ロイヤルエンフィールドの歴史に触れることができる、ロイヤルエンフィールド群馬

掲載日/2021年7月30日
取材協力/ロイヤルエンフィールド群馬(モトショップシロタ)
写真、取材、文/伊井覚
構成/バイクブロス・マガジンズ
ロイヤルエンフィールドというメーカーは1901年にイギリスで生まれた、現存する中では、世界で最も古いバイクメーカーと呼び声が高い。そして便利で快適な電子制御が発達した現在でも、そういった装備をほとんど付けず、「シンプルに美しいモーターサイクル」を作り続けている。そんなロイヤルエンフィールドの歴史の一端を覗き見ることができるのが、ロイヤルエンフィールド群馬こと、モトショップシロタだ。

他メーカーの現行車にはない
「乗っている感」あふれるモーターサイクル


群馬県高崎市は、赤城山、榛名山、妙義山に囲まれており、山でツーリングを楽しむにはこれ以上ない環境だ。さらにロイヤルエンフィールド群馬はそんな高崎市を「く」の字に貫く国道17号沿いに店を構え、軽井沢や草津、日光といった観光地へのアクセスも良い。その影響もあってか、モトショップシロタはこの地でバイクショップとして40年以上の歴史を持っており、国内4メーカーを始めとして、様々なバイクを販売してきた。

そんなモトショップシロタが2021年1月から新規で取り扱いを開始したバイクメーカーが、ロイヤルエンフィールドだ。

ロイヤルエンフィールドはイギリス発祥のバイクメーカーで、冒頭でも触れた通り、120年の歴史を持っている。日本では現在生き残っているバイクメーカーは全て戦後からバイクを作り始めたので、せいぜい75年というところだ。そう考えると、ロイヤルエンフィールドの歴史の深さが少しは伝わるだろうか。

水冷エンジンが主流となった現代において、すべての現行モデルに空冷エンジンを採用しており、すっかりクラシックモデルの代名詞のような扱いをされることが多くなってしまったが、ロイヤルエンフィールドにしてみれば、ただ100年間変わらぬ信念を持って美しいモーターサイクルを作り続けてきただけなのではないだろうか。

国産のクラシックモデルはすでに絶命危惧種である。SR400(ヤマハ)やエストレヤ(カワサキ)が生産終了となり、これらは中古価格が高騰している。また、世間では外見を少しクラシックっぽくさせた電子制御モリモリのモデルを「ネオクラシック」と呼び、次世代バイクと位置付けてすらいる。

そんな高い中古モデルや、100万円を超える複雑なバイクに乗らなくても、本物に乗りたければ、ロイヤルエンフィールドを選べば良いのだ。これこそが、人類が120年愛し続けてきた「モーターサイクル」そのものなのだから。

これがロイヤルエンフィールドのメーターだ。シンプルイズベスト。速度メーターに、オドメーター、そして給油ランプにエンジン警告灯のみ。これが現行車なのだ。なんとも清々しい心地よさを覚えてしまう。これを不便と捉えるか、美しいと捉えるかは、もちろん人それぞれだし、どちらも一理あると思う。しかし、実際にそんなシンプルなデザインのバイクに乗りたくて、ロイヤルエンフィールドの伝統に触れる若者たちがいるという。

「ロイヤルエンフィールドを購入してくれるお客様の年齢層を見てみると、意外にも若い人が多いんです。やっぱりあのデザインに惹かれて辿り着くのだそうですよ。僕も試乗車の650に乗ってみたんですけど、国産の優等生すぎる現行車と比べて、振動も多いしクセもあるんだけど、すごく"乗ってる感"があって面白い。最近のバイクは必要以上に良くなりすぎているんです。

すごく速く走れるわけではないし、コーナリングでものすごくバンクできるわけじゃない。それでも、ゆっくりとエンジンの鼓動を楽しみながら、安心して乗り続けることができる。シンプルですが、それこそがロイヤルエンフィールドの魅力なんだと思います」

店長の城田賢一氏(写真左)は幼少の頃からモトクロスレースを嗜み、国際A級まで上り詰めたという。現在は頻繁に乗っているわけではないが、スタッフ・お客さんともにオフロードバイクに造詣が深い。そんな特徴から、デュアルパーパスモデルのヒマラヤンもイチオシモデルだと言う。「でもロードツーリング用途ならやっぱりINT650かコンチネンタルGT650。このエンジンをぜひ味わって欲しいですね」と城田氏は目を輝かせる。ロイヤルエンフィールドをお求めの際は城田氏か、スタッフの戸出氏(写真右)にお声がけを!

戦前の遺産、ここにあり
プライスレスの経験をあなたに

また、ロイヤルエンフィールド群馬ではショールームに一台の古いロイヤルエンフィールドが展示されている。



ヘッドライトをはじめとする灯火類にはガス灯が採用されている、博物館に展示されるレベルの貴重な一台だ。「詳しくは分かりませんが、戦前のモデルであることは確かです。元々うちの先代が古いバイクが好きで所有しています。ちゃんとメンテナンスすれば、今でも動くと思います。私物なので売り物ではないのですが、どうしても、という場合は交渉には応じると思いますよ(笑)」とのこと。

このバイクを間近で見ることができるというだけで、全国のロイヤルエンフィールドファンに訪れてもらいたいショップだ。

SHOP INFORMATION

住所/群馬県高崎市中尾町456-4
電話/027-361-0222
営業/9:00〜19:00
定休/毎週月曜日・第1火曜日・第3日曜日