ホンダドリーム酒田が取り組んでいるSDGsとは、2015年9月に国連サミットで採択された、国連加盟193カ国が2030年までに達成を目指す持続可能な開発目標のこと。全部で17のゴールと169のターゲットが設定されているのだが、ホンダドリーム酒田ではその中で特に4つのゴールに力を入れている。
まず「健康と福祉」そして「パートナーシップ」だ。具体的な活動としては、地域交通安全活動推進協議会を通じて山形県警と連携し、交通安全講習会を開催。急制動やスラロームなど、運転技術の向上はもちろん、教習所で学んだことを復習する機会を作ることで交通安全に対する意識を強く持ってもらうことで、事故の減少に繋がっている。さらにヘルメットだけでなく、プロテクターの装着や日常の点検の重要性を訴求する講座も開催されている。
「SDGsのゴールの一つ『健康と福祉』は一見、交通事故とは関係がなさそうに見えるのですが、その中には『2020年までに世界の道路交通事故による死傷者数を半減させる』というターゲットが含まれているんです。残念ながら2020年の目標は達成できませんでしたが、安全に関しては我々販売店がやらなければいけないことだと考えております。教習所や広い駐車場をお借りして、県警の方にきていただいて技術スクールのようなことをしてもらっています。参加費はわずかな保険料だけで、当店で車両をご購入いただいた方なら、どなたでもご参加いただけます」とは荒生店長の談。
ホンダドリーム酒田は山形県警の白バイの保守店(白バイの点検や整備を行うお店)に指定されていることから、荘内方面隊と付き合いがあり、こういった活動に繋がったのだという。たまたまこの取材の時も白バイ車両が一台ピットに入っていた。
次に「ジェンダー」。女性が明るく元気に活動できる社会を目指すという目標のもと、女性だけのツーリングチーム「チーム荘内乙女会」を発足。総勢30名ほどが参加しており、ツーリングの時には毎回10台前後の参加があるという。年齢は20〜60代まで幅広く、車種もバラバラ。
こちらは「チーム荘内乙女会」のチームTシャツだ。
最後に「エネルギー」。お店の屋上に太陽光パネルを設置し、再生可能エネルギーを創出している。完全な電動化も近い将来の話となってきたバイク業界において、こういった活動はとても重要な意味を持つだろう。ホンダをはじめ、世界中で多くの企業がこのSDGsの取り組みを行なっているが、日本のバイク販売店で、ここまで大々的に具体的な目標を掲げて取り組みを行なっているのは、珍しいのではないだろうか。
また、ホンダドリーム酒田では、荒生店長の発案でYOUTUBE動画の配信にも力を入れている。
「初めてのお客様にも気軽に来店してもらえるように、スタッフの人柄が伝わるようなチャンネルを心がけています。毎回ネタ探しに必死なのですが、ニューモデルや用品の紹介をしたり、走行動画をアップしたりしています。実際に『YOUTUBEを見て来ました』って言ってくれる新規のお客様もすごく多くてやりがいに繋がっています。バイク屋さんってバイクを買わないと入りにくいと思うんですけど、『ちょっと興味あるから話だけ聞きたいな』という人も来店してくれたら嬉しいですね。
また、バイクショップはバイクを売って終わりではなく、売ってからが本番だと考えています。日本全国にはいろいろなホンダドリームがありますが、お店ごとに特徴があります。ホンダドリーム酒田は商圏の人口こそ少ないですが、だからこそ他のホンダドリームにないものを提供したいんです。YOUTUBEやSDGsもその一つなんです」と荒生店長。
やはり近年の人気モデルはレブル1100、GB350、レブル250、CT125ハンターカブあたりとのこと。勇気が出なくて直接お店に足を運べない人は、まずYOUTUBEで気になる車種の動画を探してみよう。きっと動画を見ているうちに荒生店長の人柄が伝わり、お店に行きたくなってしまうはず!
ホンダドリームではバイクのカテゴリーを分類し、それに応じた展示を行なっている。こちらは「オーセンティック」に分類されるCB1300 SUPER BOL D'OR。ファイナルエディションが発表されて人気のCB1100EX/RSもこのカテゴリーだ。
「ツーリング」カテゴリーにはVFR800Fが展示されていた。レブル250/500/1100もこのカテゴリーなのだが、入荷するとすぐに売れてしまうのだとか。
「スポーツ」にはもちろんフルカウルのスポーツバイクが。こちらはCBR650R。2020年に発売され、大きな話題を呼んだCBR1000RR-R FIREBLADEも、もちろんこのカテゴリーだ。
CRF1100L AFRICATWINは「アドベンチャー」。荒生店長もこちらのDCTモデルに乗ってよくロングツーリングに出かけた、とのこと。ちなみにホンダドリーム酒田では4〜10月くらいのシーズン中、2ヶ月に一度くらいのペースでツーリングイベントを実施。美味しい食事や名所、ワインディングなどを考慮して荒生店長がルートを決めているのだそう。
もちろん原付モデルの在庫も豊富に取り揃えている。
ホンダが行うバイクレンタル「HondaGO」の取扱店にもなっている。レブル1100DCTやCT125ハンターカブ、映画「天気の子」カラーのスーパーカブ110など人気車種が勢揃いだ。
ホンダの多様なラインナップに対応できるよう、ヘルメットの販売在庫も多い。
タンデムや多人数でのツーリングで会話や音楽を楽しめるB+COMや、汗をかいたヘルメットを短時間で除菌・乾燥できるRE:METシステムなど、バイクライフを快適にしてくれるアイテムも提案してくれている。
ホンダの純正ライディングギアだけでなく、KUSHITANIのライディングギアの取り扱いを行なっている。「価格は決して安くありませんが、品質がとても高く、袖を通してみると、動きやすさやフィット感の高さに驚きますよ」と荒生店長。
また、ホンダドリーム酒田では敷地内にガレージを設置しており、ここでお客様のバイク預かりサービスも行なっている。冬季の点検保管はもちろん、自宅にガレージのない人などは常時お店にバイクを置いていて、ツーリングにいく時は車でお店に来て、お店から出発するというスタイルをとっているのだという。車検や整備の時もわざわざ来店する必要がなく、電話一本で完了できるというのも嬉しいポイントだ。