掲載日:2025年12月23日 プロが造るカスタム
取材協力/CUSTOM SHOP ETERNITY
取材・写真・文/ガスグラフィックス

ビッグスクーターがカスタムの素材として注目を集め、その文化が根付き、そして終焉を迎えて今に至るまで、すでに20年以上の時間が経過している。その間に様々なカスタムや人気のパーツが生まれ、消えていった。さらには、定番化し現在でも愛され続ける商品もある。そんな人気商品の中で、今でもファンが好んで使うパーツのひとつがフラットシートだ。ビッグスクーターのシートは、ライダーとタンデムで前後に分割され、かつ快適性を追求した結果、純正ではかなりの高低差がある部位だった。それを、車高やエアロと共に低くしたい。高低差を抑えたいという探求心から生み出されたのが、前後を一体化したフラットシートだった。
今回登場したホンダ・フォルツァは、埼玉県草加市にあるエタニティが、東京都江戸川区にて営業していた2009年ごろの車両となる。高級感を演出するラグジュアリースタイルを得意としていた同店が、バネサスとワンオフ加工のロングホイールベースで、リーズナブルにまとめているのが特徴だ。エアロは、フロント、サイド、リアスポイラーの3点。車高は低すぎない。オーディオ、電飾は無し。そして、外装と内装にオールペンを実施したライトな雰囲気に、一体式フラットシートを装着している姿がとても印象的である。

ヤマハ・マジェスティではすでにこのタイプのシートを装着するユーザーは現れていたが、ホンダ・フォルツァでは公に公開されたのは、この車両が最初だった。これが後に、フォルツァユーザーの中でもしっかりと根付いていったのは、その後の歴史が証明している。

メーターバイザーをカットするチョップタイプとしては、このエタニティのフェイスは当時すでに大人気だった。圧倒的な低さと共に、ガーニッシュ風のデザインを施したアイラインが作り出す悪目な雰囲気がその理由。

これが当時話題となったフォルツァ用一体式フラットシート。シートベースはヒットポイント製を活用し、そこにエタニティのセンスでダイヤカットの表皮を選択し、ご覧の仕上げに。フラットシートは、FRPのまま外装の一部として活用されることが多くなったため、この車両のように表皮を貼るスタイルはとても珍しい。

コンパクトなサイレンサーはエタニティのオリジナル品。この主張し過ぎないデザインと装着スタイルは、同店が得意とするラグジュアリー感の演出方法のひとつでもある。

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