20〜30代のハーレー乗りが集う、世界4位のカスタムプロショップ。ハーレーダビッドソン静岡(動画あり)

掲載日/2021年9月21日
取材協力/ハーレーダビッドソン静岡
写真、取材、文/伊井覚
構成/バイクブロス・マガジンズ
昔からハーレーダビッドソンとカスタム文化は決して切り離せないもの。ハーレーダビッドソン静岡は日本のハーレーディーラーの中でカスタム日本一を決める大会「BATTLE OF THE KINGS」において2018〜2019年、2年連続チャンピオンを獲得しており、さらに2020年にはアジア代表として世界大会である「KING OF KINGS」に出場し、世界4位を獲得した、いわば世界トップレベルのカスタムプロショップだ。しかも驚くことにそのカスタムは20〜30代の若手スタッフたちが主体となって考え、動いているのだという。

20代中心のチームで作り上げた
世界トップレベルのカスタム車両


ハーレーダビッドソン静岡のカスタムについて知ってもらうには、現物を見ていただくのが一番だろう。こちらはお店に展示されていた2019年のBATTLE OF THE KINGS優勝車両。ベースとなったのは2018年式のSoftail Slim。「QUEEN」と名付けられたこの車両は、そう、あの偉大なイギリスのロックバンドがイメージコンセプトになっている。隣に飾られているギターはお客様の私物で、クイーンのギタリスト、ブライアン・メイのレッド・スペシャルを復元したもの。

この作品は制作スタッフが全員で映画「ボヘミアン・ラプソディ」を観にいき、そこから受けた感銘を表現したもの。ロックの要素だけでなくクラシックの要素も取り入れている意欲作となっている。発案はハーレーダビッドソン静岡でフロアマネージャーを務める渡辺廣彬さんが行い、そこに20代を中心とする若手スタッフたちがアイデアを出し合い、カスタムを施していったという。

フロントフォークはスプリンガーフォークを組み込んでヴィンテージ感を演出。

クラッチは足で操作し、シフトチェンジは手で行う、ジョッキーシフトを採用。これもヴィンテージ感を大いに増している。

マフラーは溶接してアップスイープに。ステーも溶接して、尾鰭のパーツも被せるだけでなく溶接して美しく仕上げている。

目玉のタンクは兵庫県のカスタムペイントショップ、サードアイ製。塗装だけでなく、エンブレム部にはLEDが組み込まれていて、スイッチ操作で点滅パターンを切り替えることもできる。

驚きなのはこの情熱とワンオフパーツが盛りだくさんの貴重な車両がこの価格で販売されていることだ。

こちらはサービスコンサルタントとして在籍する女性スタッフ、杉本明莉さんが中心となって制作したプロモーションビデオ。オンラインで開催されるカスタムコンテストでは、写真だけでなく映像でカスタムの魅力を伝えることも大切で、海外の強豪ディーラーでも多く取り入れられている手法なのだそう。こちらもお客さんから映像制作をしているプロやバイクの撮影スタジオを紹介してもらって制作したのだという。

「基本的には違法改造以外はなんでもやります。コンテストでも、その国の法令を遵守したカスタムというのが大前提にあって、うちのカスタムは必ず、日本の公道を堂々と走れるものになっているんです。だからレーシーなカスタムだと海外のディーラーに勝つのはかなり難しくて、徹底してオールドスクールに振りました。

カスタムコンテストで優勝してからは、お任せという注文がかなり増えていますね。もちろんそれでもお客様の要望に沿うようにヒアリングをするのですが、『プロに任せるから、カッコいいの作ってよ』と言っていただけると、カスタム屋冥利に尽きますね。中には他県からわざわざ足を運んでくれたり、値段は気にしないから、と600万円くらいかけてくれるようなお客様もいらっしゃいます」と渡辺さん。

こちらが2018年のBATTLE OF THE KINGS優勝車両「DALI」。

そしてこれが2020年世界大会のKING OF KINGSで4位を獲得した「MELVILLE(メルヴィル)」。

ハーレーに乗りたい若者を応援するディーラー


ハーレーダビッドソン静岡を運営する渡辺モータースは、2021年で創業63周年を迎えた。そもそも創業時には4輪を扱っていたこの会社がハーレーを扱うことになったのは、今から約50年も前のこと。廣彬さんの祖父・貞夫氏が「これからはハーレーの時代だ」と一念発起し、単身アメリカに渡ったことが始まりだった。日本大使館を頼って、カリフォルニアのディーラー、ハーレーダビッドソン オン ロングビーチの近くにホームステイし、関係を構築してハーレーの直輸入を始めたのだ。


2016年にハーレーダビッドソンの正規ディーラーとなり、店舗をリニューアル。お店のコンセプトとして「Brand(ブランド)」、「Bond(仲間)」、「Bliss(至福ひと時)」、「Benefit(手厚いアフターフォロー)」を内包した「4つのB」を掲げている。この中で特に注目したいのが「Bond(仲間)」だ。すでに紹介したカスタムコンテストへの積極的な参加を通してスタッフ同士の絆は深まり、さらに映像制作などのプロモーションではお客さんの力を借りることでそこでも絆を構築している。



そしてコロナ禍前は年に一回のアメリカツーリング(2019年はヨーロッパ)を20年続けてきており、それはお客さんが主体となって現地でのバイクレンタルや宿泊の手配などを行い、計画してくれるのだという。国内でのツーリングには平均20台前後が参加しており、マックスで50台を記録したこともある。時には一緒にバンドを組んで演奏したり、忘年会や納涼会なども実施しているという。このように、ハーレーダビッドソン静岡を取り巻くセントラル静岡チャプターは、お客と店の距離がとても近い。さらにそのお客の約約1/4が、20〜30代の若者だという。ハーレー乗りというと、どうしても40歳以上の壮年男性をイメージしてしまうのだが、このハーレーダビッドソン静岡は、スタッフもお客さんも圧倒的に年齢層が若いのだ。なんとアンダー35ハーレーツーリングも実施したことがあるというから、実に驚きだ。

「コロナ禍になる前はツーリングを毎月1〜2回の頻度で開催していて、それだとお店主導ではどうしても回らなくなってしまいます。なので海外ツーリングだけでなく、普段のツーリングもお客様にたくさん助けていただいています。また、スタッフが若いということもあって、若いお客様が多いのが特徴です。若いからハーレーに乗れなかったり、ツーリングなどで疎外感を感じてしまうと思っている人は、ぜひハーレーダビッドソン静岡に来てください。ハーレーに乗りたい気持ちがあれば、誰でもウェルカムです!」と杉本さん。

正面入り口を入るとすぐに設置されている、歓談スペース。

お店にはこれまでのカスタムコンテストの楯などが飾られている。

こちらは商談スペース。壁一面に貼られたアメリカの地図がインパクト大。数々のお客さんとの思い出が飾られている。

このジャケットはお客さんからの寄贈品で、ハーレーダビッドソンの創設者、ウィリアム・H・ダビッドソンの孫、ウィリー・G・ダビッドソンと、映画「Easy Rider」でキャプテンアメリカ役を演じたピーター・フォンダの直筆サインが入った超レア物。

先着30名様!
今なら来店頂いた方 先着30名様にハーレーダビッドソン特性マフラータオルをプレゼントします。是非この機会にご来店下さい。

INFORMATION

所在地/静岡県静岡市駿河区有東3−2−11
電話/054-286-1515
営業/9:00〜19:00(ショールーム)、9:00〜18:30(サービス)
定休/火曜日