掲載日:2025年09月26日 プロが造るカスタム
取材協力/KOTANI MOTORS
取材・写真・文/ガスグラフィックス
広島県呉市で、古くから活動しているのがコタニモータースだ。元々は、ホンダ、ヤマハを中心とした新車や中古車を販売する正規販売店である。同店代表の小谷博之さんがビッグスクーターに興味を持ったことで、同店はオリジナルエアロの開発販売に着手。その結果、派手系デザインのトップアイコンとして、当時大人気だったベルと双璧を成す「デビル」シリーズを生み出したのだった。同店の特徴は、フレーム加工やエアサス装着、過度なローダウンといったスタイルは一切手をつけないこと。エアロ装着、走りに支障が無い低さと吸排気系に特化した、いわゆるライトカスタムがメインであることが、唯一無二の存在である理由だった。
このホンダ・フォルツァ(MF08)には、同店を代表する「デビル」シリーズではなく、もう一つの作品「イーグル」シリーズが装着されている。その名前と鷲鼻を連想させるフロントマスクのデザインからも分かるが、商品化にあたってイメージしたのは猛禽類。滑空や急降下などの優れた飛翔性と、肉食性特有の力強さを表現したコタニモータースの力作だった。
フォルツァ用イーグルシリーズとして商品化されたのは、フロントフェイス、サイドカウル、リアスポイラー、マッスルセンターの4点。それぞれが、大空を羽ばたく姿をイメージしたデザインが印象的。特に、フロントフェイス下部に装着することでヘッドライトや顔つきをよりシャープに変貌させるマッスルアンダーは、そのアイデアと造形美に当時感動した覚えがある。さらにこの車輌は、牙フェンダーやデビルリアアンダースポイラーなど、イーグルと別系統のブランドを融合していることも重要。コタニが得意とする派手=グリッタースタイルが、惜しげもなく表現されたフォルツァだった。
しかも同店が素晴らしいのは、主力車種のエアロを継続販売しているというその姿勢だ。ブームが去っても存在するユーザーのために、影となり業界を支える。そんなコタニモータースの生き様が、同店オリジナル商品には宿っている。
デビルシリーズとは異なる紳士的な雰囲気がイーグルシリーズの特徴。ヘッドライト下部のマッスルアンダーは、西洋甲冑の兜のアゴ部分のような雰囲気でもある。サイドエアロなど、曲線を帯びた造形がイーグルの特徴。
厳つさ満点のデザインは、コタニモータースの人気シリーズ、牙フェンダー。フロントホイールを覆い尽くすスタイルは、ビッグスクーター業界の中では他に類を見ない商品だ。
純正タンデムバーから流れるように造形されたリアスポイラーは、尾羽をイメージ。テール下のアンダースポイラーはデビルシリーズだが、違和感のない雰囲気を醸し出していた。
真後ろから見たリア造形はご覧の通り。戦闘機のエンジンノズルを連想させる。筒が深く純正テールの光が広範囲で反射するため、視認性も実は悪くない。
マフラーは同店のオリジナル品BLITZ(ブリッツ)シリーズ。エンド中央の突端が特徴だが、JMCA認定品というのが正規販売店であるコタニモータースのこだわり。フォルツァ用は残念ながら廃盤になってしまったが、ホンダ・PCX、ホンダ・レブル250、ダックス125用が、コンセプトを継承したまま販売されている。
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