【カスタムアーカイブ】現代にも通用する大人仕様ラグジュアリーマジェ

カラー統一でまとめたラグジュアリーは
マジェスティCの定番で、永遠のスタイルだ

ビッグスクーターのカスタムには、様々な“ジャンル”が存在する。派手系のグリッター、走りをイメージさせるスポーティ、多様なワンオフ技を駆使したハードコアなど。表現の幅が広いスクーターの魅力がそれぞれに散りばめられているが、いつの時代でも人気だったのが、シンプル系だった。パーツをつけすぎないことはシンプル系のファーストステップではあるが、実はその正反対にある、加飾してもシンプルに見せるスタイルこそが、プロショップの腕の見せ所であった。

このガンメタリックに彩られた車体は、ヤマハ・マジェスティC。言わずとしれた、ビッグスクーターブームを巻き起こした最大の功労者である。それだけに、どのようにしてライバルと差別化してカスタムするか？　その手腕が試されるベース車だった。しかも、人気のシンプル系を目指すとなると、さらに難易度は高まる。そのハードルをクリアして、ファンを納得させる完成度をお披露目したのがエタニティだった。

着目したい点は、フルエアロと呼ぶにふさわしいほど、各部にしっかりとエアロを装着済み。そして、マフラーはいわゆるカチアゲ系を選択していることだ。ここだけ見ると、ハデ系のグリッター的な要素がベースになっているように感じるのだが、エタニティのオリジナルエアロのデザイン美。ホイールベースの長さはプラス15センチのみ。外装はガンメタリック、内装はメタリック感を強調した同系色での２トーン。そして、金属部は徹底的にメッキ化することで、車両全体に統一感を生み出した。装着パーツは多く、技も多彩。それでもこのマジェスティCがシンプル系として君臨できる理由は、この一体感にある。それが随所から溢れる車輌であることを覚えておいてほしい。

詳細写真

フロント、フェンダー、アンダーカウルはエタニティのオリジナルパーツ。同店が得意とする上品なデザインが各部に宿っており、それがシンプル系スタイルを生み出す要因のひとつともなっている。

インナーは、メタリック感が異なるガンメタリックを使用。コストと手間をかけているのに、外装との区別をあえて分かりにくくする。そして、徹底したメッキ化したハンドル周り。シンプルを目指すには、このようなセンスが必要なのだ。

マフラーはエタニティのオリジナル。派手に見えるカチアゲ系だが、その装着位置や外装との統一感など、バランスに配慮してまとめあげた。

大柄なダイヤカットの表皮も、エタニティが得意とする仕上げだ。絶妙な造形なども含めて、このラグジュアリー感はマネしたい要素だ。

プーリーカバーもしっかりとフルメッキに。煌びやかにするだけでは目立ち過ぎるが、それを派手に見せない内外装色とのバランスの追求に、エタニティのセンスが光っている。