
黒門には、常時50台近くの車両がストックされている。それらのほとんどは、基本的にそのまま販売されることはなく、カスタムベースとして使われる。
バルカン400をベースとしたストリートボバーカスタム。ハンドル、タンク、シート、マフラーといった定石的部分から、タイヤのセレクトなどのディテール部分まで仕立てられ納車される。
1990年代から2000年代初頭にかけて、ストリート系カスタムがブームとなった時代があった。ホンダ・スティードのカスタムに端を発した国産アメリカンクルーザーベースのカスタムや、SR400などビンテージシングルモデルをベースとしたチョッパーやカフェレーサーなど、好みのスタイルに仕立て上げたカスタムバイクに楽しみや喜びを感じた世代だった。それから約20年の時が経った今、再び、ストリート系カスタムバイクが再注目されている。
現在のブームを牽引しているバイクショップの一つに、大阪の『黒門』がある。黒門では基本的に車両を希望する買い手とカスタムの方向性やスタイルの打ち合わせを行い、オリジナルカスタムバイクを仕立てて販売している。
「国産アメリカンクルーザーやSRなどをベースにカスタムを楽しむスタイルは、90年代中盤から本格的に流行り出したムーブメントで、私自身その中心的世代でした。その後大型バイク免許が教習所を通うことで取得できるようになったり、ビッグスクーターブームなどが訪れたこともあり、いったんは落ち着いたのですが、ここ数年再び注目を浴びてきています」と黒門の徳田代表は話す。
バイクという乗り物に性能云々を求めることもあるが、何よりもカッコ良くあるべきだと思う。黒門が手掛けるカスタムバイクは、どれを見ても個性を主張するカスタムが施されている。訪れる客層は40~50代のリターンライダーから、免許を取得したばかりの若年層までと幅広く、皆他には無いスタイルを追い求めて黒門へとたどり着く。
新車やノーマルの旧車などでは得られない、ストリートカスタムバイクの世界。あなたも足を踏み入れてみてはいかがだろうか。
黒門の代表を務める徳田真地さんは、四半世紀近くバイク業界に身を置いてきたベテランだ。自身もストリートカスタムバイクブーム全盛期を経験しており、その知識と経験を活かし、今へと繋げている。
ストリートカスタムバイクに憧れを持つ10~20歳代の若者は多い。ベースとなる車両は90年代のモデルが中心であり、オーナーとなるライダーが生まれる前に作られた車両に乗ることになることもある。
自動車整備工場跡地をリノベーションした店舗は、昭和のにおいを感じることができる懐かしい雰囲気。昨今多くみられるメーカー直系の正規ディーラーでは得られない世界観が黒門にはある。
オーダーを受けたお客様と、電話を通じてライディングポジションの打ち合わせ。なお、時期にもよるが、オーダーを受け付けてからカスタマイズが施され、納車までの期間は3か月〜。世界に一台、自分だけのオリジナルバイクが生み出される。
店舗裏手にもベースモデルのストックが並べられていた。カスタムバイクのため、価格帯は幅広いが、予算に応じて相談に乗ってくれる。まずは一度ショップに訪れて、どのようなスタイルのカスタムがあるのか確認するのも良いだろう。
在庫車やカスタムバイクなどは、インスタアカウント『curomon』にて確認することができる。最近はインスタグラムを通じて、オーダーを受けることも多いとか。YouTubeの「motorcycle 黒門 Curomon チャンネル」もチェック。