掲載日:2025年12月10日 プロが造るカスタム
取材協力/BLESS CREATION
取材・写真・文/ガスグラフィックス

ローダウンとマフラー交換がビッグスクーターカスタムのファーストステップ。その次にエアロ装着というのが、ブーム創世記の楽しみ方だった。各社から毎月様々なエアロが発売されていたこともあり、そのデザインをユーザー同士で批評しあうのも楽しみのひとつ。そして、大人気のエアロを誰よりも早く手に入れると、そのユーザーは街のヒーローになれた。そんな喜びに溢れた時代を想起させてくれるエアロがメインのライトカスタム車両を今回は紹介したい。
製作は神奈川県相模原市で活躍するブレスクリエイションで、このホンダ・フォルツァは2007年ごろにお披露目された車両だ。同社は現在でもエアロメーカーとして活動しており、スクーター用の製品以外にも、ハーレーダビッドソン・X350、カワサキ・Z900RSなどのモーターサイクルパーツも開発販売をしている。そんなブレスクリエイションが、あの当時、満を持して2代目フォルツァ(MF08)用として登場させたのが、ここに装着されたエアロだった。フロントフェイス、サイドカウル、フロントアンダーカウル、リアアンダーカウル、リアスポイラーという合計5点。いわゆる“フルエアロ”と呼ばれたラインナップである。

同社のデザインの特徴は、彫りが深い目元の造形にある。純正ヘッドライトをいかに細く、いかつく見せるか。人間の顔で例えると、おでこにあたるフェイス正面をどう処理するか。そこに各社のセンスやこだわりが表現されていた。このエアロは、おでこ部にボリュームを持たせることで鼻筋をしっかりと通し、目鼻立ちが整った人間的な表情を持っていた。それでいて、純正ヘッドライトの光量を遮らない機能性にも考慮した製品であった。サイドカウルもフロントに合わせたボリュームある造形だったのに対し、フロントアンダーカウルやリアアンダーカウルはまるで純正品のような佇まい。このメリハリ感もまた、ブレスクリエイションの魅力であったのだ。

純正が採用した二眼デザインを活かし、立体感溢れる造形が美しいフロントフェイス。当時は、コンパクトに見せるため低く薄くという造形が流行り始めていたが、それとは対照的にビッグスクーターならではのボリューム感を逆手にとったデザインだった。しかも今回紹介した5点のエアロは、現在でも購入可能ということに驚かされる。

フロントの造形に合わせるように、幅よりも前面へのボリュームを意識したデザインが特徴のサイドカウル。純正ウインカーはそのまま活用できるため、ライトカスタムユーザーにはありがたい製品だ。

フロントアンダーカウルは、純正デザインと思うほどにシンプルなデザインに。しかし、この僅かなサイズ感こそが、ホンダ・フォルツァが持って生まれた純正デザインの美しさを、より強調するアイテムなのだ。

リアスポイラーは、当時流行していた大柄なデザインを採用。リアアンダーカウルは、そのスポイラーのボリューム感や角度に合わせるように造形されている。

極太のサイレンサー本体やエンド部、そしてショートタイプのシンプルなデザインで一世風靡したホットラップ製ガンフィンガー。生産は終了しているが、当時このマフラーに憧れたユーザーも多かったことだろう。
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