話題のメテオ350フルラインナップが勢揃い、ロイヤルエンフィールド&MUTT Motorcyclesの神戸ショールームがグランドオープン!(動画あり)

掲載日/2021年11月15日
取材協力/ROYAL ENFIELD神戸・MUTT神戸 produced by Chops
写真、取材、文/伊井覚
構成/バイクブロス・マガジンズ
西日本最大級のロイヤルエンフィールド&MUTT Motorcyclesショールームが、Chops神戸に誕生。2021年10月31日にはそのグランドオープニングイベントが開催された。当日はChopsグループの常連や得意客が招待され、トークショーイベントや試乗を楽しんだ。そして今回の目玉とも言えるのが、ロイヤルエンフィールドの注目新車種、メテオ350のお披露目だ。

海外のディーラーをイメージして作り込まれたショールーム

全体的にシックな雰囲気に作り込まれた店内は、ロイヤルエンフィールドが大きなシェアを持つ外国のショップ作りを参考にし、壁の色や照明の明るさなど、ロイヤルエンフィールドとMUTT Motorcyclesの輸入元であるPCIと綿密な打ち合わせを繰り返して作成されている。Chops神戸店長の小寺さんは「イギリス生まれのロイヤルエンフィールドの、120年の歴史や世界観がしっかり体感できる、素晴らしいショールームになったと思います」とコメント。

MUTT Motorcyclesの在庫も豊富に展示されており、展示方法の工夫も面白い。まるで高級デパートの中のアパレルショップにでも飾られているかのようだ。

さらにこのショールームではバイクだけでなく、アパレルやグッズなどの展示販売も行われている。

Chopsグループ代表取締役である吉良洋平氏は「このショールームを通じてより多くのお客様に、世界のオートバイマーケットで近年急速な成長を続けておりますロイヤルエンフィールドを知っていただき、日本のオートバイマーケットにおける成長の一翼を担っていきたいと考えています」と挨拶を行った。

トークショーの話題は当然、メテオ中心に

イベントは少数の限られた招待客に対し、午前・午後の2グループに分けて開催されたことで、感染対策も考えられていた。それぞれのグループでスペシャルゲストとして元GPライダーのモーターサイクルジャーナリスト根本健氏を招き、トークショーが行われた。

トークショーで根本氏は自身がメテオ350に試乗した印象をこう語った。
「メテオの歴史は実は古くて、1952年くらいにすでにあったんです。エンジンだけならもっと以前からベースがあって、日本車ではなかなかできない単気筒のトルクを引き出す技術があります。見た目は今風のエンジンに見えますが、実はシリンダーの高さがすごく高くて、まるで500ccくらいのエンジンに見えます。それにはちゃんと理由があって、フライホイールマスというエンジンが回る上でとても大事な要素がありますが、このエンジンはそのフライホイールが大きいんですね。現在はこれをどんどん小さくして軽量化や軽やかな回転の上昇を優先するのが一般的なのですが、ロイヤルエンフィールドは昔のまま。その重いフライホイールを回す力がトルクになるんです。その力強さが、メテオ350の一番の魅力。これが本来皆さんが街中で使う2000回転から4000回転くらいをすごく面白くしてくれています。それでいてもちろん高回転もちゃんと回ります。

それとインド生産と聞くとどうしても『大丈夫かな?』と思う人がいると思うんですけど、現在はどこのメーカーもタイやインドなどアジアに工場を置いていて、言うなればそこが国際基準になっています。インドは日本と同じようにバイクを日常の足に使う文化が育っていますので、本当はスクーターを作った方がビジネスになるんですが、ロイヤルエンフィールドはスクーターを作らず、スポーツバイクしか作っていません。アメリカでいうハーレーみたいなメーカーで、それでいて生産台数はハーレーよりもずっと多い。そんな大きいマーケットでやっているメーカーのクオリティが、低いはずがないんです。

また、ロイヤルエンフィールドの故郷であるイギリス人の考え方をしっかりと受け継いでいるのも大きいです。イギリス人のオートバイ感というものを、実際に乗ってみるとすごく感じます。僕はコーナーを曲がるのが大好きな人間なんですが、メテオ350はリアタイヤの接地点がお尻にちゃんと繋がっているんです。大きなアクションをしなくてもちょっと傾けるだけでちゃんと曲がってくれる。イギリスのオートバイはそこが素晴らしいんです」

トークショーの相手役として登場していたのはロイヤルエンフィールドの輸入元PCIで二輪部門の部長を務める天野氏。

会場に設置された大型モニターでは常にロイヤルエンフィールドのプロモーションビデオが流されていて、イベント内ではメテオ350のビデオも披露された。

メテオ350は全7モデル
その違いや選び方は?

