100年近い歴史と2人の「マスター」が極上のライフスタイルを演出する、ハーレーダビッドソン サクライ

掲載日/2021年9月9日
取材協力/ハーレーダビッドソンサクライ
写真、取材、文/伊井覚
構成/バイクブロス・マガジンズ
ハーレーダビッドソンサクライは福島県福島市にあるハーレーダビッドソンの正規ディーラーで、東京から青森まで続く国道4号沿いにお店を構えている。1924年に飯坂町で創業したワークスサクライという町の自転車屋さんからその歴史は続いており、もうじき100年を迎えようとしている。ハーレーダビッドソンが認定する「マスター」の資格を持つ2人のスタッフが在籍するハーレーダビッドソンサクライ。その4代目である櫻井将平さんは「僕らはバイク屋ではない」と言う。

「ディーラーはハーレーという名前のショーである」

ハーレーダビッドソンのディーラーは2015年頃、一斉にリニューアルを行い、その装いを新たにした。その中でもこのハーレーダビッドソンサクライは、国道4号沿いに広大な敷地を有し、余裕のある駐車場の奥には少し近未来感すら感じさせ、芸術的とも言える店舗が待ち構えている。

ドアを開けて店内に入ると、目の前にハーレーダビッドソンワールドが広がる。車両が展示されているのはもちろんだが、アパレルやグッズ、そしてそれらの展示方法など、細部に至るまで気が遣われた店内に、気持ちはすっかり高まってしまう。


「僕らはただハーレーダビッドソンを売っているのではなく、ハーレーダビッドソンのあるライフスタイルを提供しているんです。だから車両を売って終わりではなく、買ってくれたお客様にハーレーを楽しんでもらって、初めて達成感を感じることができます。お客様がハーレーサクライの扉を開けた時に癒されたり、驚いたり、ワクワクドキドキできるように、お店はハーレーの世界観を演出しています。ただバイク屋さんに来たのではなくて、ハーレーサクライに来たという特別な体験を楽しんでもらいたいと考えています」

営業マンとしてハーレーダビッドソンが認定する「マスター」の資格を持つ櫻井さんはさらに次のように続ける。

「一昔前のハーレーディーラーはスーツにネクタイだったんです。だけど今は私たちもライディングジャケットを着て、お客様ではありますが、仲間意識を持って接客をしています。僕らは世にも珍しいスーツを着ない営業マンなんですね。挨拶も『いらっしゃいませ』ではなく『こんにちは』を使いますし、これらはハーレーダビッドソンサクライという、お客様にとって特別な空間を創出するための手段なんです」

ハーレーダビッドソンサクライのスタッフ。サービスもメカニックも、みんなハーレーのアパレルを身に纏って働いている。後列中央が代表の櫻井徹さんだ。

ハーレーダビッドソンのジャケットは、一昔前とはだいぶデザインが変わった。「昔は良くも悪くもハーレーを主張しすぎていたのですが、最近のものは普段使いもできるデザインのものが増えています」と櫻井さん。

頻繁に大きい地震に襲われている福島県。マシンはタイダウンでガッチリ固定され、ちょっとやそっとの地震ではびくともしない。これなら安心して店内でくつろぐことができる。

店舗の中心を陣取っていたのは、最新モデルのパンアメリカ1250。これまでアメリカンモデルで圧倒的な地位を築いていたハーレーが、新しい地盤を作る第一歩となる意欲作だ。

階段で2階に上がると、そこにはハーレーダビッドソン認定中古車が所狭しと並べられている。1階の新車を上から眺めることができるのも、嬉しい。

空冷OHVエンジンを愛する
もう1人のマスター

ハーレーダビッドソンサクライには、もう1人のマスターがいる。櫻井さんがサービスのマスターなら、吉田武士さんはメカニックのマスターだ。


「僕は見た目だけのカスタムはあまり好きではなく、サスペンションなど、走りの性能に直結するカスタムが好きなんです。特に空冷のOHVエンジンをいじるのが好きで、今まで培ったノウハウとテクニックを生かしてエンジンをチューニングして、お客様に『ハーレーってこんなに楽しんだ⁉︎』と言っていただけるのがやりがいなんです。最新のミルウォーキーエイトエンジンも、ちょっといじるだけでガラッと化けるんですよ」と目をキラキラさせて楽しそうに語ってくれた。

吉田さんはサクライがハーレーを扱う前から勤めるチーフメカニック。古くから通い続けてくれている国産のお客様も、吉田さんの腕を信頼してのこと。メカニックという立場上、普段はあまりお客様と直接話すことはないが「ご要望があれば、アドバイスさせていただきます」とのこと。また、自身も二級整備士の資格を持っている櫻井さんも「お客様と話をしていて、ちょっとディープな話になるとバトンタッチしちゃいます」と吉田さんを頼りにしている。

クラッチカバーやグリップなど、さまざまなカスタムパーツやメンテナンスグッズが販売されている。

クラッチの重さに悩むハーレーオーナーは多い。展示されているMANBAライトクラッチを一度握ると、もう純正には戻れない。

休憩スペースはピット作業が見えるように配置されている。エンジンチューニングや走りを良くするカスタムパーツなど雑誌の記事がラミネートして置かれている。

INFORMATION

所在地/福島県福島市鎌田字下田18−1
電話/024-552-5711
営業/10:00〜19:00(4月〜10月)、10:00〜18:00(11月〜3月)
定休/月曜日、第3火曜日(冬季は第1火曜日も定休)