MOTULからの新提案! 新スタンダードグレードの追加とSSTRとのパートナーシップ‼

掲載日/2021年11月19日
取材協力/MOTULSSTR
写真、取材、文/小松男
構成/バイクブロス・マガジンズ
プレミアムオイルブランドとして幅広く知れ渡っている『MOTUL(モチュール)』。2輪、4輪問わずモータースポーツシーンで活躍をし、培ってきたテクノロジーをいかんなく発揮し、スポーツモデルユーザーを中心に愛されてきた。この度そのMOTULから、日本においてのバイクライフを視野に入れて専用開発されたスタンダードオイル『EXFREED(エクスフリード)』が新発売された。それと合わせて、全国のライダーから多大な支持を受けるツーリングラリーのイベント『SSTR(サンライズ・サンセット・ツーリング・ラリー)』のパートナーにも名乗りを上げたのだ。
MOTULとSSTR、一見あまり接点がなさそうに思えるが、実はそこには深い絆があるのだった。今回はそのSSTRの発起人であり、世界的にも名を馳せるバイク冒険家、風間深志さんにMOTULとSSTRの結びつきについて話を伺うことにした。

1982年、世界最高峰ラリーレイドイベントであるパリ・ダカールラリーの二輪部門に、日本人として初めて参戦した風間深志さん。当時からフランスのMOTUL本社と繋がりがあったと話す。


能登千里浜レストハウス内に設けられたSSTRカフェには、1982年に風間さんがパリ・ダカールラリーに参戦したスズキ・DR500の実車が展示されている。よく見るとタンクやフロントフォークにMOTULのデカールが貼られていることが分かる。

『SSTR』をはじめたきっかけ
それはもっとバイクに乗ってもらいたいと思ったから

来年で10周年を迎えるSSTR。ルールは簡単で、日本全国どの場所でも良いので、太平洋側で朝日を望み、石川県にある千里浜なぎさドライブウェイに用意されたゴール地で日没を迎えるというものであり、サンライズ・サンセット・ツーリング・ラリーの頭文字を取ったイベント名となっている。これまで、何万人ものライダーが参加し、何万台ものバイクが、千里浜なぎさドライブウェイのゴールゲートを通過した。そもそも、このSSTRをなぜ開催することになったのかを、風間さんに伺ってみた。

「長年バイクに携わってきたこともあって、周囲にはライダーが多いのです。中には4~50年バイクに乗ってきたベテランもいるのですが、ある時彼らの話に耳を傾けると、あまりバイクに乗っていないことが分かったのです。例えば温泉や食事をしに行くようなツーリングには出かけているようなのですが、それにしても距離は100キロや200キロなど微々たるもの。はっきり言ってしまうと、観光地に行くための手段とするような使い方をするのであれば、クルマで十分だと思っています。

バイクというのは本来そうではなく、体一つを風にさらし、季節の中、生活の中、そして自然の中を走らせることを楽しみ、今を生きていることを実感することができる素晴らしい乗り物です。私がそう考えていることを、どのように幅広いライダーに伝え、体感してもらうかということを考えた結果、「SSTR」というイベントになったのです。朝日や夕日を見ることは、私たちが地球という場所に生き、生命の源の営みというものを感じられるものだと思います。私自身、パリ・ダカールラリーをはじめ、冒険にチャレンジしている時も、日常生活でも、毎朝の朝日を迎え、夕に再び夕陽を見ることは実に心が洗われることなんです」

来年で10周年を迎えるSSTR。全国で唯一砂浜を走れるこの道は、当時のパリ・ダカールラリーのゴール地であったセネガル・ダカールのビーチロードを連想させるものだという。SSTRに参加する一人ひとりすべてが主役であり、このイベントを楽しんで欲しい、と風間さんは話す。

MOTULはパリ・ダカールラリーでもスポンサーを務める

今回SSTRのパートナーにMOTULが加わったが、そもそもMOTULというブランド、そして製品について、風間さんはどのようにお考えなのだろうか。これまでの経験を元に、MOTULに対して、どのようなイメージを持たれているかを伺った。

