
バイクショップしばたを訪れた人は、コンビニやガソリンスタンドすらまばらな自然豊かな地域の真ん中に、こんなオシャレなショップがあるのかと、2度驚かされることになるだろう。まさにロイヤルエンフィールドのバイクを展示するために作られた、と思わせるショールームは手作りとは思えないほどの美麗な仕上がりの看板や、木製の床や壁、雰囲気のある照明によって、美しいバイクをより一層バイクを美しく見せてくれる。
バイクショップとしてのオープンは 2020年3月、まだスタートしたばかりのショップではあるが、その情熱は本物だ。
「ただ車両を販売して整備するだけのお店じゃなくて、オシャレにバイクに乗るための提案ができるお店にしたいんです。うちは親会社がタイヤの輸出入もやっているので、海外のオシャレなアパレルを仕入れて売るとかは簡単にできるんですけど、そうじゃなくて、お店のブランドを作りたいんです。例えば都会で服を買う時なんか、バッグや靴なんかも、同じテイストのものがいっぺんに揃うセレクトショップってあるじゃないですか。あれのバイク版みたいなイメージでしょうか。
ただ高いものを揃えればオシャレというわけじゃなくて、ちゃんと自分の目で見て、自分の頭で選んで、こだわりを持って欲しいんです。そういう人って、素敵じゃないですか。僕らがそれのお手伝いをできたらいいな、と。ただ儲けるだけなら、バイクを数売ればいいんだけど、そうじゃなくて、もっと会社としての価値を高めるようなことがやりたいんです」
と、語ってくれたのは金子潔さん。かつては埼玉県でカスタムショップを経営していたという金子さんは、タイヤの国内ネット販売を担当しつつ、バイク部門の管理を任されているという。
「タイヤって、どうしても安売り勝負の世界なんですけど、バイクはそうじゃない。まだ始めたばかりだし、利益よりも将来的に、他の部門では絶対に生み出せない付加価値を生める可能性を秘めていると思うし、そうしたいと思っています。だから、新潟市内に新店舗をオープンする計画も進んでいるんです。僕は今59歳なんですけど、歳のわりにすごくいい仕事をさせてもらっているという実感があり、今はとても楽しいです。もちろん面倒くさいことや辛いこともあるんですけど、今までの自分の経歴が全部ここに繋がっていて、そして今日の仕事で1mmでもいいから理想に近づけたな、と思えることにやりがいを感じることができるんです」
と金子さんは最高の笑顔で語ってくれた。そしてそんな金子さんを支えるのが、整備主任の本間康裕さんと、紅一点の高橋さんだ。
クルマや重機の整備士の資格を持っていた本間さんが、たまたまお客として訪れたところ、金子さんと意気投合。バイクショップをオープンするにあたり、整備士としてバイクショップしばたに就職したのだという。歳の差もかなりあるお二人だが、関係は至ってフラット。上司と部下という感じはあまりなく、冗談を言い合ったり、とても心地よい空気を作り出している。
お二人の後ろに架かっている垂れ幕は、イオンでロイヤルエンフィールドの試乗会を開催したときに、自作したものだという。
「リッタースポーツとかスクーターじゃなくて、やっぱり裸のエンジンが乗っかっているバイクが好きなんです。ライダースジャケットじゃなくて、普段着のまま乗れるような。ロイヤルエンフィールドはまさにそういうバイクなんですよね」と語る金子さん。お店に置かれているバイクは、他メーカーのものも、ほとんど全てが空冷エンジンのストリートバイクだ。
ショールームに展示されていたアパレルは、売り物かと思いきや、金子さんの私物なんだという。例えばこういう服装で、ロイヤルエンフィールドに乗って欲しい、という気持ちの現れだ。
良いバイクショップに大切なものは、欲しいバイクがあること、整備をしっかり任せられること、そして人だろう。ロイヤルエンフィールドという世界でも稀有な美しいバイクを選ぶ人にとって、金子さんのような存在はきっと良い影響を与えてくれるだろうし、同調するものを感じられるはずだ。
オープンしてすぐにコロナ禍に呑まれ、翻弄された1年半。しかし、バイクショップしばたは着実に一歩一歩、夢への道を歩み続けている。そしてその道は、ロイヤルエンフィールドと共にあるのだ。
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