を運び、イベントは盛況。

東京のショールームから運び込まれたメテオ350の試乗車は、跨ってエンジンをかけ、実際に乗ったところをイメージすることができた。

メテオ350には3つのモデルがラインナップされている。ベーシックモデルのファイヤーボールは単色のタンクを搭載したシンプルなもの。そしてステラーはマフラーがメッキ仕上げになり、リアシートにはバックレストを装備。そしてスーパーノヴァではバックレストの他にスクリーンを追加。タンクはツートンカラーになっている。

見た目はしっかりクラシックながら、細部をみていくと、そのクオリティの高さに驚かされる。モトクラシックでは取り入れる自然光とスポットライトが巧みに考えられ、美しいバイクをさらに美しく見せてくれる展示がなされている。

「メテオは普通二輪免許で乗れるのに、今までの500ccモデルと車格があまり変わらないので、所有感がありますよね。それと650ccツインにしてもメテオにしても、近年のロイヤルエンフィールドはすごくクオリティが上がっています。年配の方の中にはもしかするとロイヤルエンフィールドに壊れやすいイメージを持っている人もいるかもしれないのですが、跨ってエンジンをかけた瞬間に、安心してもらえると思います。エンジンの設計が新しいのは当たり前なのですが、コンピューター制御も新しくなっていて、エンジンが温まる前からアイドリングも安定していますし、国産の最新バイクと比べても遜色のないエンジンになっています。また、細かいところだと、旧モデルにはついていなかった光軸調整機構が付いていたり、プラスネジを使っていたマフラーの遮熱板とかが六角ネジに変わっていたりして、工業製品としてすごく進化しているんです。メテオは右のサイドカバーを開けるとリレーやバッテリーなどの電装関係が集約されていて、メンテナンス性も上がっていることがわかります」と本間さん。

もちろん650ccツインの人気モデル、コンチネンタルGTやINT650も複数台が展示。

オープンに寄せられた祝花が飾られたショールームにはヒマラヤの姿も。

イギリスのカスタムビルダーが手がける
MUTT Motorcycles


モトクラシックが扱うもう一つのブランドが、MUTT MOTORCYCLESだ。生まれはロイヤルエンフィールドと同じイギリス。125ccや250ccの空冷単気筒エンジンを使った、シンプルながら様々なスタイリングのモデルを多数ラインナップしている。ロイヤルエンフィールドとMUTT MOTORCYCLESはどちらもクラシックなスタイルのモデルが多いことから「モトクラシック」という屋号は決められたという。

こちらはRS-13 250 BLACK & SILVER。その名の通り、ブラックとシルバーに塗られたスチール製のタンクに、極太ブロックタイヤを装備、幅広のハンドルバーや網目状のヘッドライトガードと相まってクラシックな印象を与える。こちらは2階の商談ルームに展示されていたが、窓から差し込む雪あかりが神々しいほどバイクを引き立ててくれていた。

もう一車種紹介しよう。こちらはRAZORBACK125 BLACK。漆黒の車体は極めてシンプル。余計なものは全て削ぎ落とし、軽量化を追求している。他モデルと大きく異なるのは新型のモノショックフレーム。クラシックモデルに一般的なツインショックを廃し、あえてモノショックとし、リアフェンダー下のスペースを広く取っている。シート高は880mmと少し高めでオフロードテイストな乗り味が体感できる。

「MUTTのバイクはとても乗りやすいんです。だからこそ初心者の方にも安心してオススメできます。また、新車のバイクでこういったスタイリングのバイクはあまり出てないですし、人と違うバイクに乗りたいという人にもよく選んでもらっています」と本間さん。

モトクラシックのゆる〜い雰囲気が心地よい
オープニングイベント

オープニングイベントでは集まってくれたお客さんに楽しんでもらおうと企画されたスロットカートーナメントを開催。


レールに沿って走るマシンをコースアウトしないように速く走らせるだけのシンプルなおもちゃだが、勝負となると本気で楽しむのがバイク乗り。

なんと初来店の女性ライダーあきさんが決勝まで残り、見事優勝。

上位3名には嬉しい景品がプレゼントされ、ささやかな表彰式まで開催された。あきさんは現在W800に乗っているが、少し排気量が大きく、取り回しに苦労するため、もう少し排気量の小さいバイクへの乗り換えを検討していて、このモトクラシックにたどり着いたのだという。

「海外で発表されたロイヤルエンフィールドのクラシック350が気になっていて、まだ日本では発表されていないんですけど、他のバイクとか、アパレルも見てみたくてオープニングイベントに来てみたんです。すごくオシャレな店内だし、スタッフさんも常連さんもとてもフレンドリーで、スロットカーを一緒にやったことで一気に仲良くなれました。とても居心地が良くて、ここに住みたいくらいです」とのこと。

また、幼い頃から特撮モノが大好きだったという女性スタッフ高橋さんの発案でヒーローショーも開催。集まったお客さんやスタッフと仲良く記念撮影が行われた。もちろんご家族連れも多く来店され、子供たちも憧れのヒーローと触れ合うことができ、目をキラキラさせていた。
スロットカーもヒーローショーも直接バイクに関係なくても、大人が夢中になって楽しむことができる点ではバイクと同じ。そんな柔軟な発想で楽しみを提案でき、居心地の良い雰囲気作りができているのも、モトクラシックの大きな魅力と言えるのではないだろうか。

スタッフ用の作業ツナギもお揃いで作られている。Dickiesの既製品にロゴをプリントしたシンプルなものだが、仲間意識の強さを感じることができる。

オープニングイベント時には一つの棚に収まっていたアパレル類。ロイヤルエンフィールドやMUTT MOTORCYCLESのアパレルがこれだけ揃っているお店は、なかなかない。

ハーレーダビッドソンなど、アパレルを併売するブランドと同様、トルソーを使ったコーディネートの提案もされている。

アパレルだけでなくグッズも揃えている。こちらはロイヤルエンフィールドの飲料ボトル。

SHOP INFORMATION

住所/新潟県新潟市東区竹尾4-1-28
電話/025-256-8191
営業/10:00〜19:00
定休日/毎週木・金