掲載日:2026年03月15日 プロが造るカスタム
取材協力/Jam Master Motor Build 取材・写真・文/ガスグラフィックス

ビッグスクーターのカスタムは、必ずしもロングホイールベースにする必要はない。それを実感するヤマハ・マグザムを今回はご紹介したい。製作は、福岡県久留米市で活動するジャム・マスター・モーター・ビルド。現在は、ハーレーのバガースタイルカスタムを得意とするJMバガーズと言ったほうが、その認知度は高いはずだ。ヤマハ・マグザムをメインとした独創的なエアロパーツのラインナップとカスタムセンスで、大流行したビッグスクーターカスタムを牽引した有名ショップの中のひとつである。
この車両はロングホイールベース化は一切していない。ヤマハ・マグザムの純正のスタイルをそのまま昇華した、初心者でも参考にしやすいカスタム例と言える。しかし、とてもシンプルに見えるルックスながら、自社製品も含めて使用したパーツの選択や、さりげないカスタムテクニックを見ると、決して何もしていないのではなく、手数は多いがそれを感じさせずに車両をまとめた同店のセンスを実感する。

フロントフェイスとリアカウルは、どちらもジャム製のオリジナルエアロだ。マグザムの純正デザインを活かしつつ、いかにオリジナリティを高めるか。当時、様々なエアロが販売されていたが、誰にもマネされないスタイルという意味では、突出した作品だった。しかも装着したエアサスは、テュポン製ワイヴァーン。マフラーやメッキステップボードにウイルズウィンと、安価で人気だったブランドを活用しているのも特徴である。
さらに、独特のデザインと風合いを醸し出したオリジナルシートと、車体のサイドにさりげなく装着されたメッキモールにも注目したい。ラグジュアリーとはなにか? それをジャム・マスター・モーター・ビルドならではの解釈で導き出した答えがここにある。

ヘッドライトを覆うことがエアロデザインの主流だった時代に、純正スクリーン風で、かつあえて純正ウインカーをスタイリッシュに見せるというセンスを見せつけた、超革新的フェイスだった。

リアカウルも、純正ではタンデムレバーや背もたれがある部分を全体的に隠し、かつエアロのラインを純正トランクリッドに繋げている。サイド、バンパー下部に装着されたモールは、他にないアイデアで当時でも斬新だった。

サイレンサーはウイルズウィン製ジャイアントキラー。ボルトオンでも違和感なくまとまることをジャムが証明した。

リアトランク内にはウーファーを設置。ジャム製ボックスを使うことで、簡単にセットできるのが売りだった。なお、このトランクを開閉する際にはリアカウルを外す必要があるが、カスタムを主目的に割り切った造りにしていた。

ハンドル周りにはモニターも設置。幅の狭いミスト製ナローハンドルやグリップは変更してあるが、レバーやマスターシリンダー、スイッチボックスはノーマルのまま。それでも違和感がない雰囲気にまとめられている。

ノーマルでも前後一体型デザインがマグザムのシートの特徴だったが、それをフラット化せず、ライダーとタンデム部でしっかりと座面を分けている。乗り心地を考慮しつつ、デザインや表皮の質感も含めて高級感を目指したシートは、現在でも通用する内容だ。
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