掲載日:2025年08月04日 プロが造るカスタム
取材協力/カスタムショップショーケース
取材・写真・文/ガスグラフィックス
ヤマハ・マジェスティこそが、ビッグスクーターの一大ブームを作り上げた功労車であることは、疑う余地がない。初代と2代目の存在がなければ、あのような流行は生まれなかった。その一方で、2代目の活躍がそれまでのバイク業界の常識を超える勢いだったこともあり、3代目にあたるグランドマジェスティとこの4代目が、セールス的にも苦戦したのも事実だった。しかし、当時の専門店はビッグスクーターを一過性の流行で終わらせないようにと、最新車両が各メーカーから発表されるたびに、エアロを中心とした専用パーツの開発や、新たなカスタム車製作に邁進していたのだ。
今回紹介する車両は、派手なペイントやグラフィックなどを使わず、純正色をそのまま活かしたシンプルな見た目が印象的なヤマハ・マジェスティ(4D9)だ。縦長にデザインされた純正ヘッドライトを小径化し、いわゆる悪目を採用したフロントフェイス。アンダーカウルの下部に追加装着されたボックスタイプエアロ。そして、左右に張り出すカナード風デザインが特徴のリアアンダーカウルと、装着されたエアロはこの3点のみ。
これらは、この車両を製作したカスタムショップショーケースが、当時の最新車両であった4D9マジェスティ用として開発した商品である。そのエアロを纏いながらも外装色はホワイト一色。もちろんロングホイールベース加工を施し、エアーサスペンションを装着しているため、カスタム感は強調されている。一方で、シートやホイール、ブレーキなどは純正をそのまま残しているため、モディファイ感とノーマル感を絶妙にミックスしたシンプル系が完成しているのだ。
カスタムショップショーケースは、ヤマハ・マグザムをベースにした車両で有名コンテストでの優勝など、数々の上位入賞を経験。そのイメージもあるため、マグザムを得意とする専門店というイメージが残っている。それらの車両の多くが、純正然とした佇まいでベタ車高という雰囲気で人気なのだが、実はそこに辿り着く前に、ショーケースではマジェスティをベースにした純正+αのローダウンスタイルにも挑戦していたという歴史も、大変興味深いものだ。
先代の2代目マジェスティの頃から人気だったデザイン、それが小径化かつ眼光をシャープにする悪目だった。ショーケースではヘッドライト上部にリブ風のラインを追加し、目元をよりはっきりと目出せていたのが特徴だった。
フレーム加工をはじめ、様々なワンオフ加工を得意とするショーケース。このエキパイとサイレンサーも同店のワンオフ品。車体全体の雰囲気に合わせて、サイレンサー径のサイズ感や長さ、取り付け角度や位置などにこだわって製作されていた。
リアアンダーカウルは、前方からみると左右に張り出したカナード風に見え、かつリアからもそのボリューム感が伝わる。そして、その左右のカナードの隙間、いわゆるセンター部分にフィンタイプのエアロも追加装着されている。小振りながら、リア回りをしっかりと引き締めてくれるアイデア品だ。
ステップはブラックで塗装したのみのシンプルな作りが特徴。エアサスのエアメーターをこのステップ先端部に移設しているが、この位置は実は視認性も以外と良好なのだ。
アンダーカウルに追加されたボックス風エアロ。全体のイメージを変えるのではなく、チョイ足しでイメージを変化させてくれるレアな製品だった。
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