さて、そのメテオ350である。記念すべき初期モデルは3グレード(全7色)に分かれている。

まずはこちら、スクリーンとバックレストを装備したグレードがSUPERNOVA。タンクがセパレートカラーになっているのが特徴で、ブルーとブラウンの2色展開だ。タンデムツーリングや高速道路を使ったロングツーリングも楽しみたい人にオススメなグレードとなっている。

大型スクリーンはヘッドライトの周りを囲むようにカバーしており、走行中に上半身に当たる風を防いでくれる。

エンジンは空冷単気筒、4ストロークSOHC2バルブ。排気量は349cc。最高出力は20.2PS。最大トルクは2.75kgf・m。

シートはセパレート式で、タンデム時にパッセンジャーに負担がかからないバックレストが標準装備されている。

フロントタイヤのサイズは100/90-19。リアタイヤは140/70-17。もちろん前後ディスクブレーキを採用している。

SUPERNOVAとSTELLARのグレードではマフラーはクロームメッキ加工されている。

至ってシンプルなメーター類。速度計の隣にはTRIPPERナビゲーションがあり、スマホのGoogleMapアプリと連携することで目的地へとナビゲートしてくれる。スマートフォンをハンドルマウントしなくてもいいので、美しいバイクを美しいまま乗ることができるのだ。

シフトペダルはシーソー式で、踵を踏むことでシフトアップが可能なため、靴の爪先部へのダメージがないのも嬉しい。

フロントフォークはクラシカルなスタイルに似合う正立フォークを採用。

フレームの溶接部分の美しさにも注目したい。

そしてこちらがSTELLARグレード。タンクの塗装は単色となりレッド、ブルー、ブラックの3色展開で、ブラックはつや消しのマットブラックだ。バックレストは標準装備だが、スクリーンは装着していない。こちらは街乗りや近距離ツーリングメインで、タンデムも視野に入れている人向け。

つや消しマットブラックのタンクに映り込むショールームの光の美しさは、筆舌に尽くし難い。

そして最後にFIREBALL。こちらはイエロー、レッドの2色展開で、スクリーンもバックレストもないシンプルなスタイル。

タンクのロゴマークはSUPERNOVA、STELLARと異なっている。

3つのグレードは目的や用途によっても選ぶ目安になるが、スクリーンやバックレストはオプションで後付けも可能なため、基本的にはカラーや見た目の印象で、気に入った個体を選ぶのが良いだろう。

試乗したライダーの感想は?

ショールーム内でのトークショー時間以外では、実際に店頭に並べられたオートバイを前にChopsスタッフがお客様を相手に説明を行う場面がたくさん。常に笑顔で丁寧な説明なのは当然だが、お客様の正面に立たず斜め45度のポジション取りなども徹底されており、接客のプロとしての意識の高さを感じる。

あらかじめ試乗を申し込んでいた人はメテオ350を含む気になるモデルに試乗することができた。スタッフが先導を行い、お店の周囲を軽く走り、実際にバイクの良さを体感してもらおうというものだ。そのうち、メテオ350に試乗した2名のライダーに感想を伺ってみた!

現在はHondaのGB350に乗っているというK・Hさん
「GBに比べると、音だけでなく体に響くような鼓動感がすごく伝わってきて、低速域でもとても楽しく乗れました。350ccにしてはそこそこ引っ張ってもちゃんとついてきて、パワーも申し分ないと感じました。コンパクトな車体で取り回しも楽ですし、見た目も抜群にかっこいいですよね」

試乗直後のこの笑顔が、とても充実した試乗時間だったことを雄弁に語ってくれている。

こちらは現在MUTT MotorcyclesのMASTIFF250に乗っているというFUKUNAさん。
「免許を取って初めてのバイクがMASTIFFで、見た目がすごく気に入って一目惚れだったのですが、最近ちょっと浮気心が芽生えてきて(笑)。メテオ350はやっぱりパワーが全然違いますね。僕は体力に自信がないので軽いバイクがいいんですが、重さも気になりませんでした。こういうスタイルのオートバイって大型バイクが多いので、普通自動二輪免許で乗れるMUTTやメテオは本当にありがたいです」

また、実はこの日に契約したバイクが納車になるという幸運なライダーも。

寺山航平さんは初めて新車で購入するというコンチネンタルGTを前に根本氏から花束や記念品を授与された。

Chops神戸店の店長・小寺さんからバイクの細かい説明を受ける寺山さん。
「今SRに乗っているんですが、セパハンのシングルシートにカスタムしていて、スタイルは気に入っているんですが、けっこう前傾がキツくて長距離走るのは大変なんです。そこで長距離走る用にもう少し排気量の大きいクラシックスタイルのバイクを探していたところ、こちらのお店を見つけたんです。コンチネンタルGTは最初からセパハンになっているのですが、僕のSRほど前傾もキツくなくて、ほとんど一目惚れで、試乗もしないで購入を決めました」

日本ではまだ「よく知らないけど外国の古いバイク」という印象を持たれがちなロイヤルエンフィールドだが、2021年1月の東京ショールームオープンに続き、西日本でもこのショールームをオープンし、さらに新車種の発売と、大きな躍進の時代を迎えようとしている。同じPCIが取り扱うMUTT Motorcyclesと共に、近い将来、日本のモーターサイクル業界の中で、「なくてはならない唯一無二のメーカー」へと成長してくことだろう。

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