「私がはじめてパリ・ダカールラリーに挑戦した1982年にフランスにあるMOTUL本社に訪れたことがあります。そもそもMOTULはパリ・ダカールラリーのスポンサーだったこともあるのですが、パリの郊外にあるその本社は、とても歴史を感じさせるものだったことを今でも覚えています。実際にラリー中に自身でMOTULのオイル交換もするのですが、厳しい環境下においても優れた性能を誇るオイルだと感じていました。

MOTULと聞くとモータースポーツを連想される方もいるかもしれませんが、実際のところはユーザーと近い存在であり、品質の良い高性能オイルはバイクライフをさらに豊かにしてくれるものだと思います。例えばこのSSTRは北海道から沖縄まで参加者がいるのですが、少なくとも500km、多くは1000km以上の距離をこのイベントを通して走ることになります。つまり相応のメンテナンスが必要となってくるのです。出走前、出走後のどちらか、あるいは両方かもしれませんが、オイル管理も重要なポイントとなります。そのような中、MOTULとSSTRがパートナーとなり、参加者をサポートするということには大変なメリットがあると考えています」


風間深志さんを父に持ち、現在は俳優として活躍中の風間晋之介さん。晋之介さんが近年ダカールラリーに挑戦し、完走を果たしていることからも、MOTULとの繋がりはある。SSTRでは主催者の一人として重責を担っている。

風間深志さんと風間晋之介さんの話から、SSTRを通じて、全国のライダーに“今を生きていること”を感じてもらいたい。そんな想いがとても伝わってきた。コロナ禍ということもあり、昨年、今年とイレギュラーな開催方法となったが、来年はSSTR10周年記念としてスペシャルイベントを企画しているそうなので、今から期待して待とう。

SSTRのゴールラインには様々なパートナーブランドのブースが並ぶ中、巨大なモーターホームを置くMOTULはひときわ目を惹きよせていた。風間深志さんも「あのくらいのクルマが入ってくると様になるねぇ」と感心する場面も。

MOTULの新製品、「EXFREED」とは⁉

ハイグレードオイルに位置する『300V』のモータースポーツシーンにおける活躍に端を発し、プレミアムオイルブランドとして高い実績が周知されてきたMOTUL。そのMOTULが日本のバイクユーザーの声をフィードバックし、独自開発した最新オイル、それが「EXFREED(エクスフリード)」だ。レスポンスや出力向上、始動性、シフトフィール、そして耐熱性など、ツーリングや日常使いを楽しむライダーの要求に応じた性能を落とし込んだオイルである。

そもそもストリートユースはサーキットとは異なるステージではあるものの、真夏の灼熱、冬場の極寒、幅広いシチュエーションでの使い方を考えると、サーキットと同等かそれ以上にシビアなコンディションだと言えるだろう。そこにMOTULがこれまで培ってきたテクノロジーをふんだんに用いて生み出したオイルなのだ。特に小中排気量モデルで使用し、その性能を味わってほしいというEXFREED。価格も抑えられたスタンダードプレミアムオイルであるので、次のオイル交換時、テストしてみてはいかがだろうか。

大排気量スポーツモデルユーザーを中心に絶大な支持を受けている300Vをはじめ、数々のプレミアムオイルをラインナップするMOTUL。EXFREEDは日本専用に開発されており、幅広いバイクに対応するスタンダードオイルとして登場した。


日本全国から千里浜なぎさドライブウェイのゴールを目指してきたSSTRライダーたち。ゴールした後に用意された洗車スペースでは、MOTULのケミカル用品を使えるコーナーも設けられていた。長距離を走破してきたバイクについた汚れが簡単に落ちるので、使用したライダーたちはみんな驚き、喜んでいた。

INFORMATION

1853年生まれと長い歴史を持つ潤滑油・カーメンテナンスケミカルメーカー。現在はフランスに本社を持ち、さまざまなモータースポーツにもサポートを行っている。日本では主に二輪用の高品質エンジンオイルが高く評価されている。