掲載日:2024年11月27日 プロが造るカスタム
取材協力/LOTAUS
取材・写真・文/ガスグラフィックス
ヤマハ・マグザムは、2005年に誕生した。コンセプトは「ベストタンデム・アーバンクルーザー」。二人乗りの際の快適性や機動性を重視して、ライダーとタンデムの乗車時の重心位置の差をできるだけ無くし、低く構えたデザインが特徴だった。ヤマハ・マジェスティ、ホンダ・フォルツァ、スズキ・スカイウェイブといった各社を代表する人気車両とは対照的に独創的なデザインで一躍注目を集めたのは間違いない。カスタムシーンでは、エアロ装着、ローダウン、ロングホイールベース化といったスタイルが大定番化していた時代に、ノンエアロ、ローダウンのみのシンプルな内容でもカッコよくまとまるベース車として、人気を博した。
今回紹介する1台は、マグザムの純正デザインをそのまま活かしたシンプル系ながら、フレーム加工にこだわることでスラムド(着地)スタイルを実現した車両になる。製作は埼玉県桶川市のバイクショップロータス。マジェスティのハードカスタムを手掛けることが多かった同店による、希少なマグザムスタイルがこちらになる。車体下部のフレームからしっかりと地面に着地したスタイルは、ワンオフによるフレーム加工によるもの。当然エアーサスペンションを活用しているが、リアはモノサス化(1本サス)していることもポイント。クルマのミニトラック系のカスタムに通じる技術とアイデアは、ベース車がマグザムだからよりスタイリッシュに見えることは明らかだ。
しかも、リアバンパー以外はエアロ未装着。カスタムの世界では真っ先に取り払われてしまうフロントスクリーンをそのまま活用。シートはFRP製フラットシートに変更されているが、タンデムバーや背もたれを取り外したのみ。過度に装飾せずともここまでクールな仕上がりになるマグザムの底力に感服だ。
ご覧の通り、フロントとサイドのエアロは未装着で純正のまま。スクリーン付きのカスタム車はとても新鮮だ。なお、ヘッドライト内部はプロジェクター化されており、こういったさりげないカスタムはロータスならでは。
純正は13インチが採用されているが、着地を考慮してヤマハ・マジェスティ用の12インチへとサイズダウンしている。その結果、ディスクローターがより大径化して見えるのも興味深い。
リアまわりもビビッドパワー製バンパーを装着したのみ。他は不要なパーツを取り外し、テールランプをブラックアウト化したのみ。マグザムのロングホイールベース化は、この純正リアカウルからハミ出さないように作ることが美学とされており、他のライバル車と違ってリアホイールが見えないこの姿こそが美しい。
純正シートそのものが前後繋がっているデザインのため、FRPシートによるフラット化はそれほど手間がかからないのもマグザムの特徴。リアカウルの上面に合わせてタンデム部を造形することで、視覚的な低さや絶妙な一体感が生まれる。
ハンドルまわりも、基本的にノーマルのまま。車体をブラックアウトで統一しているため、黒いノーマル部をそのまま活用できるのは、ユーザーの金銭面の負担も軽くなりありがたい。ミラーは車両の高さを抑えるために、インナーカウルの横側にさりげなく装着している。
愛車を売却して乗換しませんか?
2つの売却方法から選択可能!