掲載日:2023年09月06日 プロが造るカスタム
取材協力/MOTOLAND KAMATA 取材・写真・文/ガスグラフィックス
グループ店として、世田谷区若林、大田区南蒲田、江戸川区平井に3店舗を展開するモトランドは、1983年に創業を開始した老舗バイク販売店である。その中のひとつ、蒲田店はビッグスクーターブーム当時に、自社オリジナルパーツを開発販売するほど、様々なスタイルのカスタムスクーターを作り上げてきた功労者と言えるだろう。今回紹介するスズキ・スカイウェイブは、同店が製作したグリッター(派手系)スタイルの中の1台である。
内外装共に鮮やかなブルーに彩られた車体が目を引くが、過度なロングホイールベース化とローダウンをしていないのが特徴。それは、モトランド蒲田が、カスタム専門店ではなく販売店という自らの立ち位置を守り抜いたからだ。足回りに使用されたのは、大阪の職人、新井コウテツ製の強化リアサスペンションと、ロングホイールベースキットだ。ビッグスクーターのカスタムは、エアロ装着といった追加の美学のため、どうしても重量増がネックとなる。しかし、走りの質よりもルックス優先が一般的のため、サスペンション本来の機能を損なってもそこは致し方なし、というのが当たり前の世界だ。主要大手パーツメーカーは、もちろん乗り心地にこだわったサスペンションなども販売していたが、それよりもさらに踏み込んだ、よりこだわりの機能性を追求して生まれたのが、新井コウテツ製の強化サスペンションだった。大量生産品では無いことと、前述したように性能を求めるユーザーは圧倒的少数派のため、商品としてもレアアイテムとなっていたが、モトランド蒲田のような車両メーカーの正規販売店として活動するお店にとっては、貴重な商品だったことは間違いない。
しかも、こういった機能性パーツが、グリッターと呼ばれるハデ系カスタムに活用されていることにも注目したい。ビッグスクーターのカスタムは、ユーザーそれぞれが個性を発揮して、自分の楽しみたいスタイルを自由に表現しあっていた。そんな時代を思い出させてくれる、貴重なスカイウェイブだった。
ノーマルでは一眼デザインだが、ノーズ部分を延長することで二眼に見せるホットライズ製フロントフェイス。造形もシンプルで、43スカイウェイブオーナーの支持も多かった隠れた人気パーツ。前方へのエッジ感と横へのボリューム感が特徴的なサイドはマッドスピード製。
ウェーブ型のディスクローターは、ブラストマニアから発売されていた商品。ホイールはボディと同色、キャリパーも同類のブルーにすることで、一体感を強調。フロントフェンダーもダクトにメッシュ加工が追加されている。
美しくメッキ仕上げで統一されたハンドル周り。ハンドル、スイッチボックス、グリップ、マスターシリンダーなどと徹底することで、高級感を演出していた。
エンド部分にダブルデザインを採用したマフラーは、モトランドのオリジナル。サイレンサーの太さと長さ、カチ上げの角度やサイズ感など、ビッグスクーターユーザーが好むスタイルが集約されている。
流麗なデザインが採用されたリアスポイラーもマッドスピード製。クリアテールランプ、シルバーのエナメルシートなど、当時の人気スタイルがどういうものだったのか、一目瞭然の仕上がりだ。
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